山あり海あり!海遊館のある大阪港のプチ宝島「天保山」の魅力

山あり海あり!海遊館のある大阪港のプチ宝島「天保山」の魅力

更新日:2016/02/27 10:58

海遊館があることで有名な大阪・天保山は、安治川運河にたまった土砂を積み上げてできた埋立地。この天保山のある大阪港界隈は、かっては大阪海運の中心地でした。このほぼ六角形の海に突き出た小さな島(築港)は、数百年の歴史があり、まさにきらりと光るなにわ文化の粋が凝縮された宝島。ジンベイザメの海遊館訪問だけでは実にもったいない所です。

今回は、山あり海ありの天保山界隈の素晴らしい魅力をご紹介します。

築港めぐりの起点は南の赤レンガ倉庫群から

築港めぐりの起点は南の赤レンガ倉庫群から
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地下鉄中央線大阪港駅を海遊館とは反対の南側に降りると、海まで10分余りでたどり着きますが、その前に港住吉神社をのぞきましょう。
ここは大阪港を出入りする船の安全を守る神様。境内には、神社の栄華のあとを物語る大小さまざまな石の鳥居や、風変わりな狛犬が思い思いの場所に残されており、狛犬探しだけでも十分に楽しめるところ。また交通安全のオリジナルお守りも多数ありよりどり見どりです。

そのまま自動車道を横切り、赤い大橋が目の前にかかる海へと出たところが、安藤忠雄設計の親水広場。ここでまず、大阪の海の色を見てどう転んでも前途洋々たるこの日の旅の恵方占いをいたしましょう。

広場に隣りあうレトロな赤レンガ倉庫群には、その建物にぴったりのクラシックカー博物館が近年オープン。オールドファッションのカフェ、ステーキハウスもあり、車好きにはたまらないピカピカのクラシックカーがぎっしりと展示されていて、一日楽しめます。

築港高野山の釋迦院で八十八ヶ所巡礼

築港高野山の釋迦院で八十八ヶ所巡礼
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釋迦院は、外からみれば普通のお寺ですが、いったん境内に足を踏み入れると驚きの別世界。約500坪の境内には、大阪四不動霊場のひとつ・一願不動明王にはじまり、聖観音立像、水子幼没地蔵尊、役行者堂、日限地蔵尊、魚を携えた珍しい鯖大師像ほか、各地の札所の石仏の数々がずらりと並び圧倒されます。

写真の十三重石塔と修行大師のある「四国八十八ヶ所お砂踏所」の石に触れながら一巡りしてお祈りすると、空海像か宝船を配した火の用心のお札を無料でいただけます。
またここは大相撲春場所の力士たちの宿舎としても有名で、相撲の稽古場も本堂脇にあります。

築港の西の端は夕日が最高に美しいダイヤモンドポイント

築港の西の端は夕日が最高に美しいダイヤモンドポイント
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中央線大阪港駅を出た地下鉄が、築港の西の端・咲洲トンネルで海に潜るあたりにひろがる大阪港中央突堤は、ダイヤモンド・サンセットが楽しめる夕日の名所。
ここから海遊館手前までの西波止場沿いには、築港最古のレトロ建造物の天満屋や商船三井築港ビルがあり、飛び切りうまいハヤシライスと雑貨の店・ハaハaハaと、こだわりの大阪うどん・築港麺工房が営業しています。

またマーメイド広場には、新宮晋さんの海の風を感じる白いアートオブジェ「海の記憶」、海中の礁(いくり)にはデンマークの故郷を懐かしむような物思いに沈んだ人魚姫像もあり、人知れぬお宝スポットがひろがっています。

海遊館前から発着するベイエリア遊覧のサンタマリア号は、コロンブスの船をモデルに2倍の大きさで造られたもの。海の果ては奈落の淵と信じられていた時代に、この1/2の大きさの小船で大西洋を突っ切って、新しい世界を発見していった大航海時代の人たちの、未知のものに対するあこがれの気持を想ってみるのも一興ですね。

天保山登頂と桜島往復の海山両方の旅を実現

天保山登頂と桜島往復の海山両方の旅を実現
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築港の北の端には、聞きしにまさる低山(標高4.53m)の天保山があります。江戸時代の天保年間に安治川運河のたまった土砂を積み上げてできた人工の山で、当初の標高は20mでしたが、その後の地盤沈下や砲台建設などによって段々と低くなりました。

天保山公園よりもはるか麓にある天保山は、頂上探しに誰しも一度は迷うものですが、それでも探し当てればれっきとした三角点が埋め込まれています。
登頂し下山後に天保山商店街加盟の店舗で「登りました」と申告すると、素晴らしい登頂証明書が無料でゲットできます。ぜひお忘れなく。

困難な登頂を見事クリアした方には、素晴らしいプチ海外旅行が待っています。公園の北の端・天保山渡船場からは、自転車と一緒に乗れる通勤用の渡し船が、無料でUSJのある対岸の桜島との間をピストン輸送してくれています。片道5分の船旅ですが、天保山のひめやかな楽しみのひとつです。

新食感のふわふわ冷たいデザートがたのしめる陽だまり庵

新食感のふわふわ冷たいデザートがたのしめる陽だまり庵
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宝島のメインストリート、地下鉄駅から海遊館に直結する花の海遊ロードの両側には、台湾生まれ・日本育ちのアイスデザート「雪花冰(シェーホァピン)」を提供してくれる老舗カフェ・レストランがあります。

ここでは雪のようにきめの細かいかき氷のほか、ヘルシーな台湾家庭のまかない料理の数々、そして良質のウーロン茶を本格的な茶器で味わう飲茶メニューも充実。
中でも、赤道を挟んだ南北回帰線のベルト上で栽培されている珈琲豆の原産地の中では北限にあたる台湾産のオリジナル珈琲はとりわけおすすめです。この珈琲豆は、日本植民地時代に開拓された珈琲農園を戦後再興したもので、味・香りともにとてもバランスがよく、一度飲むと病みつきになります。

写真は、ここで提供している茶葉を手に、ウーロン茶への愛を語るオーナーの田中さん。

最後に

海遊館のある大阪港は、周りを海に囲まれた六角形の小さな宝島。新旧の文化遺産・歴史的建造物が随所に残る港町を、潮風に吹かれながら歩くのは実にさわやかです。
それに加えて、ここは現代を生きる浪速人の気さくな人情が体感できる下町情緒にあふれています。のんびりと海が見たくなったときや、海遊館や大阪文化館の行き帰りにちょっと寄り道するだけで思いがけない拾い物をすることができます。
古くて新しい大阪の魅力あふれる別天地。ぜひ一度ゆっくりと散策してください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/02/14 訪問

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