日銀の金庫で珈琲!?レトロモダンな京都文化博物館・別館は明治の香り

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日銀の金庫で珈琲!?レトロモダンな京都文化博物館・別館は明治の香り

日銀の金庫で珈琲!?レトロモダンな京都文化博物館・別館は明治の香り

更新日:2016/03/07 14:22

万葉 りえのプロフィール写真 万葉 りえ アマチュア写真家

明治時代に建てられたビルと京町屋が独特の景観を作っているのが、京都三条通です。
この三条通りがおしゃれな街として再び脚光を浴びているのですが、ここに赤レンガに白いラインの印象的な建物があるのをご存知でしょうか。現在は京都文化博物館・別館となっているこのビルは、もとは日本銀行の京都支店。今も銀行だったころの面影が色濃く残り、重厚感たっぷり。しかも無料で見学できるうえに、奥の喫茶室は元金庫!

文明開化の最先端、ハイカラさんの三条通

文明開化の最先端、ハイカラさんの三条通

写真:万葉 りえ

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京都の町を東西にのびる三条通。
現在は四条通のほうがとてもにぎわっていますが、かつて江戸の日本橋を出発した東海道は、ここ三条通りにある三条大橋が終着地でした。ですから、この通りは日本一の大動脈につながっていた、西日本でも断トツの賑わいを持っていた通りだったのです。

時代が江戸から明治へと変わり日本の中心が東京へと移ったものの、やはりそれまでの都だった地。この三条通付近には真っ先にハイカラな洋風建築がいくつも建てられました。

その一つが、今回ご紹介する日本銀行京都支店だった京都文化博物館・別館です。
設計は東京駅で有名な辰野金吾氏。ですから、どこか東京駅と似た印象を持たれる方も多いのではないでしょうか。

町のランドマークだった日銀・京都支店

町のランドマークだった日銀・京都支店

写真:万葉 りえ

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高い建物がなかった時代。このビルは地域のランドマークとして地元の人の誇らしい存在だったに違いありません。

厚い扉から中へ入るとまず目に入るのは、ふんだんに使われている大理石。人が多く出入りすることも考慮して左右に分かれて出入りする仕組みになっています。
左右の扉を通ると、そこが客たちが順番を待っていた「客だまり」と呼ばれていた場所、今でいうところのロビーになります。

写真は、行員たちが忙しく電話をしたりタイプライターを打ったりしていた広い営業室側から客だまりのほうを写したものです。

客だまりと営業室の間には細工されたカウンターがずらりとおさまっています。木製の仕切りだけでなく、金属製の装飾をほどこしたものもそなえられており、威厳を持ちながらも美しさという点においてもかなり考えて作られていたことがうかがえます。

また、照明器具なども当時のものが忠実に再現されました。その頃の客たちと同じようにカウンターに手をつけば、にぎわっていた頃の様子が浮かんでくるかもしれませんね。

柔らかな光をとりいれた天井や窓の細工に注目

柔らかな光をとりいれた天井や窓の細工に注目

写真:万葉 りえ

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見上げれば、現在の機能一辺倒の建物とは違う、装飾で縁取られた窓や照明、柄が組み込まれた天井などが目に入ってきます。今では、費用の面からも、職人の技術の面からも、こんなに凝った装飾の建物を作ることはできないでしょう。

天井には木目が美しく配置されているのですが、それだけではありません。天井の照明のように見える白い部分には、実は窓がはめ込まれているのです。天気が良い日には、ここからほんのりと光が入ってくる設計になっています。

建物を外から見ていただくと、屋根の上に小窓が突き出ているのがわかると思います。この窓がドーマー窓といわれる、屋根から自然光を取り入れるための窓。

こうやって一つ一つ見ていくと、この建物がいかに考えて作られていたかがお分かりいただけると思います。

別棟になっていた金庫室

別棟になっていた金庫室

写真:万葉 りえ

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現在、営業室はホールとしてイベントなどに使われたりしますが、イベントがないときは自由に見学することができます。

営業室の右側は、所長室や応接室だった部分。特別な客の対応などをしていた空間には、現在は和小物の店やギャラリーが入っています。おしゃれなもの、品の良いものがセレクトされているので、そういったものをお探しの方にはゆったり見ていただけるおすすめの場所です。

そして、休憩スペースとしてパラソルが立つ中庭の奥に建つのが金庫室になります。
金庫室の右側の厚い扉の奥は、現在は喫茶室。明治建築の重厚さに圧倒された後は、こちらでひと休みしませんか。

元金庫で、安らぎの珈琲時間(コーヒータイム)

元金庫で、安らぎの珈琲時間(コーヒータイム)

写真:万葉 りえ

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店を出しているのは、京都でも老舗のコーヒー店、前田コーヒー。

少しクラシカルな雰囲気をもったソファーに腰を下ろせば、何十年も前からここにこの店があったような気がするかもしれません。しかし、この支店のオープンはほんの数年前。店内は柔らかな光で、くつろげる空間になっています。

ここが金庫だった時代から引き継がれている建物の造りが、そこかしこに見えます。そんな歴史を見つけながらひと時を過ごすのもいいものではないでしょうか。

おわりに

旧日本銀行京都支店。現在の京都文化博物館・別館は重要文化財に指定されています。

この建物が建つ三条通りはほかにも明治期の建物が数多く残り、京都の「歴史的界わい景観整備地区」となっています。
だからといって古いビルがただ建っているというのではありません。その古いビルや町屋におしゃれな服や雑貨の店が入り、活用されているというのも魅力なのです。

今でもランドマークになっている旧日本銀行京都支店。
日本に銀行ができ始めたころの面影が強く残り、ドラマなどに出てきそうな魅力ある建物です。
この空間は、あなたをしばし、明治の町へお連れすることでしょう。

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掲載内容は執筆時点のものです。

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