写真:乾口 達司
地図を見る熊野那智大社の起源は古代までさかのぼると考えられています。谷間を挟んで那智の滝と対面する位置にあることから、もとは那智の滝を御神体として遙拝する施設として設けられたことが推察出来ます。「蟻の熊野詣で」という言葉が残されているように、中世以降、皇族・貴族から庶民にいたるまで、多くのものが熊野三山(熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社)に参詣するようになると、いわゆる熊野信仰の聖地としての地位を確立します。熊野那智大社所蔵の『那智参詣曼荼羅』を見ると、熊野那智大社がいかに賑わっていたかが、おわかりいただけるでしょう。
熊野信仰の中心としての地位は現在にまで引き継がれており、いまなお多くの参詣者で賑わっています。写真は拝殿前の様子を撮影した一枚ですが、撮影日が年の瀬の迫る、慌ただしい時期(2015年12月27日)であったにもかかわらず、多くの参拝者で賑わっています。
写真:乾口 達司
地図を見る拝殿の脇に立つご覧の建物は、宝物館。その名のとおり、熊野那智大社ゆかりの神像や絵画、書などが多数収蔵されており、熊野那智大社の豊かな歴史を学ぶことが出来ます。上で紹介した『那智参詣曼荼羅』も展示されているため、かつての熊野詣でがどのようなものであったか、実際にご自身の目でお確かめ下さい。
写真:乾口 達司
地図を見る写真は拝殿前に据えられている木筒。いったい、これ、何だと思いますか?実はこれ、おみくじなのです。日本一大きなおみくじといわれており、揺らすだけでも一仕事。しかし、こんな巨大なおみくじで大吉が出たなら、さぞ嬉しいはず。旅の思い出として、ぜひ、この巨大おみくじを揺らして大吉を狙って下さい。
写真:乾口 達司
地図を見る熊野那智大社でお参りを済ませたら、その横に位置する青岸渡寺にもあわせてお参りしましょう。西国三十三所霊場第一番札所となっているため、熊野那智大社に引けを取らず、日々、多くの巡礼者で賑わっています。
えっ!神社の横にお寺!?と驚かれる方もいらっしゃるでしょうが、これは中世以来続いて来た神仏習合の名残り。つまり、近代以前は青岸渡寺も熊野那智大社のなかの一施設であったのです。現在、青岸渡寺は熊野那智大社から独立しているとはいえ、明治初頭に出された神仏分離令によって神域にあった仏堂の多くが全国的に廃棄されてしまった今日、仏堂を残している事例は貴重です。
写真:乾口 達司
地図を見る青岸渡寺の裏手からは、那智の滝を拝むことが出来ます。水が流れ落ちる上部がちょうど目の高さに位置しているため、熊野那智大社がもとは那智の滝を御神体として崇めてきたことが納得していただけます。熊野那智大社や青岸渡寺に参詣される方のほとんどが那智の滝も観光されるはず。こちらからの雄大な絶景もお楽しみ下さい。
熊野那智大社および青岸渡寺の多面的な魅力、おわかりいただけたでしょうか。JR紀伊勝浦駅からは路線バスも出ており、アクセスも快適。南紀を訪れる折には、是非、お参り下さい。
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(2024/4/20更新)
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