浜離宮恩賜庭園は、都内で現存する唯一の海水を使った珍しい庭園となっています。東京の台所である築地の近くに立地しており、おいしいものを頂いた後に散歩がてらこちらまで訪れる方々も少なくありません。そしてお腹が満たされた後に当たる海風は、相像を絶する程気持く、ポカポカしていて超オススメ。園内最奥のベンチがベストです。
さて写真は、園内中央に位置する、潮入の池に添うように建てられた松の御茶屋。 ここに使われている材料がとっても素敵なんです!復元する段階で材料も当時使用されていたものを再現。実はほぼ市場に流通することがなく、ユネスコ世界遺産にも登録されている屋久島の杉が使われているんです。流石にすべてとはいかないものの、大変貴重な木材を使用されていて必見です。
現在、浜離宮恩賜庭園では木曜13時〜15時の時間帯で松の御茶屋・燕の御茶屋特別ガイドが行われています。1回30分程度ですが、かなり詳しく説明して下さいます、良かったらこちらの時間帯をねらって訪れてみてくださいね。
日本庭園における茶屋は、客人をもてなす、いわば顔のようなもの。そして窓は、特に観て欲しいと思う風景を切り取った、制作者の主張とも取れる装飾品です。
掲載写真は松の御茶屋の丸窓。ところでここの窓淵の色、どこかで見覚えありませんか?
そうです、輪島塗を代表とする漆の色です。
通常の漆器作りでは、漆を幾層も重ねていく上塗りで仕上げていきますが、ここではさらに「呂色(ろいろ)仕上げ」と呼ばれる手法が用いられています。
簡単に説明してしまうと、木炭で水研ぎし、油や漆などを塗っては磨く、そういった幾十の作業工程を経て、より深く、より艶のある黒を出していく最高級の漆仕上げのことです。
元々は諸大名を招くことが多かったようですが、雲に浮かぶ真ん丸とした月、なんとも制作者の美的センスが見所の装飾品ですね。おもしろい!
こちらの写真はなんだと思いますか?これは松の御茶屋の室内にある燕の形をした吹き抜けです。ここは意図的に南西方向からの光が入るように設計されており、さらに差し込んだ光が室内壁に映し出される仕掛けが施されています。よく計算されたうえで建築されていて大変おもしろいです。
さらに太陽の光が強過ぎず弱過ぎの時、水面からの反射のキラめきにより燕が羽ばたいて見えることがあるそうです!運が良ければ西日が魅せる印象的な風景を見ることができるかもしれませんね。ちなみに隣接する燕の御茶屋の由来は、建築の段階でむき出しとなった釘を隠すために、燕の形をしたもので力バーしたところから来ています。なんとも遊び心がある素敵な仕掛けの数々です。
先に拳げた松の御茶屋と燕の御茶屋はその貴重な文化財ということで、特別な時以外は中に入ることができません。そこでゆっくり生菓子と抹茶を楽しむことができるのが中島の御茶屋。
こちらも戦災で焼失していましたが1983年(昭和58年)に再建されています。ここでは季節によって変化する生菓子、例えば春先では、桜、春告鳥、菜の花といった種類が楽しむこてができます。 少々苦めの抹茶との相性はバツグン、海風とともに徳川将軍になったかのように楽しんじゃいましょう!
徳川将軍家の庭園は東京でも綿密に作庭された庭園の一つですが、園内を散策していると時折、老年の親とその子がのんびり一緒に歩いている風景を見かけることができます。
春には菜の花、秋にはコスモスが綺麗に広がるポイントもあり、もしかしたら都会の喧騒を避けた落ち着いた東京観光をしたい人々なのかも知れませんね。
園内には水上バス発着場もあり、浅草、両国にも行くことも可能ですので、こちらにある日本茶屋を落ち着いた東京観光の起点スポットにしてみてはいかがでしょうか?
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(2024/12/12更新)
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