石垣の城塞!香川県の現存天守・丸亀城の美しさに括目せよ

石垣の城塞!香川県の現存天守・丸亀城の美しさに括目せよ

更新日:2016/03/12 19:47

浦賀 太一郎のプロフィール写真 浦賀 太一郎 週末トラベラー
香川県の中心部に位置する丸亀市。電車の車窓から見え隠れしているのは、日本に12しかない現存の天守。山全体に高々と積み上げられた石垣は、西洋の要塞を思わせる美しさ。もちろん日本100名城に選定されており、城域は国の史跡に指定されています。
今回は、重要文化財の天守と櫓、城門を有し、華麗と言うにはあまりにも優美な石垣を積み上げた城塞・丸亀城の見所をたっぷりとご紹介します!

遠くからでもそれとわかる、石垣の要塞に鎮座する現存天守!

遠くからでもそれとわかる、石垣の要塞に鎮座する現存天守!

写真:浦賀 太一郎

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日本全国に現存する12天守のなかでも、一番小ぶりなのが丸亀城の天守。
天守の構造は三層三階、付属の櫓などの無い独立式、そして江戸期に建設された天守の特徴を残す層塔型。四国では最も古く、万治3(1660)年に完成。幕府を憚って「御三階櫓」と称していました。
これを、『独立式層塔型三層三階の現存天守』と、ひとまとめに言えば、かなりお城マスターな印象!格好良いです!

その外観は、真っ白に塗籠られた漆喰と、底部の板張りがアクセントになり、二層目に配された唐破風が威容を醸し出しています。
先程、「御三階櫓」と書きましたが、これは江戸幕府に向けて、「戦のための天守ではないですよ。あくまで三階の櫓ですよ」とアピールすることによって、幕府に逆らう意志が無いことを示したのです。
こうした御三階櫓と称した実質的な天守は、青森の弘前城、新潟の高田城など、江戸時代には多く存在していたようです。

三件の重要文化財と一件の県指定文化財を抑えよう!

三件の重要文化財と一件の県指定文化財を抑えよう!

写真:浦賀 太一郎

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それでは早速、丸亀城の正門から、その見所を巡ってみましょう。お城の入口では、いきなり三件の重要文化財が出迎えてくれます。
丸亀城には、現存天守も含めて、三件もの現存建造物が存在し、それぞれ国の重要文化財に指定されています。
写真を参考に見ていくと、まず左手前の小さな城門が、「大手二ノ門」で、これは江戸時代に建設された高麗門様式の、雅な印象の城門。お城の顔・正面玄関である大手門としての役割を担った、大変重要な城門です。

写真右手の白い櫓門は、「大手一ノ門」あるいは「太鼓門」と呼ばれ、櫓を兼任した城門で、その名の通り櫓内には太鼓が置かれ、今でも正午を知らせる太鼓が丸亀の街に響きます。

そして、写真左上に見えているのが、先程紹介した、現存天守。まっすぐ向かえば、15分もかからずに到着できますよ。
大手筋、今で言う、亀山公園の正面入口からなら、丸亀城の貴重な重要文化財をいっぺんに拝むことができるのです。さらに公園の北西には玄関先御門、番所、長屋も残っていて、こちらは県の有形文化財に指定されています。

名物・丸亀うちわの製作体験も!丸亀城観光案内所に立ち寄ろう

名物・丸亀うちわの製作体験も!丸亀城観光案内所に立ち寄ろう

写真:浦賀 太一郎

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大手二ノ門、大手一ノ門の先には、「丸亀城内観光案内所」があります。ここでは、全国のうちわ生産量の9割を占めるという、丸亀うちわの展示、販売、そして製作体験ができます。
丸亀うちわ製作体験は1時間強かかりますが、自分だけのオリジナルうちわが出来上がれば感動もひとしお。旅の思い出に自作のうちわなんて、乙ですよね。
他にも丸亀土産や、店員さんおススメの丸亀城見所マル秘スポットを教えてもらったりできるので、城めぐりの前にぜひ立ち寄りたい案内所です。

美しすぎる石垣の真骨頂!「扇の勾配」

美しすぎる石垣の真骨頂!「扇の勾配」

写真:浦賀 太一郎

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城内観光案内所から続く長い坂の一本道は、通称「見返り坂」と呼ばれています。この見返り坂にそびえる石垣こそが、熊本城などで見られる石垣美の最高峰「扇の勾配」と言われる石積みです。

丸亀城三の丸の石垣は、土の中から緩やかな曲線を描いて宙に向かい、てっぺんになるころには垂直となります。もとは石積みの強化のために勾配をつけたとされていますが、「武者返し」との別名が示すように、防御面でも役割を果たしていたとも言われます。
22mという高さもさることながら、空前の築城ブームで石垣積みの技術が頂点に達した戦国時代後期から江戸初期に登場した、石垣の一種の「完成形」として、歴史的価値も高い石垣です。

ともかく、この美しい脚線美は石垣としては希少度が高く、レア石垣と言っても良いでしょう。先述の熊本城のほかに名古屋城、姫路城、大阪城。四国では愛媛県の松山城、高知城など、並み居る名城が「扇の勾配」を取り入れています。

どこからでも絶景!丸亀城から見渡す360度のパノラマ

どこからでも絶景!丸亀城から見渡す360度のパノラマ

写真:浦賀 太一郎

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丸亀城は、讃岐平野にぽっかりと突起した、いくつかの山々のうちの一つ、標高66mの亀山に築かれた平山城です。
周辺に視界を遮るような山や建物はないため、三の丸、二の丸、本丸、そして天守から(写真)と、標高が高くなるほどに景色はどんどん開けていきます。
本丸は、まさに360度のパノラマで、瀬戸内海の多島美や瀬戸大橋の姿、讃岐富士といわれる飯野山の雄姿や閑静な平野の向こうにそびえる讃岐山脈と、全角度が絶景です。

日本最強クラスの石垣の城塞に括目せよ!

丸亀城。いかがでしたか?名前は可愛いですが、讃岐国を護る、総石垣の堅固な要塞だったのです。駐車場も完備され、丸亀駅からは歩いて12分ほどとアクセスも便利。城めぐりでお腹が空いたら、街には本場の讃岐うどんや、丸亀発祥の骨付鳥のお店がたくさん並びます。

四国には、愛媛に松山城と宇和島城が、高知に高知城と、現存天守が4件あります。他にも高松城、大洲城、今治城などなど、名城が多くあるので、四国に足を運んだら、丸亀城をはじめ、名城めぐりをしてみてはいかがでしょうか!?

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/02/06 訪問

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