お料理で景色を表現するというのは、一つではなくて、いろいろなものが重なり合って完成するもの。だから祇園丸山の懐石料理は、食材は季節のものにこだわり、またその産地についても十分吟味をして提供されています。
また、ここ祇園は花街の芸舞妓さんが旦那さんに連れられてよくいらっしゃるので、芸舞妓さんのお口に合わせ、お料理もお口に運びやすいようにと、やや小ぶりに仕上げられています。これも祇園という土地柄ならでの心くばり。そんなご主人の気持ちがこもったお料理が、祇園丸山では楽しめるのです。
建仁寺そばにある「建仁寺 祇園丸山」は、数寄屋造りの落ちついたたたずまい。打ち水をされた門の暖簾をくぐり寄りつきへと入ります。打ち水が庭園灯に輝き、日常から隔離されたような落ち着きを感じます。お部屋は、お座敷に座卓のお席と、テーブルと椅子の二通りが用意されています。座卓が苦手な方は、予約時に忘れずに確認することをおすすめします。
まずは、赤らくに入れられたショウガ湯。少し甘くてほっこりとした美味しさを堪能することから始まり、これからのお料理に期待が高まります。
お料理とともに是非観賞していただきたいのがその器。すべての器は、ご主人の丸山嘉桜さんがそれぞれのお料理に合わせ、特別に焼いてもらっている一品ものです。季節とお料理に一番合うものを使うことによって、美味しさをさらに引き立てます。
お料理で景色を表現するためには、食材だけで出来るものではなく、器や生け花、お軸などお料理の後ろにあるものも大切。空間全体で味わっていただきたいというご主人の気持ちが伝わります。その考えを見事に表現しているのが、祇園丸山の二つのお店なのです。
お料理は、美味しく季節の旬のものを使い、産地にもこだわり、そしてたとえ焼物であっても、生のまま食べられるほど新鮮なものが使われています。そしてすべて作り置きはせず、一つずつその場で作り、お席へお出しする時が最高の状態であるように心がけられています。
例えば出汁に使う昆布は、すべて礼文島の3年間おいた昆布を使用。カツオ節は鹿児島産を使用しており、その出汁はネルを使って漉すというこだわりよう。吟味して手に入れた素材だからこそ、素材が持つ美味しさを存分に引き出すことが出来るという、ご主人の信念を感じます。
写真は、ある秋の日の一品、柿釜にカマスのお寿司などですが、季節によってもちろん内容は変化します。
「色アヤナル 心アヤナル」とは、祇園丸山のお料理を的確に言い表す言葉です。
すべての色を表わすことができる基本になる三つの色には、色の三原色と光の三原色と二通りあるのをご存じでしょう。色はたくさん重なると黒くなってしまいます。しかし光の三原色は、重なれば重なるほど透明になります。
そこから、心はひかりの色で、多くの心、たくさんの人と交わる事による思いは、重なれば重なるほど透明でキレイになっていくという想いが込められています。そこから、心のこもった美味しいものをいただく事により、思いが伝わって心も穏やかにそしてキレイになっていくと考えています。
人に良い事と書いて、食事といいます。 美味しいもの、それは人にとっても、良いもの。そうでなければ、それは食事ではなく単なるエサでしかありません。
食事とは人にとって、健康にはもちろん、心にとってもすごく良い事なのです。そしてそんな思いを込めたお料理を提供しているのが、祇園丸山なのです。
ご主人の丸山嘉桜さんは、京都の老舗料亭菊乃井や和久傳で料理長を務めた方。最近では、海老蔵主演で公開された映画「利休にたずねよ」のプロデュースにも携わっています。劇中で使われている茶器・料理・小道具などは、すべて本物にわっています。もちろん丸山さんは、料理のプロデュースと指導を行っています。
丸山嘉桜さんは気さくな方で、お席に挨拶に見えることもあります。たとえ挨拶に見えなくとも、お店にいらっしゃったなら、是非映画「利休にたずねよ」についてお話ししてくださいとリクエストしてみてください。きっと、写真を見せていただきながら裏話など楽しく語っていただけるでしょう。
裏話だけでなく京料理の心、料理人としての心がけなどの苦労話や楽しいお話しなどしていただけるはずです。
祇園丸山の二つのお店はともにミシュラン二つ星のお店ですが、店主の人柄もあり、けっして敷居の高いお店ではありません。是非一度は本物の京料理であるお料理はもちろん、季節の素材と器。お部屋にほどこされた店主の心からの演出の空間を一緒に味わいましょう。そうすれば、きっともう一度このお店を訪れたくなるのは間違いありません。
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(2023/12/8更新)
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