現在、本州から北海道へ渡るフェリーは、大間、青森、八戸、秋田、仙台、新潟、大洗、名古屋、敦賀、舞鶴などから、北海道の函館、苫小牧、小樽へ、各社の様々な便が運行されています。そのうち今回は、『津軽海峡フェリー』さんの青森〜函館便での朝の海峡の絶景をご紹介します。
3時間40分で青森港と函館港を結ぶこの便は、1日8往復が運行されており、24時間昼夜を問わず、2〜3時間おきに出航しています。
実は、朝の絶景と出合うにはこの出航間隔が大事。というのは、日の出時刻は季節によって大きく変わり、函館の場合だと朝の4時台から7時台まで、実に3時間もの違いがあります。したがって、船上で日の出に遭遇するには、それに合わせたフェリーに乗船する必要があり、その時、2〜3時間おきに組まれた出航ダイヤがとても助かるのです。
旅の計画の際には、函館の日の出時刻とフェリーの時刻表とにらめっこ。海上で日の出と遭遇できる便が必ず見つかるのは、嬉しいですね。
深夜便のフェリー船内は、とても快適です。
大型トラックなどの利用が大半なので乗客も大変少なく、スタンダードクラスの大部屋でも人はまばら。就航後間もなく照明も落とされるので、静かで、ゆっくりと眠れます。4時間足らずの船旅ですが、こういう旅、少しでも多くの睡眠時間を確保したいところです。
朝の絶景を見るためには、日の出時刻の少し前に目覚めるようアラームをセットするのですが、迷惑にならないよう、イヤホンから鳴らすなどの工夫が必要です。そういったことのできる、アラーム・アプリもありますので、事前に用意しておくといいですね。
また寒い時期はもちろんですが、暖かい時期でも早朝の船上はとても寒く、風も強く、防寒着無しではいられません。仮眠時の上掛けにもなるので、手持ちの防寒着は必須です。
津軽海峡の日の出。うっすらと朝焼けが始まり、水平線からゆっくりと朝陽が顔を出します。少し陽が昇ったあたりが最高に美しく、全てのものを黄金色に変えてゆくその光景は、まさに絶景。いつまでも心に残る風景になることは、間違いなしです。
朝陽は、船の進行方向に向かって右手から昇ってきます。ですので、この写真の遠くに見える山々のシルエットは、北海道の亀田半島です。もちろんふり返れば下北半島、向きを変えれば松前半島もきれいなシルエットになっており、もう360度全てが絶景。
こんな朝の早い時間にデッキに出てくる人はほとんど無く、このような朝の絶景がほとんど一人占め状態。もう、最高の贅沢気分です。
函館湾に近づく頃には、陽もだいぶ昇ってきています。函館山は北海道の象徴、だんだんと近づいてくる函館山のシルエットを見ると、いよいよ北海道に来たんだということを強く感じます。
写真に見えている函館山のこの先端は、大鼻岬といいます。
ここより少し東にある立待岬は歌にもなっていて有名なのですが、この大鼻岬の名は、あまり馴染みが無いのではないでしょうか。
立待岬は、岬までの道が整備され展望台もある観光地なのですが、大鼻岬は道が無く一般では近づくことができません。馴染みがないのは、そのあたりに理由があるようです。
湾に入ると、朝の光りにうっすらと輝く停泊中の大型船舶、未だシルエットの北の大地、その遠くに見える駒ヶ岳などの風景が、早朝独特の静けさの中に広がります。そのどれもが、船上から、そして朝のこの時刻でなければ見ることができない貴重なものです。
もっとじっくり味わっていたいのですが、入港15分前には、下船準備のために車に戻らなくてはなりません。船内に放送が入りますので、その指示に従ってください。
船上で迎える津軽海峡の朝、鉄道の地下トンネルで海峡を渡るのでは決して味わえない、フェリー旅ならではの海峡の朝がそこにはあります。そしてそれは、一生忘れることのない感動の風景になること間違い無しです。
深夜便フェリーで渡る北海道。多忙な毎日の中で、少しまとまった時間が取れそうな時に、こういった旅で心休めてみるのもいいものです。北海道旅行の際には、深夜便のフェリーでの移動をぜひ選択肢の一つに入れてみてください。思いがけない絶景が待っていますよ。
なお、フェリーに関しては、出航時刻や料金は時期により変わります。また乗船受付や駐車場利用に関しても時刻・時間の制限がありますので、フェリー会社のWEBサイト等で必ずご確認ください。会社によっては、往復割引やインターネット予約割引などの他、各種割引もあるのでお得です。合わせてご確認を!
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(2024/10/9更新)
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