写真:高田 真美
地図を見るポイントネピアン国立公園は面積560ヘクタールの広い公園です。公園に到着したら、先ずはインフォメーションセンターに立ち寄って、ウォーキングトラックや見所が明記された地図をゲットしましょう。インフォメーションセンターがあるのは、公園内の「クアランティンステーション (Quarantine Station)」というエリア。公園の入口から1キロほど中に入った場所にありますので、サインに従って、車でそのまま乗り入れましょう。
クアランティンステーションは19世紀中頃に設立された検疫・隔離施設。その当時、ヨーロッパから船でポートフィリップ湾に到着した移民が、長い船旅の間に船内でかかった疫病のために隔離された場所です。その後、1950年代から1998年までは軍の施設として使われていたため、このエリアが国立公園の一部として一般公開されるようになったのは、ごく最近のこと。今でも検疫施設当時の古い建物が数多く残っており展示物などもあるのですが、ここで時間を潰しすぎて、国立公園内の美しい景色を堪能する時間がなくなってしまっては元も子もありません。クアランティンステーションの散策は帰り道に時間があったら・・・という事にして、インフォメーションセンターで地図を入手したら、車でクアランティンステーションの2キロ先のガンナーズコテージ (Gunner’s Cottage) へ向かいましょう。
ポイントネピアン国立公園では、ガンナーズコテージより先は自家用車の乗り入れが禁止されています。従って、ここから先は、シャトルバスか徒歩、もしくは自転車で回ることになります。ガンナーズコテージから半島先端部のフォートネピアン (Fort Nepean) までは約3キロ。歩けない距離ではありませんが、公園内の地形を把握するためにも、先ずはシャトルバスで終点のフォートネピアンまで行き、帰りは美しい景色を楽しみながらのんびりと歩いてガンナーズコテージまで戻ってくるという回り方がおすすめです。
写真:高田 真美
地図を見るガンナーズコテージを出発したシャトルバスは、暫くの間ティーツリーの林の中を走ります。1キロぐらい走ると、突然視界が開き、道の両側に海の景色が見えてきます。
道の左手に広がっているのが、バス海峡の海。バス海峡はオーストラリア大陸とタスマニア島の間にある海峡です。ここから半島先端のフォートネピアンまでの約2キロ、道の左側にはバス海峡の荒波と浸食によって作り出された断崖絶壁のダイナミックな景色がずっと続きます。
写真:高田 真美
地図を見る一方、道の右手に広がるのは、ポートフィリップ湾の海。陸地にぐるりと囲まれたポートフィリップ湾の海は非常に穏やか。波一つない透き通ったブルーの美しい海の景色が広がっています。
ポイントネピアン国立公園がユニークなのは、バス海峡とポートフィリップ湾という対照的な2つの海の景色が一度に見渡せるというところ。陸地が非常に細長く伸びているので、バス海峡側の荒々しい海の景色とポートフィリップ湾側の穏やかな海の景色が一度に目に入ってくるんです。こんな場所はなかなかありませんよ!
写真:高田 真美
地図を見る国立公園の一番奥、つまりモーニントン半島の先端部にあるフォートネピアンからは、ポートフィリップ湾の入口部分と対岸のベラリン半島が一望できます。「リップ (Rip)」と呼ばれるポートフィリップ湾の入口部分は、東側からモーニントン半島、西側からベラリン半島が突き出ているため、開口部分が僅か3.5kmしかありません。更に、その開口部分の海底には岩礁が張り出しており、実際に船が通過できる幅は1kmほどしかありません。そのため、現在でも、一定の大きさ以上の船は、リップを通過するためだけに専門のパイロットを使うことが義務付けられています。専門パイロットはベラリン半島のクイーンズクリフの港に常駐しており、要請に応じてオレンジ色のパイロットボートで現場に向かい、船に乗り込み、船を湾内/湾外まで操縦します。運が良ければ、大型船が「リップ」を通過する様子をフォートネピアンから見物することもできますよ。
またフォートネピアン周辺は、ポートフィリップ湾への入口という地理的条件から、その昔、軍事的に重要な防衛拠点だった場所でもあります。戦時中のトンネル、見張り台、大砲台、といった史跡も沢山残っていますので、ゆっくり時間をとって散策してみてくださいね。
写真:高田 真美
地図を見る半島先端のフォートネピアンまでバスでやってきたら、帰りは、360度の絶景を楽しみながら、のんびりと歩いて戻りましょう。
距離が一番短いのは、シャトルバスが走っているディフェンスロードという舗装された道を戻るコースですが、コールズトラックという林の中を歩くコースや、ビーチトラックというビーチを歩くコースもおすすめです。また、途中のシェビオットヒルというバス停からは、小高い丘に登るウォーキングトラックもあり、丘の上の展望台からバス海峡側の壮大な海の景色を見下ろすこともできます。ポイントネピアン国立公園には手つかずの自然が残っていますので、散策中にはエキドナ(オーストラリアのハリモグラ)などの小動物に出会う事もありますよ!
もちろん、歩くのが苦手な人は帰りもシャトルバスを利用しても構いませんし、少しだけ歩いて、疲れたら途中のバス停からシャトルバスに乗って戻るということも可能です。公園内のシャトルバスは途中数カ所にバス停があって、一度チケットを買えば後は乗り降り自由です
ガンナーズコテージの駐車場まで戻って来たら、近くの「オブザベートリーポイント (Observatory Point)」という美しいビーチに立ち寄るのもお忘れなく!そして、最後に時間があったら、再び車でクアランティンステーションに戻り、古い検疫所などの施設を見学してみてくださいね。
今回は、公園内シャトルバス+徒歩で回る方法をご紹介しましたが、公園内を自転車で回る事も可能です。自転車はクアランティンステーションのインフォメーションセンターで有料で借りる事ができます。
2016年2月現在、ポイントネピアン国立公園の入園料は無料。公園内のシャトルバス料金は、大人10ドル、子供7.5ドルで、一度料金を払えば後は乗り降り自由。シャトルバスは、朝10時30分が始発で午後3時30分まで30分に1本(途中昼休みあり)走っていますが、時刻表が変わる場合もありますので、ポイントネピアン国立公園のウェブサイトで確認をしてください。
メルボルンからポイントネピアン国立公園までは、M1/M11という高速道路を利用すれば、車で約1時間30分。(途中有料道路区間あり)メルボルンからの日帰りも十分可能ですが、モーニントン半島には、美しいビーチやワイナリー、温泉、ゴルフ、といった楽しみもたくさんありますので、1〜2泊してモーニントン半島を遊び尽くすのも楽しいですよ!
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