埼玉県荒川流域の秋ヶ瀬公園でヒレンジャクを探そう

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埼玉県荒川流域の秋ヶ瀬公園でヒレンジャクを探そう

埼玉県荒川流域の秋ヶ瀬公園でヒレンジャクを探そう

更新日:2016/03/18 12:06

鷹野 圭のプロフィール写真 鷹野 圭 首都圏自然ライター

何となく都会的な印象のある荒川の中〜下流域ですが、河川敷には結構広い緑地があるのをご存知でしょうか? 中には公園として整備されている所もあり、今回ご紹介する埼玉県の秋ヶ瀬公園もその一つ。ここには3〜4月の限られた一時にだけヒレンジャクという面白い小鳥が飛来し、毎年バードウォッチャーが撮影に訪れます。他にも絶滅の心配される山野草や珍しい動物が多く暮らしており、丸1日いても飽きない至高の自然公園です!

秋ヶ瀬公園ってどんなところ?

秋ヶ瀬公園ってどんなところ?

写真:鷹野 圭

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最寄駅は埼京線「中浦和駅」。新宿や渋谷からなら乗り換えナシで来ることができます。駅からはやや離れていますが、十分徒歩でも行ける距離。駅前は商店や住宅街もありそこそこ栄えていますが、公園の周辺は高い建物もなくオープンな雰囲気で、川沿いに広大な緑地が広がっています。とはいえ、人が立ち入りできないような自然地ではなく、あくまで“共存”できるスポット。かつての武蔵野の景観を思わせる雑木林の中には、バーベキュー場あり、テニスコートや野球場、ラグビー場などもあります。面白いところでは、Jリーグチームの浦和レッズが運営するスポーツランド「レッズランド」というものもあり、年間を通して人が尽きることのないスポーツ公園としての側面も持っています。

そんな人の多い公園なのに、果たして野鳥がそう簡単に観察できるのか? と思われる方も多いことでしょう。でもご安心ください。限りなく自然の雑木林に近い樹林帯や、小川や湿地などが随所にあり、それぞれの環境を好む鳥がよく飛来します。隣接する田園地帯ではキジやセッカなどがよく見られ、ここもまたバードウォッチングに適しています。そして公園の北西側(写真参照)にはいくつもの水場や湿地帯を有する森林が広がっており、ヒレンジャクはほぼ毎年ここに飛来するのです。

狙い目は“ピクニックの森”。ヤドリギがあったらチェック!

狙い目は“ピクニックの森”。ヤドリギがあったらチェック!

写真:鷹野 圭

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上にヒレンジャクは公園の北西側に飛来すると書きましたが、あくまでそこがメインスポットであるというだけで、公園内随所で姿を見かけるチャンスはあります。公園の南端付近にある野鳥の森や野鳥園(一部立入禁止)、野球場やテニスコートに隣接している子供の森などでも運が良ければ目にすることもあるでしょう。これらのスポットでまず探してほしいのが、ヒレンジャク本体よりむしろ彼らの好物となるもの。考えてみれば当然のことなのですが、食べ物がある場所でなければどんな鳥も飛来しません。

写真をご覧ください。細い木の枝の先に奇妙な緑色の塊がくっついていますが、これはヤドリギ(寄生木)というもの。その名の通り他の木に寄生して養分を吸い取ることで生きている植物です。実はヒレンジャクはこのヤドリギの実が大好物。園内でこの植物を見かけたら、まず実がついているかチェックしてみましょう。もしまだ実が残っていたら、いずれヒレンジャクがやってくる可能性があります。その場で待機してみるのもいいでしょう。

ヤドリギの実がなければ、ヒレンジャクはまた別の食べものを探し始めます。この場合、当然自然度の高い場所ほど飛来する可能性は高くなりますので、結果的にはやはり公園北西側、一番上の写真にもある“ピクニックの森”というスポットに行くのが一番いいでしょう。シーズン中、池の畔にはバードウォッチャーがよく集まっています。ここではカモ類やカワセミなども同時に見られる可能性がありますので、行って損はないはずです。

やってきました、ヒレンジャク!

やってきました、ヒレンジャク!

写真:鷹野 圭

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明らかに他の小鳥には見られない特徴的な頭のトサカ。これこそまさにヒレンジャクです。写真はピクニックの森の池の近くで撮影したもの。大きさはスズメ以上ヒヨドリ未満といったところですが、その風貌ゆえに林の中でも結構目立ちます。1羽のみでなく、複数の群れを成して現れることが多いようですね。

絶滅危惧種とまではされていませんが、東京近郊では毎年飛来する場所はかなり限られており、都市公園などで簡単に出会えるような鳥ではありません。それに加えてインパクトのある可愛らしい外見をしているため、バードウォッチャーの間では絶大な人気を誇ります。ちなみに漢字で書くと「緋連雀」。頭文字は羽の付け根に紅い(緋色の)模様があることに由来しており、言うなれば“緋色が特徴の群れでやってくるスズメ”といったところでしょうか? もちろんスズメの仲間ではありませんし、オールシーズン無休のスズメと違い渡り鳥ですので、観察・撮影できるのは期間限定です。主に3〜4月の森の中で見られる鳥ですので、興味のある方はお見逃しなく!

