奈良で真田丸体験?これぞ奈良県立美術館の底力「蕭白・松園…日本美術の輝き」

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奈良で真田丸体験?これぞ奈良県立美術館の底力「蕭白・松園…日本美術の輝き」

奈良で真田丸体験?これぞ奈良県立美術館の底力「蕭白・松園…日本美術の輝き」

更新日:2016/02/26 15:23

いずみ ゆかのプロフィール写真 いずみ ゆか ライター

2015年に開館42周年を迎えた奈良県立美術館。実は、2015年に開催された企画展の来館者数が飛躍的に伸び、奈良観光の中でも今熱い注目を集めています。そして、話題のNHK大河ドラマ「真田丸」にも登場する淀君の(伝)肖像画を所蔵している美術館でもあるのです。2016年3月13日まで開催中の真田丸関連企画展「 蕭白・松園…日本美術の輝き」から館蔵品の底力と真田丸なりきり体験を味わってみましょう!

着脱に約2時間!?本物の鎧兜も!無料の「真田丸なりきり体験」

着脱に約2時間!?本物の鎧兜も!無料の「真田丸なりきり体験」

写真:いずみ ゆか

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奈良県立美術館の面白い特徴は、「体験コーナー」があること。博物館では見かけますが、美術館ではあまり見かけないのではないでしょうか。
過去の企画展でも「体験コーナー」はいつも人気。今回の真田丸関連企画展「蕭白・松園…日本美術の輝き〜美人画、武者絵から刀剣、近代の名品まで〜」では、NHK大河ドラマ「真田丸」にちなみ、兜と陣羽織を羽織り、本物の高取藩の火縄銃(レプリカの刀もあり)を持って記念撮影が出来るのです。しかも無料!

そして、あなたが心から本気で希望すれば、レプリカでは無く、なんと正真正銘の鎧兜を身に着ける事も可能。(奈良県生駒郡平群町提供)
しかし!係りの方によると、まず鎧兜を紐解くのに約1時間、身に着けるのに約45分かかります。

「我こそは!」というツワモノの心を持った歴史ファンや歴女の皆さん、是非ともチャレンジしてみては?

「鑑賞ポイント」と無料が嬉しい!「連携展示」

「鑑賞ポイント」と無料が嬉しい!「連携展示」

写真:いずみ ゆか

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「本展の見どころは大きく3つあり、更に嬉しい”おまけ”が付きます」と学芸課長の南城守さん。
奈良県立美術館といえば、豊富な日本画の所蔵品にファンが多いので、もちろん本展でも充実しています。
 
「本展鑑賞の4つのポイント」
【1】美人画の変遷
【2】刀剣の美 三輪山麗を拠点とする刀工・月山の匠の技
【3】真田丸関連展示
【おまけ】近代の日本画

更に、実は奈良県立美術館にギャラリースペースがあるのをご存知でしょうか?そこでは企画展の内容にあわせて、県内の市町村との「連携展示」が開催され、毎回人気を博しています。今回は大和郡山市、宇陀市、高取町による「大和の城と城下町ー往時の面影をしのぶ」。展示市町村の詳細な観光パンフレットを多数持ち帰れたり、特産物の購入が出来たりと奈良観光をもっと楽しみたい方は立ち寄り必須!何より、企画展を観覧しなくても無料で立ち入れる事を意外とご存じない方が多いので、穴場情報です。

また、奇想の画家として伊藤若冲と並び人気がある江戸時代の絵師・曾我蕭白(そがしょうはく)と近代美人画の第一人者で”理想美”で捉えた事で知られる上村松園(うえむらしょうえん)の美人画の対比も本展注目ポイントです。

美人画の変遷と奈良県立美術館の原点

美人画の変遷と奈良県立美術館の原点

写真:いずみ ゆか

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第1・2展示室では、美人画の変遷を絵師の一点制作である肉筆画で楽しめるのが特徴。特に「寛文美人画」に代表される日本独特の”独り立ちの美人図”にご注目を。

浮世絵は肉筆画からスタートし、のちに大量生産のため絵師・彫師・摺師の分業による多色刷り木版画・錦絵が生まれ、主流になっていきました。
展示では、「錦絵の黄金期」=美人画の黄金期である天明・寛政年間の官能的で艶麗な作品、幕末の世相を反映した退廃的で凄惨なアクの強い作品、明治期の浮世絵の伝統を受け継ぎつつ、西洋画に刺激を受けた作品と幅広い年代の美人画を楽しむことが出来ます。

