写真:car min
地図を見るクリスマス、カーニバル、イースターと冬から春にかけてキリスト教関連の華やかな行事が一通り終わった頃に、ドイツ人が熱狂するのが『シュパーゲル』。もちろんもっと早い時期でもスペインなど、南ヨーロッパ産の物を手に入れることができますが、あくまでドイツ産で旬の『シュパーゲル』を食べることにこだわっています。
マーケットに出始めるのはその年の気候で違い、4月中旬から下旬頃ですが、終わりは6月24日と決まっています。そのあたりは丁度夏至にあたり、初霜まで約100日間『シュパーゲル』が来年のために十分な力を蓄えるのに必要な期間とされているからなんです。
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地図を見るドイツでは「王の野菜」や「食用の象牙」とも呼ばれるくらい野菜としては高価な『シュパーゲル』。なぜなら、その栽培は手間がかかり、収穫方法も機械ではなく手作業で行われます。そして、その形、太さや穂先の閉まり具合などでランク付けされるので、掘り起こすにもとても慎重な作業になります。
EUの『シュパーゲル』貿易ランクのエクストラ級では、直径が最低12mm以上、茎は真っ直ぐ、穂先はしっかり閉じていて、固くなく、空洞が無いなどの厳しい基準が決められているんです。
成分は93%が水分なので、新鮮さを保つのもとても重要です。
そのため、日本なら朝堀り竹の子ですが、ここドイツなら朝堀り『シュパーゲル』が買える農家の直売所やこの期間だけ道路脇にスタンド販売所が設置され、『シュパーゲル』ファンの要望に応えています。
また期間限定で農家が『シュパーゲル』メニューだけを提供する食堂を開く場所もあったりします。
調理用品にも『シュパーゲル』を縦に立てたまま茹でられる鍋や皮むき器、専用トングまであって、1年間の内2か月しか食べられない野菜でも、人々の熱意がとても高いことを感じます。
多くの『シュパーゲル』ファンは茹でた『シュパーゲル』とハムのハーモニーを楽しみます。塩気の効いたハムがさっぱりとした『シュパーゲル』と味が合うというだけではなく、伝統的な意味もあります。
それは、現在のようにいつでも欲しい物が手に入る時代では無かった頃、冬に仕込みをしたハムがちょうど春に熟成し、長い時間待たなければならなかった人々の喜びが『シュパーゲル』とハムの組み合わせになったのです。
ハムとの組み合わせも素敵ですが、ドイツに来たからには他のメニューも食べてみたい!!
そんな方にもレストランではいろいろなメニューが用意されています。
『シュパーゲル』とシュニッツェル(牛・豚カツ)、ステーキ、魚のソテーなど、通常はメインディッシュで出てくる料理がこの時期は脇役にまわっていて、通常とは違った組み合わせを楽しむことが出来ます。
『シュパーゲル』の上にかけるソースは2種類あり、伝統的なソースはバターを溶かした「溶かしバター」。そしてバター、レモン、卵黄で作られた濃厚でコクのある「オランデーズソース」。
ここは両方試してみたいところなので、複数人数ならば違うソースを注文して、分けてみるのもいいかもしれませんね。
『シュパーゲル』をそのままを持ち帰ることは出来ませんが、日本でもおなじみのブランド、クノールやマギーなどから「シュパーゲルスープの素」が出ているのでお土産にしてみてはどうでしょう。
スーパーのスープコーナーで販売しているので簡単に見つけることが出来ますし、帰りの荷物にも嵩張らないのでお友達へのお土産にもお勧めです。
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この記事を書いたナビゲーター
car min
はじめましてcar minです。2012年より縁あってドイツの西部に住んでいます。日本在住の頃は一人旅でアジア、ヨーロッパを中心に旅し、ドイツに移り住んでからはドイツを中心に近隣の国へと出かけ、30か…
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