足下にも目を向けて! そこには春ならではの野の花が……

足下にも目を向けて! そこには春ならではの野の花が……

写真:鷹野 圭

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厳しい冬の寒さが和らぎ始め、ちょうど過ごしやすい気候になってくる3〜4月。この時期は動物や昆虫たちだけでなく、多くの植物が可憐に花を咲かせます。サクラはもちろんですが、ここでぜひ目を向けていただきたいのが草むらや森林内の足下。気づかずに歩いていたら踏んづけてしまいそうになりますが、よく見ると、この時期にしか見られない可憐な野草の花が数多く見られます。

写真はシロバナタンポポ。すなわち白い花を咲かせるタンポポです。よく街中でも見かけるセイヨウタンポポと比べると、色は異なりますが形はやはり瓜二つ。もちろん同じキク科の植物です。最大の差は、外来種のセイヨウタンポポと違い、シロバナタンポポは元々日本に生えていた在来種。上のヒレンジャクと同じく近年は数が減ってきているようですが、ここ秋ヶ瀬公園を始め、郊外の草原などをチェックすればまだまだそれなりに見かけますよ。

他にチェックしておきたいのが、チューリップによく似た白い花を咲かせるアマナ。雑木林の林床部に群生しているのが見られます。公園内に案内板が出ていますので、参考にして探してみましょう。また、少々花期は後ろ倒しになりますが、秋ヶ瀬公園の南東部で隣接している一区画にはサクラソウの群生地が保全されています。5月初旬くらいがちょうど見頃。今では盗掘などによって随分と数を減らしてしまったそうですので、優しく見守っていきましょう。

思いがけない“出会い”があるかも?

思いがけない“出会い”があるかも?

写真:鷹野 圭

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水辺あり、草原あり、雑木林あり……かつての荒川河川敷に当たり前のように広がっていた景観を今なお色濃く残している秋ヶ瀬公園。だからこそヒレンジャクを始めとして、猛禽類のノスリ、全身がほんのりと紅色を帯びた可愛らしいベニマシコなど、首都圏でなかなか見られない多くの野鳥が飛来します。そして、珍しいものが見られるという点は何も「鳥」だけとは限りません。

写真は雑木林の一角で撮影したもの。(解像度がイマイチで申し訳ないですが)落ち葉の上を褐色の動物が歩いています。これはニホンイタチ。本来であれば夜行性であり、首都圏でもまだそれなりに生息してはいるのですが、生で本種を見たことがある方は少ないのではないでしょうか? ここ秋ヶ瀬公園では生息密度が高いからなのか、偶然にも昼間に遭遇することができました。ハッキリ言って偶然ですので、これを狙って撮ることはとても困難。ただ、いつ遭遇するかわかりませんので、公園内を散策する時には常に周囲に気を配ることをおススメします。草むらで「ガサッ」と音がしたらその場でストップ! 野鳥の可能性もありますが、よ〜く目を凝らし、そしてしばらく待ってみましょう。

レクリエーション空間と自然が共存する大公園です

上にも書きました通り、ここには運動場もあればバーベキュー場もあり、日々人が絶えることがありません。一方でピクニックの森のような自然を残した空間は、まるで雑木林が周りの騒音を吸いこんでしまっているかのように大変静か。だからこそ、ヒレンジャクを始め多くの野鳥がやってきて春のひとときを過ごすのです。

バードウォッチャーの皆さんはその辺りを弁えて、ヒレンジャクを待つ際には黙ってジッとしています。散策の際には、くれぐれもうるさくしないように注意しましょう。静かに散策していると、その分生きものとの遭遇率も高まるはずです。

なお、この公園には飲食できる施設がなく(さすがに自販機はあります)、近隣にも外食店舗がありません。ぜひ、お弁当などを用意して訪れましょう。時間に余裕がありましたら、南の方で彩湖・道満グリーンパークというこれまた大きな公園と隣接していますので、一緒に散策して荒川河川敷の自然を堪能するのもGoodです。

【アクセス】
JR埼京線「中浦和駅」より徒歩30分
JR武蔵野線「西浦和駅」より徒歩20分

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掲載内容は執筆時点のものです。 2015/03/22 訪問

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