最初にご紹介するのは、劉備玄徳と諸葛亮孔明を祀った廟である武侯祠に近い「洗面橋」です。
蜀の初代皇帝であった劉備玄徳の部下に、忠臣と言われた関羽(生年不詳− 建安24年(220年))がいます。武勇と何よりも義理を大事にした関羽は、敵である魏の曹操からも認められる存在でした。しかしながら彼は呉との戦で捕らわれ、斬首されます。
その関羽を弔う廟がかつてこの付近にあり、服が残されていたことから「衣冠廟」と呼ばれました。劉備は関羽の廟に向かう際、涙を流し続けます。しかしそのような顔で関羽に会うわけにはいかないと、橋のたもとの川で顔を洗うのです。そこから洗面橋と呼ばれるようになります。
続いて、見事な門構えの通恵門ですが、その奥の通りは広く作られており、通りの両側にも見事な作りの建物が並んでいます。建物の作りと入居している店はまったく別で、一般の雑貨屋、銀行、飲食店等がある不思議な通りです。アイスや冷たい飲み物を揃えた店で一休みしてみましょう。
この辺りは昔、清朝の城壁があり、その西門が北の方向に遠く離れていて不便な状態が続きました。中国の民主化運動であった辛亥革命の後の1913年に、寺への参道として新しく門が作られますが、それがこの通恵門です。その後、1958年には古い城壁が撤去されています。
三つ目にご紹介するのは、仏教寺院の「文殊院」です。老若男女を問わず、多くの参拝者が訪れます。
仏教寺院なのですが、道教寺院のように黒い建物のこちらは、歴史が古く南北朝時代(420年−589年)に創建され、宋代に信相寺となりました。その後、明代に戦火により焼失。清朝の1697年に再建された際、「文殊院」と寺号を変え今日に至っています。
こちらの見どころはとても多く、どの建物も典型的な清代建築となっており、そこに美しい透かし彫りの飾り窓が付いています。中国国内では文化大革命で多くの寺院が破壊されますが、ここは奇跡的に残されたのです。
ここで特に有名なのが唐の僧、玄奘三蔵(602年−664年)の頭蓋骨です。1942年、旧日本軍によって偶然、南京で発見されています。そして1958年、文殊院の蔵経楼霊骨塔に分骨されています。
その意味でも、こちらはぜひとも訪れてみたい場所の一つです。
四つ目にご紹介するのは、竹林と見事な池のある「望江楼公園」です。古い歴史を持っていて、唐代の女流詩人薛涛(セツトウ)にちなんで清朝に造られています。成都の南部に位置し、流れる錦江のほとりの公園は、晩年の薛涛が水を汲んだという井戸が残されています。竹が多く植えられている理由は、薛涛が竹をこよなく愛したからです。
ここでは多くの成都市民がお茶を飲み、散歩や麻雀を楽しむ憩いの場となっています。見事な池は、観光の合間に一時の安らぎの時間を与えてくれるでしょう。
最後に武侯祠に隣接する「錦里古街」です。ここは昼も夜も大変賑やかな場所となっており、お土産品、食堂、喫茶店、そして夜には多くのバーが開店します。この辺りは蜀の時代の古い町並みを再現したところで、道幅は狭く作られていますが、見所が多くあります。食べ歩きをするのも楽しい時間となるでしょう。夜は提灯に灯りが入り、美しい景観となります。
中国四川省成都市には、市民の日常生活に溶け込んでいながらも見事な景観や美しい姿、そして長い歴史を有する場所があるのです。
また、成都は三国志・蜀の都であり名勝地があります。その他にも見どころやグルメが!詳細は下記の関連MEMOに記載していますので、これを機会に成都市内を歩いてみませんか?
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(2025/1/13更新)
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