「京真田紐師 江南」が『真田丸』で注目度UP!深淵なる真田紐の世界

「京真田紐師 江南」が『真田丸』で注目度UP!深淵なる真田紐の世界

更新日:2017/09/25 18:18

bowのプロフィール写真 bow トラベルライター
真田幸村が広めたとされる「真田紐」は、現代においても様々な用途で使われていますが、その技術を受け継ぐ職人はほんの僅か。機械織りの真田紐が台頭する中、「京真田紐師 江南」は手織りの真田紐職人として貴重な存在!大河ドラマ『真田丸』で注目を集める「真田紐」の世界、京都で覗いてみませんか?

『真田丸』で俄然注目!「真田紐」とは?

『真田丸』で俄然注目!「真田紐」とは?

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2016年のNHK大河ドラマといえば、堺雅人さん主演の『真田丸』。その主人公である真田幸村が広めたとされる「真田紐」は桐箱や甲冑などに用いられたもの。

「真田紐」は機(はた)などを使い縦糸と横糸で平たい紐状に織っていくため、”紐”という名はついていますがその正体は実は織物。そして通常の織物よりも倍以上の横糸を使い、横糸も縦糸も圧縮しながら織っていくため、縦に引っ張る力に強く、さらに伸びにくく非常に丈夫というのが「真田紐」の特徴です。

また、丈夫なだけでなく縦糸が織りなす美しい模様からも様々な工芸品などに使われてきました。もちろん現代においても様々な場面で使われている便利な道具です。

ルーツはチベットの「サナール紐」?

ルーツはチベットの「サナール紐」?

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真田紐の伝来は現存する記録がないため、推測の域を越えませんが少なくとも戦国時代の真田幸村が発明したものではなく、もっと古くから存在していたようです。そのルーツとして有力視されているのは鎌倉〜平安時代にチベット・ネパールなどで作られていた獣毛を使った織物である「サナール紐」。

真田紐と語感が似ているのが興味深いところですが、その「サナール紐」が南方仏教伝来ルートに乗って、仏典やインド更紗などを”縛って”海路から日本に入ったといわれています。事実、その伝来ルート上には「サナール」を彷彿とさせる幅の細い織物が台湾の山岳民族の織物や、沖縄県八重山の「八重山織」、沖縄の「ミンサー織」、はたまた伊豆諸島の八丈島・新島には「かっぺた織」という形で伝わっています。

「真田紐」という名は江戸時代の行商人が真田幸村の名を使って売り歩いたため、そう呼ばれるようになったのではとされています。

伝統を守る「真田紐師・江南」

伝統を守る「真田紐師・江南」

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現在では真田紐も機械織りが台頭し、手織りの真田紐というのは本当に貴重な存在となっています。そんな中、京都市下京区にある「真田紐師・江南」は今や絶滅の危機にある、草木染めの手織りの真田紐を作っています。

京都では茶道の三千家やその他の流派、はたまた寺社仏閣も多く、「約束紐」と呼ばれる紐など貴重な真田紐が作られています。この「約束紐」は作家・流儀・寺院などにそれぞれ独特の紐柄が作られ、茶道具や収集品の真贋証明として使われているため、非常に重要な存在。ここ「真田紐師・江南」にはその「約束紐」の全てが揃っており、いわば機密情報を扱う重要なデータベースの側面も持っています。

「真田紐」を使ったアイデアグッズも!

「真田紐」を使ったアイデアグッズも!

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「京真田紐師・江南」では古くから使われてきた工芸品としての真田紐以外にも、現代的な要素で真田紐に価値を持たせようともしています。

真田紐の美しさを活かしたアクセサリー類や真田紐の丈夫さを活かした小物類など、アイデア商品が続々と企画・製造されています。異業種とも色々なコラボレーションが展開されていて、どれもお洒落で実用的なモノばかりですので、要チェックです!

真田紐製作体験も可能!

真田紐製作体験も可能!

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「京真田紐師・江南」では体験教室も受付中!真田紐が実際にどのようにして作られるのかという行程を体験できるのですが、伝統工芸に携わる一流の職人から直接教えてもらえるというのは非常に貴重な経験!

そして何よりも真田紐職人の和田伊三男さんのトークが軽妙で楽しいのも特筆できるポイント!NHK大河ドラマ『真田丸』でも真田紐に関しての時代考証、技術指導で協力をしているというという和田さんからは真田紐の歴史だけでなく、いろいろなお話が聞けるはずです。なお、体験教室希望の際は一週間前をメドに予約をしましょう。

真田幸村ゆかりの「真田紐」を今に伝える「京真田紐師・江南」

15代目という「京真田紐師・江南」の元へはグッチやヴィトン、ライカなど海外の超有名な老舗ブランドもインスピレーションを得ようと研修に訪れるという、実は一目置かれた存在。

武家によって広められた「真田紐」は同じく武家とともに広がった「茶道」と密接な関わりを持ちながら全国へと広がりました。そんな「真田紐」はルーツを探れば探るほど、ロマンに満ちています。『真田丸』が注目を浴びる中、「真田紐」もまた注目を浴びつつあります。京都を訪れたのなら「真田紐」の世界を覗き込んでみてはいかがでしょうか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/01/30 訪問

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