写真:SHIZUKO
地図を見る雪山と聞けば、誰もが思い浮かべる道具はアイゼンとピッケルでしょうか。アイゼンは、登山靴に装着する鋭い爪。雪山初級と言えども、森林限界を超える標高に行くには、12本爪のアイゼンが必要です。ピッケルは手に持って、雪に突き刺してバランスを取ったり、滑らないようにする道具。そして、ゴアテックスなどの防水浸湿性に優れた雪山用のアウターウエアが必要です。どれも、命を守るものなので、必須。雪山三種の神器と言っていいもの。
他にも保温性の高い水筒や保温材入りの登山靴、樹林帯を歩くためのストックなど必要なものはたくさん。結果、荷物も重くなるので、体力も必要。そして、何より必要なのは、経験豊かなガイドさんです。経験者が一緒でなければ、決して踏み込んではいけない世界です。でも、ひるまずに、まずは一歩を踏み出しましょう。凛とした、決して平地では味わえない清冽な世界が、あなたの目の前に広がります。
写真:SHIZUKO
地図を見る内陸部に位置する長野県・北八ヶ岳は、山容もやさしく穏やかで、初心者にも登りやすい山として知られています。
通年営業の黒百合ヒュッテが、標高2400メートルの黒百合平にあることも大きな要因。ソーラー発電しているヒュッテは、山小屋としてはとっても暖かく、明るいので快適に過ごすことが出来ます。心和む大きな薪ストーブは、とてもあたたかく、宿泊しなくても、カフェメニューの名物のコケモモケーキやコケモモティを楽しみに立ち寄る登山者多数。ボリュームのある夕・朝食に、温かな羽根布団。この山小屋に泊まってよかったと心から思える場所です。
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地図を見る山小屋には、冬ならば15時30分めどに到着しましょう。日暮れも早いので、早め早めが安全の胆。早めに到着すれば、近くで雪山トレーニングをする余裕も生まれます。
黒百合ヒュッテから10分ほど歩くと、天狗の奥庭と呼ばれる場所に続く急斜面に出ます。その急な道を登ると、目の前に東と西の双耳峰・天狗岳がドーンと目に飛び込んできます。それと同時に風もいきなり強くなります。そこが森林限界を超えた山頂に続く稜線。山の地形と位置で、風の条件がびっくりするくらいに違うことを実感しながら、斜面でアイゼン・ピッケルトレーニングをしておきましょう。雪山ギアは、持っているだけでは何の役にも立ちません。道具は使いこなす必要があります。といっても、短時間ではなかなか習得できないのも事実。翌日の登頂に向けて、練習あるのみです。
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地図を見る日の出ともに、まずは東天狗岳の山頂目指して出発。前日、何度も登り下りした練習斜面を越えて、風の強い稜線を、山頂目指して進んでいきます。岩だらけの歩きにくい道に加えて、身体が持っていかれそうになる強風。ほぼ垂直なんじゃないの!という斜面をゆっくり登ること1時間15分、山頂に到着。見渡す限りの大展望。本土にあるすべての山を見渡せるんじゃないかという雪をかぶった山々。澄み切った空の青さと雪のコントラストの美しさ。自分の足で登ることのできた感動は、やはり、登った者だけのもの。心震える時間をあなたも体験してください。
写真:SHIZUKO
地図を見る東天狗岳の山頂から目を転じれれば、西天狗岳に続く登山道が真っ白な雪の中に続いています。まん丸な西天狗岳はすぐそこ。でも、東天狗岳までの風と寒さに西天狗岳は断念したい、という気持ちもちらほらする方も多いはず。でも、進みましょう。これぞ奇蹟のような感動体験が待っています。西天狗岳への尾根に足を踏み出すと、あら!不思議、風が一気になくなります。山の不思議というか、地形を考えれば当たり前なのかもしれませんが、風がなくなった瞬間、雪山は極楽に変身です。太陽光が照らし出す美し過ぎる山々。ぽかぽかの暖かさ。東天狗に登るときの辛さは何だったのと、心から思うことでしょう。
ゆっくりと日本山岳の大パノラマを堪能。山の怖さと不思議を感動体験できる2日間の旅になるでしょう。
標高の高い山々は、10月には初雪。11月に入ると、根雪になって12月になると雪に閉ざされ、厳冬期と呼ばれるシーズン。3月に入ると、日差しに雪も解け始めますが、5月までは残雪期と呼ばれる雪山となります。北八ヶ岳も同様で、1年の半分以上が雪山。雪のない時期は、意外なほど短いのです。
行ってみたいけど、でも、うーんと、悩んでいる方も多い雪山。ギアをそろえれば登れるというものではないですが、ギアがなければ絶対に登れません。だからこそ、入山者も少なく、とても静かな山を楽しむことが出来ます。
危険度は、ガイドさんに同行してもらうことで一気に低くなります。
ホワイトアウトすると、全く道がわからなくなるので、初心者だけや単独での入山は厳禁です。安全のために多少の金額は必要ですが、それにも増して得られる素晴らしい風景は、きっとあなたの一生ものになるはずです。
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(2024/10/9更新)
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