北九州「門司港レトロ」、ユルイ空気とレトロ感を味わう場所5選

北九州「門司港レトロ」、ユルイ空気とレトロ感を味わう場所5選

更新日:2016/02/18 14:05

明治時代より国際貿易や金融センターとして発展した「門司港レトロ」周辺。異国情緒やレトロ感が漂い、懐かしい風景やゆっくり流れる時間に、まったりとくつろぎたくなる場所があります。そんなまったり感やレトロ感ただようこの街をのんびりと休憩をはさみながら散策してみましょう。

「急がず、あわてず、気品(?)あり・・」のカフェなど、レトロ感が味わえる場所を5カ所ご紹介いたします。

門司港は、「バナナの叩き売り」発祥の地

門司港は、「バナナの叩き売り」発祥の地
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かつて、日本三大貿易港だった門司港が発祥の地と言われる「バナナの叩き売り」。台湾などから神戸へ運ぶバナナで熟れてしまったものや、傷んでしまったものを桟橋などで売りさばいたのです。

現在も週末などに「バナナ叩き売り保存会」による実演を見ることができます。昔も今も、バナナは房ごと、ねじり鉢巻き、腹巻き、はんてん、威勢の良い掛け声です。口上の前に歌があるのが「門司流」。フーテンの寅さんの名調子を思い出す方もおられるのではないでしょうか。バナナの叩き売りには、「門司流」と「佐賀流」があり、渥美清さんは、佐賀流を習った由。佐賀流では歌いながら口上をはさみます。「バナちゃん(バナナ)」がはるか、基隆港(台湾)から門司ミナトまで艱難辛苦の旅を続けたことが語られます・・・。

大正時代の門司港の再現資料館、「関門海峡ミュージアム(海峡ドラマシップ)」

大正時代の門司港の再現資料館、「関門海峡ミュージアム(海峡ドラマシップ)」
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4人の会話を聞いてみましょう。(写真)
右の子供はバナナ売りのお手伝い。「よいしょ!」とバナナのかごを持ち上げたところ。バナナの叩き売りは2人1組で、2人目が集金係ですが、この子がその係?

「だんな、これが、バナナってもんだ!安くしとくから買いなよ」
「それで、そのバナナってのは、焼いて食うのか?煮て食うのか?」

門司港駅から左側の海沿いにでて、400mほど先、船の形をしたビル、「関門海峡ミュージアム(海峡ドラマシップ)」の中。大正時代の門司港街並みが実物大で再現されています。ここでは時間が止まったまま。像(写真)に近寄ると、会話が聞こえ、大正時代にタイムスリップします。バナナの叩き売りに聞き入っている夫婦(?)の間に立てば、無彩色の人の間でカラフルに映る不思議な写真が撮れます。

1階と2階に幾つかの場面が再現され、レトロ感溢れます。ぜひ、現場で聞き入ってみてください。門司港の再現コーナーは、入場無料です。本物の「ちんちん電車」もあって、子供と運転席の取り合いになるくらい楽しく遊べます。

「海峡ドラマシップ」から関門海峡を眺め、くつろぐ

「海峡ドラマシップ」から関門海峡を眺め、くつろぐ
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大正時代の門司港再現のコーナーの後は、「海峡ドラマシップ」の2階海側にある全面ガラス張りの広い無料休憩スペースで海を眺めて休憩しましょう。このスペースは開放感一杯でくつろげます。一番距離が近いところで600mほどしかない関門海峡を行きかう貨物船やフェリー、運が良ければ200m以上ある巨大船や有名なクルーズ船が通過するのが見られます。多いとき1日に1,000隻の船が関門海峡を通過するので、少し見ている間でもさまざまな船の航行シーンが楽しめます。

もう一箇所おススメなのが、旧・三井倶楽部正面にある、「関門海峡らいぶ館」。関門海峡に関する資料館です。3D用メガネを渡され、関門海峡や周囲の海溝の大スペクタクルが驚きの立体像で見られます。説明者によると、関門海峡を通過した最大のクルーズ船は、11万トンクラス。大型船が通過できるように海峡の浚渫(しゅんせつ)で海底の泥を掘りますが、浚渫した泥で北九州空港を埋め立てたそうです。見学は無料です。

まったり感漂う店内でコーヒーブレイク、Le Cafe(ル・カフェ)

まったり感漂う店内でコーヒーブレイク、Le Cafe(ル・カフェ)
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JR門司港駅から徒歩1分、門司港駅信号前のLe Cafe(ル・カフェ:写真)。肩の力が抜けたカフェです。窓側にカウンター席が7〜8席程あり、門司港と関門海峡を見渡す絶景席です。チーズをよく焼いた「焼きカレー」が評判。英国風ティールームに迷い込んだようですが、昭和の雰囲気とミックスされた不思議な空間です。

街歩きの休憩にケーキセットがおススメです。女性主人がその日のケーキを全てテーブルまで運んで見せてくれるのであれこれ選べます。オーナーだったご主人(英国人)を亡くしたこのご婦人が、急がず、あわてずの気品あるサービスで、絶品ケーキとレトロ感一杯のリラックスした雰囲気を出しています。まったりとした店の雰囲気と料理、亡くなった英国人オーナーの人柄に惹かれて芸能人が訪れた写真がたくさんあります。カウンター席前の岸壁や桟橋などで、高倉健さんの映画『あなたへ』のラストシーンが撮影されました。

旧・大連航路上屋

旧・大連航路上屋
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「関門海峡ミュージアム(海峡ドラマシップ)」の向かい側にある白い2階建の長い倉庫建物が、「旧・大連航路上屋」。門司港が海上貿易で栄えた時代を支えた建物です。現在は、当時の海外航路の説明や貨物船の精密、貴重な模型が20隻ほど展示してあります。大連港(中国)との友好記念の展示物もあります。

広大な倉庫は幅、奥行きあり、受付を通ると「松永文庫」と呼ばれる膨大な映画資料館があり、無料で見学できます。映画雑誌、映画に関する書籍、ポスター、俳優に関する資料など膨大な資料です。さりげなく置いてあるのが、高倉健さんが映画『あなたへ』の下関警察署のシーンで座っていた長椅子。座ってゆっくりくつろぎましょう。健さんも撮影中に松永文庫を訪れて楽しく時間を過ごしたそうです。

おわりに、

時間をたっぷりとり、まったりと船を眺めて過ごしたい街、「門司港レトロ」です。くつろいで時間を過ごせるのが、門司港駅前のLe Cafe。レトロな雰囲気を楽しむリラックスする旅はいかがでしょう。

今回ご紹介のスポットは、どれもJR門司港駅から6〜7分のところにあるので、電車や船の出発時間までゆっくりできます。そんな「門司港レトロ」への旅に出かけませんか。

参考情報を関連MEMOに入れておきます。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/02/06 訪問

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