写真:花村 桂子
地図を見る長崎市端島(軍艦島)は、海底炭坑を採掘するために開発された人工の島。長崎市の先、野母半島から4.5kmの距離にあり、肉眼でも確認できます。南北約480m、東西約160m小さな島に、炭坑最盛期の昭和35年には約5300人が居住。小中学校や病院、映画館などの遊技場も整備され、たいへん賑わっていました。海岸線を垂直の護岸堤防で囲まれ、鉄筋コンクリートの高層建築がひしめきあう細長い島影が、三菱重工長崎造船所で建造された戦艦「土佐」に似ていることから、「軍艦島」と呼ばれるようになりました。昭和49年、閉山に伴い無人島に。
立ち入りは長らく禁じられていましたが、廃墟となった島の人気はますます高まり、ロックバンドB’zの「MY LONELY TOWN」ミュージックビデオ撮影も行われました。
2009年上陸が解禁されると、軍艦島ツアーは大盛況。今も予約でいっぱいですが、厳しい天候基準をクリアして上陸できるのは年間100日ほどだそうです。
2015年ユネスコ世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産〜製鉄・製鋼・造船・石炭産業」長崎エリアのひとつとして、正式登録されました。
写真:花村 桂子
地図を見る今回ご紹介する軍艦島展望スポットの目印は、海岸線に立つ夫婦岩。長崎で一番人気の観光名所で、軍艦島とともに世界文化遺産に登録された「旧グラバー邸」から車で30分ほど。
国道499号線を野母崎(のもさき)方面へ車を走らせましょう。女神大橋の足元を抜けると、海沿いのドライブコース「ながさきサンセットロード」。青い海を見下ろす眺めは爽快です。黒浜トンネルを抜けるとすぐ右手の海岸わきに見えるのが、小さな鳥居をちょこんと頭に載せた「夫婦岩」。道路左側の駐車場に車を停めましょう。
仲良く寄り添う夫婦岩は、ラブを感じられる人気の観光スポット。しめ縄で結ばれた2つの岩のすき間から、軍艦島をはっきり見ることができます。歩道沿いに夫婦岩の足元まで近づくことができ、絶好の記念写真ポイント。特に海に沈む夕日で紅く染まった夫婦岩はとても美しい眺めですよ。
写真:花村 桂子
地図を見る海上にある軍艦島を撮影するのに、望遠レンズや高倍率のカメラがあればいいのですが、スマホしか持っていない場合も安心してください。駐車場の手前、長崎側にある展望台が今回オススメする穴場スポット。こちらに設置されている望遠鏡を利用すれば、スマホのカメラでも鮮明な写真が撮れるのです。何の変哲もない地味な建物なので、うっかり見過ごさないようにご注意くださいね。
展望台に上がると、軍艦島が浮かぶ五島灘が一望できます。望遠鏡を軍艦島方向に向けたら、のぞき窓にカメラのレンズを近づけてみましょう。手を伸ばせば届きそうなほどの大迫力映像が画面いっぱいにひろがります。こちらの写真もそうやって撮影したもの。骨組みだけが残った工場跡地、鉄筋コンクリート造りの高層住宅などの廃墟が、ばっちり確認できます。
望遠鏡は無料ですが、譲り合ってお使いくださいね。
写真:花村 桂子
地図を見る国道499号線を、さらに7分ほど先へ進むと、「野母崎水仙の里公園」があります。
こちらの展望台からは、肉眼でさらに大きく軍艦島を見られます。
水仙の開花時期12月から1月ごろには、海を望むなだらかな緑の丘は満開の白い花で埋め尽くされます。甘い水仙の香りが潮風にのってただよい、たいへん気持ちのよい散歩道。
公園入口には軍艦島資料館があり、かつての軍艦島の様子を記録した写真や映像が上映されています。2階の展望デッキには望遠鏡もありますよ。隣の野母崎物産センターには、軍艦島ゆかりのステッカー、手ぬぐい、お菓子などの土産物も揃っています。
かつての賑やかな町をそのまま閉じ込めた軍艦島の炭坑遺構。その廃墟はロマンと哀愁にあふれ、わたしたちを惹きつけてやみません。長崎へお越しの際には、ぜひ国道499号線「ながさきサンセットロード」をドライブしてはいかがでしょう。
この記事を書いたナビゲーター
花村 桂子
長崎出身、福岡在住。地元・九州の「よかとこ」を探して旅する探検家。メジャーな有名観光地は、もちろん「よかとこ」ですが、ちょっとマイナーで人が少ない穴場な「よかとこ」が、大好きです。パワースポット、絶景…
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