また、もう一つご注目頂きたいのは、奈良県立美術館設立のきっかけでもあり、コレクションの柱のひとつと言える「吉川観方コレクション」。吉川観方(よしかわかんぽう)は、大正〜昭和の京都の日本画家・風俗研究家で、近世絵画(近世初期風俗画・浮世絵・肖像画)や小袖・武具・装飾品の収集家としても知られています。また、「故実研究会」を主催し、モデルに着付けてポーズをとらせ写生する観方写生場を自宅に設け、そこに先述の上村松園※が参加していたのです。

松園の美人画には、「吉川観方コレクション」を参考にしたのでは?と思われる作品が残されているので、その視点からも展示作品を楽しんでみて下さい。

※奈良市登美ヶ丘には、上村松園・松篁・淳之三代にわたる作品を展示する松伯美術館がある

綾杉肌にご注目を!刀工・月山の匠の技

綾杉肌にご注目を!刀工・月山の匠の技

写真:いずみ ゆか

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第3展示室は、刀工・月山の刀剣。月山とは刀工の一派で、その名の通り出羽国(現在の山形県河北町)月山が起源です。幕末に月山弥八郎貞吉が大阪に移住し、拠点が関西に移りました。現在は奈良の三輪山麗で作刀活動を行っています。

人間国宝・二代貞一(さだいち)の作である太刀や、二代貞一の息子である月山貞利(さだとし)氏、更に息子の貞伸(さだのぶ)氏の作を本展では、かなり間近で堪能できます。
特に、写真では少し分かり難いのですが、月山の刀の特徴で「綾杉肌」と呼ばれる独特の地金の鍛え方による柾目(まさめ)が大きく波を打ったような形状が、はっきりと見る事ができるので、お見逃しなく。
日本の刀剣鍛冶の世界で月山ほど長く一貫して流派の技術が伝承されている例は無いと言われています。

刀剣ファンの方は、3月6日(日)に月山貞利氏の講演会と、展覧会最終日の3月13日(日)に月山貞伸氏の鑑賞講座・特別対談が開催されますので、こちらもお見逃しなく。

あの有名な淀君の(伝)肖像画は奈良県立美術館所蔵だった!真田丸関連展示

あの有名な淀君の(伝)肖像画は奈良県立美術館所蔵だった!真田丸関連展示

提供元:奈良県立美術館

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第4展示室は、真田丸関連展示。
本展最大の見どころとも言える、あの有名な淀君の(伝)肖像画を鑑賞できます。なんと、歴史の教科書でもお馴染みのあの淀君は、奈良県立美術館の所蔵品だったのです!意外に思われた方も多いのでは?
また豊臣秀吉朱印状や徳川家康書状なども所蔵しているので、館蔵品を楽しみながら、真田丸の時代へタイムスリップ出来るような展示構成になっています。

豊臣氏と奈良は、秀吉の弟で大和大納言と称された豊臣秀長が、大和・紀伊・和泉の3ヶ国(+河内国の一部)を治めた際、郡山城を居城としているので、実は縁が深いのです。
奈良といえば、どうしても古代史ばかりクローズアップされがちですが、本展鑑賞後は、戦国・江戸期の奈良をもっと知りたくなるはず!

「伝 淀殿画像」桃山ー江戸時代・17世紀(奈良県立美術館所蔵)

”おまけ”のレベルが高い!奈良県立美術館は、いつもと違う目線の奈良観光のスタート地

最後に第6展示室で、学芸課長の南城さんが最初に教えてくれた”おまけ”として近代日本画の鑑賞を。しかし、実は”おまけ”というのは冗談で、館蔵品レベルの高さを改めて感じる事ができます。
狩野芳崖・橋本雅邦・竹内栖鳳など日本画ファンの方には堪らない作品ばかり。また、上村松園の最初の師匠である鈴木松年や2番目の師匠である幸野楳嶺の作品もあり、松園ファンにはある意味堪らない展示でもあります。

本展を通して分かる奈良県立美術館の魅力。それは、充実した館蔵品だけでなく、奈良観光のスタート地として底力を発揮しているところ。
本展の後に、上村松園の作品を多数展示している奈良ホテルでランチやアフタヌーンティーを楽しんでみたり、戦国期の奈良の城郭を楽しみに、連携展示の大和郡山市・宇陀市・高取町へ観光に行ってみたりと、いつもとは違う目線で奈良を楽しんでみませんか?

奈良県立美術館は、奈良国立博物館とは違う”美術の視点”から、あなたの奈良観光の目線を変えてくれる魅力があるのです。

●企画展詳細は、関連メモより公式HPにてご確認下さい。※2/16〜3/13は後期展示
●本記事掲載の写真は、取材で撮影したものです。奈良県立美術館では、企画展・特別展の内容によっては、一般観覧者でも館内の撮影が可能です。(事前申請制)
一般観覧者は、作品によっては個別撮影ができないケースもありますので、必ず美術館スタッフにご確認下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/01/23 訪問

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