写真:泉 よしか
地図を見る日本最古の神社の一つが奈良県桜井市の大神(おおみわ)神社です。なんとご神体は三輪山そのもの!祭神は大物主大神(おおものぬしのおおかみ)で、ここは強力なパワースポットとしても知られています。
この大神神社の拝殿に向かって左に細い道が見えますが、こちらは通称くすり道、並ぶ灯篭の足にはそれぞれ献進した製薬会社の名前を記したプレートが付けられています。それもそのはず、歩き始めて10分足らずで到着する狭井神社には、病を癒す薬水が湧き出ると言われる狭井という井戸があるのです。
この辺りの神社や遺跡を繋ぐ道は山の辺の道と呼ばれ、日本最古の街道として一日かけて歩く人も多いです。
ところでこの狭井神社の近くに「久延彦神社近道」と書かれた案内板が立っています。大神神社はもちろん狭井神社まではガイドブックや観光用の地図にもよく記載されていますが、こちらの久延彦神社を知っている人は意外と少ないかもしれませんね。
写真:泉 よしか
地図を見る久延彦神社への近道は山を上ります。あっ、山と言っても小山というか、小さな丘ぐらいの高さで、一部階段になっていますがほんの2、3分で登れます。そして季節が春ならば登っていくといつの間にかあたりは満開の桜、桜、桜・・・。一面ピンクや白の桜がまるで花のトンネルのよう!
そうです、ここが大美和の杜展望台!映画やドラマの撮影に使われることもあるんですよ。そして坂を登りきるとふいに目の前が開けます!
写真:泉 よしか
地図を見るそこにはなんとも例えようのない絶景が待っています。近景に満開の桜、中ほどに町並み、その中にすっくと立つ大神神社の大鳥居が見えるでしょうか。さらに遠景には万葉の山々。綺麗な円錐形のシルエットは古代より親しまれてきた大和三山です。右から耳成山、畝傍山、少しわかりにくいですが天香久山。
中大兄皇子が万葉集で山を男女に例え、「香具山は 畝火(うねび)ををしと 耳成(みみなし)と 相あらそひき 神代より かくにあるらし 古昔(いにしへ)も 然(しか)にあれこそ うつせみも 嬬(つま)をあらそふらしき」と詠んだあの三山です。
また、さらに後ろにうっすらと見える大きな山は、右端の少しぎざぎざした双耳峰が二上山。中央が葛城山で、左が金剛山です。二上山には天武天皇の皇子にして謀反の疑いから24歳の若さで自害した悲劇の大津皇子の墓があるとも伝えられています。
写真:泉 よしか
地図を見る最後に久延彦神社にお参りしていきましょう。
久延彦(くえひこ)というのは田んぼを守る「かかし」の神様です。古事記においては海の向こうからやってきた少彦名神(すくなひこなのかみ)の名前を知っていた知恵の神様として書かれています。
物知りの農業神ということで、学業向上、受験合格の霊験もあらたかな神社です。覚えておいて損はありません。お参り後は久延彦神社の石段を降りたところにある桜の、素朴で懐かしい日本の風景をぜひ振り返って見てくださいね。
大美和の杜展望台にはJR桜井線(万葉まほろば線)三輪駅が便利です。今回ご紹介した狭井神社、大美和の杜展望台、久延彦神社は全て大神神社の境内に含まれます。
2016年に久延彦神社の石段から大美和の杜展望台に至る遊歩道の整備工事を行いましたので、2017年度の桜の季節には、より歩きやすくなっています。
思わず誰かに見せたくなる、誰かと一緒に見に行きたくなる、大美和の杜展望台はそんな場所の一つです。
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(2024/12/13更新)
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