写真:Kaycom D
地図を見るブータンの玄関口「パロ」は山に囲まれたとても長閑な町。ブータンの伝統建築の家々が並んだ町並みとそこを歩く民族衣装を纏った人々の姿は、まるでおとぎ話に出てくるよう。飛行機で入国し最初に訪れる町がパロになるので、そこに広がるブータン独自の光景にはきっと感動することでしょう。
ブータンに到着して初めての食事は、辛いことで知られるブータン料理のひとつエマダチを食べてみて下さい。エマダチは、唐辛子とチーズの煮込み料理で、見た目は白くて辛そうには見えませんが、食べると唐辛子が襲ってきます。観光客だと少し手加減してくれるところもありますが、ぜひ一度はオリジナルの辛さにチャレンジしてみてください。
写真:Kaycom D
地図を見る国立博物館のタ・ゾンは、もともとこの下に建つパロ・ゾンの見張りのために建てられた要塞でしたが、1968年に国王の寄付で今の国立博物館になりました。円形をした珍しい建築が特徴で、眼下にはパロ・ゾンの他、伝統的なブータン建築の家々が田畑の中に点在する風景や、その間を流れるパロ・チュー(パロ川)を一望することができます。
内部には、ブータンの歴史がわかる農具や民族衣装、珍しい切手などが展示されていて、中でも諸外国から集めた歴代国王の貴重な写真は興味深い。昔の国王は、衣裳こそ豪華ですが足元は裸足で、そういう古い写真から順番に見ていくと時代の流れを感じることができます。
写真:Kaycom D
地図を見るパロ・ゾンは別名をリンプン・ゾン(宝石の山の城)といい、映画『リトルブッダ』のロケ地ともなったパロ最大級の建物です。タ・ゾンのちょうど真下に建ち、真っ白に聳えるその姿はまさに圧巻。間近で見ると巨大な壁が覆いかぶさってくるような迫力があります。
境内へ入ると外界とは切り離されたような別世界が広がっていて、一気に神聖な雰囲気が広がります。折り重なるように聳える白い壁には、細かい模様がデザインされた欄干や窓が配されとても鮮やか。そして、その欄干には赤い袈裟を纏った小坊主さんたちが集まり、チベット仏教らしいなんとも絵になる光景を作り出しています。運がよければ小坊主さんたちが暮らしている部屋を見せてくれることも。
パロ・ゾンを出て麓を流れるパロ・チューまで下りると、屋根付の橋「カンチレバー橋」が現れます。パロ・チューに架かるその橋は、ブータンの伝統様式の橋で各地で見ることができます。この橋を渡った岸辺から、パロ・チュー、カンチレバー橋、パロ・ゾン、タ・ゾンと並んだ風景を撮影できるのでお勧め。
写真:Kaycom D
地図を見るドゥゲ・ゾンは、1647年にブータンとチベットが戦ったとき、その戦場となった場所に勝利を記念して建てられた城です。今は廃墟となっていて、田畑のなかにポツンと立つ姿はなんだかちょっと寂しげ。
「女神の聖なる山」という意味をもつチョモラリ(7316m)へのトレッキングのスタート地点でもあり、少し移動すれば真っ白な頂も見られます。チョモラリは、地元では「神が棲む山」として崇められている神聖な霊峰なので、ドゥゲ・ゾンとともにぜひ一目拝んでみてください。
さらに道中には、3000mの断崖に建つタクツァン僧院も遠くに見えるポイントもあります。
※タクツァン僧院については関連MEMOに記載の『標高3000mの断崖絶壁の寺!ブータン「タクツァン僧院」はチベット仏教の聖地』をご覧ください。
写真:Kaycom D
地図を見るキチュ・ラカンはブータン最古の寺で、チベットを統一した最初の王ソンツェンガンポが、同時期に、チベット全域に影響を及ぼしていた魔女の力を封じ込めるために建てたという言い伝えがあります。
本堂には千手千眼十一面観音像がたくさん安置され、奥の部屋にご本尊が祀られています。そして、そのご本尊の正面の床には、一箇所だけ足の形に磨り減って窪んだ場所があります。この窪みは、1000年以上もの間、ここへくるブータンの人々が五体投地でお祈りしたことによって自然とできたものだそう。ぜひ、同じ場所に立って参拝し長い歴史と人々の想いを感じてみて下さい。
境内には、昔日本から贈られたという桜の木があり春には綺麗な花を咲かせます。また中庭にはみかんの木が一本あり実をつけるのですが、このような高地で寒冷のブータンでたわわに実がなるのは、聖地のパワーがあるからだと言われています。
パロはブータンの中では都会ですが、人もそれほど多くなくブータンらしい長閑な雰囲気を味わえる町です。宿やお店も適度にあるので旅行者には滞在しやすい場所と言えるでしょう。タクツァン僧院の拠点としても便利なので、ブータンに着いたらとりあえずここに数泊するのもいいかもしれません。
この記事を書いたナビゲーター
Kaycom D
秘境・絶景・温泉巡りをして、行く先々の写真撮影と旅行記を作成。10代のころから写真を撮り始め、旅行に行くときは一眼レフカメラとコンパクトカメラを携行。これからも、世界中の絶景や旅先で出会った人々、異文…
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