写真:一番ヶ瀬 絵梨子
地図を見るマケドニアとアルバニアの両国にまたがるオフリド湖は、約500万年前に形成されたとされるヨーロッパで最も古いの古代湖のひとつ。バルカン半島で最も深い湖でもあります。
その清澄な美しさから1979年に世界自然遺産に登録されましたが、翌年には湖畔に立つ聖ヨバン・カネヨ教会を始めとするオフリド市街の文化的価値も認められ、複合遺産となりました。
世界複合遺産はグァテマラのティカル遺跡に続く2件目で、ヨーロッパでは初となります。
湖の断崖に建つ教会というのは非常に珍しく、その組合せの美しさは圧巻。
夏にはヨーロッパ各地から湖水で泳ぐ観光客が訪れて賑わいますが、秋冬の静寂も魅力です。
写真:一番ヶ瀬 絵梨子
地図を見る世界文化遺産として評価されたのが、オフリド市街に残る教会建築群。
しかしながら、他のヨーロッパ諸国のように壮大できらびやかな教会ではありません。
異教徒により侵略された歴史もあるので破壊されている場所もありますし、現在進行形で修復が行われている教会もあれば、マケドニアの経済事情のためか宗教的役目を終えたのち修復されないままとなっている教会もあります。
オフリド市街をあてもなく散策していると、そんな鄙びた教会建築を数多く目にします。
派手さや華やかさはありませんが、その静かで絵になる佇まいに一朝一夕では作られないマケドニアの長い歴史を感じることができるでしょう。
オフリド市街の見どころは、教会建築だけではありません。
1階部分よりも2階、3階部分が突きだしている頭でっかちな家屋も必見です。
これはマケドニアの伝統建築で、道幅を広く取ることと家の中にたくさんの光を取り込むことの両方を追求した結果なのだそう。上階には大きな窓がたくさん付いています。
白い壁と瓦屋根はどことなく日本の蔵を思わせるデザインなので、遠く離れた日本を思い出して不思議な懐かしさも感じるかもしれませんね。
オフリドの街中からは、丘の上にあるサミュエル要塞の城壁を見上げることができます。
この要塞は10世紀末〜11世紀初めごろにオフリドを首都に定めたブルガリア皇帝サミュエルが築城したもので、湖畔の聖ヨバン・カネヨ教会の北側に位置しています。
ここからはオフリド湖とオレンジ屋根の並ぶ市街を一望できるのでぜひ登ってみましょう。
魔女の宅急便のモデルとされるクロアチアのドブロブニクにも似たかわいらしい景色ですよ。
写真:一番ヶ瀬 絵梨子
地図を見る静かな田舎街といった雰囲気もあるオフリドですが、意外にもグルメも充実しています。
特産はなんといってもオフリド湖で獲れるマスですが、こちらは保護対象となっているためかなりの高級品。安いマスは輸入品であることが多いようです。
ほかに、プレスカヴィッツァというハンバーグも食べておきたいマケドニアの名物料理。ハンバーグなのにさつま揚げのような弾力ですが、食文化のギャップは海外旅行の醍醐味ですね。
また、マケドニアはワインの生産国であり、オフリドにもワイナリーがあります。
高級感のあるラベルのボトルワインでも500円以下で購入できますので(1リットル入りの格安ワインもあります)、ワイン好きの方はぜひ飲み比べを楽しんでくださいね。
日本ではマイナーながら、ヨーロッパでは人気観光地のひとつであるオフリド。
有名どころではなく、一風変わった穴場を旅したい人にぜひ行っていただきたい街です。
ちなみにオフリドにはホテルもありますが、アパートメント型の宿泊施設や民家の一室を借りるプライベートルームもリーズナブルな価格で人気です。
民家の一室と言っても宿泊者専用の部屋を用意して許可を得て営業していますし、あっせん所もありますので安心して利用できますよ。ホームステイのように家族と交流できることもありますので、宿を決めずに旅するスタイルの方にはプライベートルームがオススメです。
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(2024/9/16更新)
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