松本駅から松本城に向かう途中、女鳥羽川に架かけられた千歳橋を渡ったところに縄手通りがあります。徒歩で駅からは10分程度、お城までは5分くらいの距離です。
「縄のように長い土手」からその名前が付けられたといわれる縄手通り。その土手沿いの商店街は、江戸時代の城下町を再現しています。情緒ある町並みの散策を楽しもうと、特に週末は大勢の観光客や地元の人で賑わいます。
通りに並ぶおよそ50のお店には、骨董品を扱う商店や昔懐かしい駄菓子売り、テラス席のあるお洒落なカフェなどが混在しています。新旧織り交ざりゴチャゴチャと軒を連ねている風景は、どこか温かみがあり懐かしさも感ます。また、それぞれのお店が軒先に見せる個性や遊び心も、商店街全体の魅力になっています。
縄手通り商店街の別名は「カエルの街」。通りを散策していると大小様々ないくつもの蛙キャラクターを目にします。街の入口などにある石像蛙をはじめ、お店の軒先に堂々と、またはさり気なく存在する蛙たちのユーモラスな姿は、見る人の心をほっこりとさせます。蛙グッツを専門に扱うお店もありますし、記念写真用の顔ハメ蛙看板はもちろん、なんと商店街の中ほどには「かえる大明神」も祀られています。
そもそもなぜ蛙がメインキャラクターになったのかと言うと、商店街隣を流れる女鳥羽川と関係しています。かつては清流にしか棲まないカジカカエルがたくさんいた女鳥羽川を、再び美しい川に戻そうという活動からだとか。また、活動を開始する当時は活気が失われつつあったこの商店街を、再び元気な場所に「かえる」ようにとの願いもこめられました。
毎年夏には「松本かえるまつり」が行われ、全国から大勢の蛙ファンが集まります。
商店街を歩いていると、通り沿いに四柱(よはしら)神社の鳥居が見えてきます。縄手通りは、もともとはこの神社の参道として発展しました。
天之御中主神、高皇産霊神、神皇産霊神、天照大神を祀る四柱神社は「願い事結びの神様」として知られています。一ヶ所で4人の神様を祀っている神社は全国的にも珍しく、年間を通して多くの参拝客と観光客が訪れます。市街地にありますが緑豊かで厳かな雰囲気の境内には縄手通りから直接入ることができますので、散策の途中にぜひ立ち寄ってみましょう。
魅力的なお店が並ぶ商店街の中でとりわけ古い歴史を持つのが、昭和21年創業の鯛焼き屋さん「ふるさと」。このお店で今も続けられているのが、鯛の型が1つだけの小さな鉄板で1枚ずつ焼くという一本焼き。だから、1枚1枚の焼き加減が微妙に違うのです。
そして、パリパリの薄皮生地の中には毎日お店で炊きあげられた自家製あんこがぎっしり。
原材料にこだわって作られたあんこは人気があり、あんこだけの販売も行われているほどです。夏には自慢のあんこに自家製アイスを乗せた冷たい鯛焼きも発売されます。
松本市街地にある観光スポットは歩いて回れる場所に多くありますが、体力と時間を効率的に使うために、駅から出ている周遊バス「タウンスニーカー」を利用するのもいいでしょう。4種類の周遊コースの中には、もちろん縄手通りの前で停車するコースもあります。
歴史と個性を併せ持つ城下町松本。そんな街のそぞろ歩きを楽しんでみませんか?
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(2023/11/28更新)
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