門前に鳥居はなく立派な山門があります。
『豊川稲荷』…「稲荷」と名前がついていますが、いわゆる神社ではなく「曹洞宗」のお寺です。「えっ…お稲荷さんなのにお寺?」と思われるかもしれませんが、ご本尊は「吒枳尼真天」。稲穂を荷い、白い狐に跨がっておられるお姿から「稲荷権現」と同一視されている、霊験あらたかな仏教の守護神です。曹洞宗の高僧「寒厳禅師」により伝来しました。
「赤坂豊川稲荷」の正式名称は「妙厳(みょうごん)寺豊川稲荷東京別院」。大岡越前が、三河・妙厳寺の「豊川吒枳尼真天」を勧請(かんじょう)、江戸屋敷の一角に祀って深く信仰したのが「赤坂豊川稲荷」の始まりです。
名奉行・大岡越前守忠相公は、皆さまご存じのとおり、言わば中級武士から大名へと異例の大出世をとげました。 すると、多くの江戸庶民が「稲荷」の功徳にあやかろうと大岡邸に押しかけるようになり、大岡家では毎月「午の日」と22日は稲荷参拝を許していました。
文政11年(1828)、三河妙厳寺(みょうごんじ)が赤坂一ツ木の大岡邸に「豊川稲荷江戸参詣所」を建立。なんせお奉行様・大岡越前守が信仰したお稲荷様ですから、「出世」だけではなく、「盗難除けの霊験」もあらたかだとして大人気となりました。
赤坂豊川稲荷はお寺ですが、本堂ではなく「本殿」と称しています。
本殿では、ご真言「南無吒枳尼真天、オンシラバッタ ニリウン ソワカ」と唱えましょう。神社ではないので、パンパンと拍手はしません。
ソワカ(娑婆訶)とは願うこと。 『仏の戒力によって、苦難のあらゆる原因を取り除いて安らぎを与えてください』という意味の真言です。
ご本尊「吒枳尼(ダキー二)」は、インドヒンズー教では、魔術により強風を起こして空を飛び、大変な力を持って人肉をも食らう「女夜叉」でしたが、大日如来の化身「大黒天」に調伏されて仏道に帰依、「仏法の守護神」となったのです。
以後「吒枳尼真天」は大変な霊験をもつ美女神として信仰を集めてきました。本殿前には風格ある1対の霊狐が、厳かに鎮座しています。
赤坂豊川稲荷には「吒枳尼真天」の他にもいろいろな神様・仏様が祀られています。心願に応じ祈願致しましょう。
●叶(かのう)稲荷尊天…禍事災難を取り除くべく、禍の縁を切ってくださるという尊天
●太郎稲荷…健康をお守りくださる尊天。江戸時代には、麻疹などが流行ったり、大きな社会不安が訪れた時、爆発的な信仰を集めました
●徳七郎稲荷●融通稲荷尊天●宇賀神王●弁財天 などなど
●招福利生大黒天…招福の神様。「吒枳尼天の化身」といわれています。
●愛染(あいぜん)明王(みょうおう)…愛欲と煩悩をつかさどる「仏様」で、12の大願(誓願)を持っています。最もよく知られている誓願は「女性に善き愛を与えて善い縁を結び、結婚後は善根となる子供を授ける」…というもの。「恋愛」・「結婚」・「愛情生活」に「功徳」を下さる仏様です
そして開基「大岡越前守忠相公」の御廟。ここでは静かに合掌して頭(こうべ)をたれ、清浄な「心」を頂きます。
それぞれ祀られている尊天・仏様の「護符」「御札」「御守り」「絵馬」がいただけます。
山王日枝神社は徳川将軍家の産土神(うぶすながみ)。唯一、「神田明神」とともに将軍の上覧のあった『天下祭』が許された神社でした。天下祭りとは、江戸城内に「山車」「神輿」や「行列」の入場が許されたお祭りです。
「日枝神社」の神様の使徒は「霊猿」、2016年は「申年」。こちらにもお詣でなさることをお勧めします。
赤坂豊川稲荷に参詣された後はちょっと一息、赤坂の町のぶらり散策はいかがでしょう。
赤坂一ツ木通りの突当りには、赤坂のランドマークともいえる「赤坂Sacus」があり、「赤坂ACTシアター」という本格的エンターテインメント劇場や、TBS前放送センター前には、いろいろなイベントが行われる広場もあります。イベントは不定期ですが、大人も子供も楽しめるところです。
そして夜になれば、赤坂の賑やかなネオンが食欲を誘います。
祈願と散策とお食事…心癒される一日にきっとなります。
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/10/10更新)
- 広告 -