写真:成瀬 亜希子
地図を見る1934年(昭和9年)に社会主義者だった立野正一氏が「思想と芸術を自由に語れる場」として創業したのがフランソア喫茶室。友人で京都大学の留学生だったイタリア人のベンチベニが、豪華客船をイメージしたバロック様式の内装を設計しました。店名は立野氏が影響を受けた画家の「ジャン=フランソア・ミレー」に因んでいます。
京都の町に西洋の街角で見るようなモダンな喫茶店が現れたことで、クラシック音楽やコーヒー好きな人々が足繁く通いました。また京都の文化人のサロンとして親しまれ、画家の藤田嗣治、映画人の吉村公三郎なども来店。その後は幸運にも戦火を免れて、現在は立野氏の息子である立野隼夫氏が社長を務めています。
写真:成瀬 亜希子
地図を見る喫茶室の扉を開けると、重厚感あふれる空間が広がっています!白いドーム型の天井、アンティーク調のランプ、モナ・リザの複製画をはじめとした世界の名画。そしてクラシック音楽が控えめに流れており、まるで当時のサロンにいるような優雅な気分になります。
グレーのワンピースを着たウエイトレスが、赤いビロードの椅子に案内してくれます。修道院のシスターのような清楚で落ち着いた雰囲気。この制服を着るためにフランソア喫茶室で働きたいという女性ファンも多いのです。
この喫煙フロアは2003年に登録有形文化財(建造物)に指定されており、日本では初めて喫茶店が登録されました。店の奥から入れる禁煙フロアは、緑を基調とした爽やかなインテリアでまた趣が異なります。煙草が苦手で長時間は喫煙フロアにいられない方も、安心してケーキとコーヒーをいただくことができますよ。
写真:成瀬 亜希子
地図を見る自家製ケーキの中でも特におすすめなのが、見た目にも美しい「レアチーズケーキ」(550円)。ひんやりとしてクリーミーな口どけで、濃厚なブルーベリーソースと合わせると、さらに味わい深くなります。しかしレモン果汁の爽やかさもあり、意外にもさっぱりとした後味。
コーヒー(580円)はブラックも良いですが、フレッシュクリーム入りにすると、苦味と甘みのバランスが絶妙な味わいになります。フランソア喫茶室では、コーヒー豆にもこだわっており「レインフォレスト・アライアンス」が認定した農園のコーヒー豆を使用。フランソアのロゴが入ったコーヒーカップでいただくと、また格別な美味しさですよ!
写真:成瀬 亜希子
地図を見るリピーターの口コミで人気があるのが、こちらの「レモンのタルト」(450円)。チーズケーキのような見た目ですが、表面はアプリコットジャムでコーティングされているのです。中身はレモンの酸味がしっかり効いていて、タルトの香ばしさも楽しめる逸品です。こちらは甘さ控えめのミルクティー(580円)を合わせるのがおすすめ。
また、やわらかな食感のパウンドケーキ「ガトーフランソア」(450円)、ウィーン発祥のケーキを日本人好みのテイストに合わせた「ザッハトルテ」(700円)、甘酸っぱいりんごと苦味の効いたキャラメルが絶妙な「タルトタタン」(750円)など、様々な種類がありますよ。人気のケーキは、夕方には売り切れることもあるのでご注意ください!
京都の観光中にひと休みするのも良いですが、こちらでは時間を気にせず本を読みながらゆっくり寛ぎたいですね。フランソア喫茶室は時代を越えて、これからも多くのファンに愛されることでしょう。あなたもクラシカルな雰囲気が漂う非日常の空間で、自家製のケーキとこだわりのコーヒーを味わってみませんか?
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(2024/9/16更新)
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