こちらの博物館は地上9階にわたって展示がされています。ですので下から順に見ていって、そして階段を上がっていくのは少し骨が折れます。まずはエレベーターで一番上の階まで行くのがおすすめ。それから順々に下に降りていき、内部を鑑賞していきましょう。展示物が膨大なので、ここでは必見のポイントを紹介します。
最上階エリアの展示物は、船舶のミニチュア模型。コレクター向けの精巧なモデルから、子供向けのモデルが揃えられていて、船の種類も軍艦から客船、コンテナ船にいたるまで幅広く展示されています。そして注目ポイントは、港湾部やドックのジオラマ。とても細かく、そして緻密に作られています。
階を下ると、象牙や銀でできた帆船模型も出てきます。照明の効果もあって、こちらも見とれてしまうことは間違いなし。
6階には、豪華客船の展示がなされています。このエリアからはより大きな船舶模型を鑑賞できます。歴代の有名な客船が勢ぞろい!展示ルームの一角には20世紀初期に活躍した「ハンゼアティック号(Hanseatic)」の客室内部が、そのままの形で展示されています。この船、建造当初はカナダ船籍でEmpress of Japanすなわち「日本の皇后」と名乗っていた時代もありました。大洋への旅に思いをはせてみるのも悪くありません。
豪華客船のほか、コンテナ船の模型も数多く展示されています。巨大化の進む現在では、20フィートコンテナを1万8000本も積むことのできる船もあります。その巨大化の歴史もさることながら、ビデオで、いかに大量のコンテナをさばいているのか眺めることもでき、見逃せない区画です。
2階と3階では、帆船をはじめ風の力で航行する船の紹介と、ドックにおいていかに船が作られているのかが解説されています。
船の歴史は手漕ぎボートのようなシンプルなものから、帆掛け舟やガレー船、そして何本もマストを立てた大型帆船へと連なります。大航海時代以降、各国は先を争ってより速度の出る帆船の設計に力を注いできました。そういった船形の進化の歴史や内部構造などをこちらでは学ぶことができます。また現在の造船所でいかに大型の船が作られているのか、多数の写真で解説されています。
こちらの一角では、コンテナ船のシミュレーターも設置されているのもおもしろいところ。毎日開催ではないのですが、ガイドの方に解説を受けながら、運河や港湾部を航行するコンテナ船の操縦を大画面で楽しむことができます。
この博物館では、他にも深海探索の様子、海軍の展示に注力しています。
深海探索エリア(7階)では、深海魚などの生物の展示に加えて、環境問題に対する各国の取り組みを垣間見ることができます。一方で石油掘削の様子を写したパネルや実物のパイプなども設置されていて、中立な姿勢であくまでも解説に力を入れて展開されています。
海軍エリア(5階)には軍艦や潜水艦などの多くの模型をはじめ、各国海軍の制服・授与される勲章などの展示がなされています。軍艦の模型コレクションも、客船やコンテナ船エリアに負けていません。
各国の有名な軍人の肖像画も掲げられていて、山本五十六連合艦隊司令長官も登場します。やはり、日本とつながる展示があるのはうれしいもの。ドイツ海軍の歴史がメインですが、欧州の他の国々、アメリカそして日本についての解説も中立の立場にたって、そして丁寧になされています。
こちらのマリタイムミュージアムは、キャッチコピーに「3000年の人と海との歴史」を掲げるだけあって、内部のボリュームは満点!とりわけ模型の数は、他のどの博物館にも引けをとらないほど、たくさん展示してあります。
こちらで紹介したもの以外にも、レゴで作られたクイーン・メアリー2世号や、灯台の仕組み、帆船や海をモチーフにした絵画、そして航海術に使用する器具なども展示しています。船の上では欠かせない、ロープの結び方の体験コーナーなどもあり、見るだけでなく体感することも可能。
ぜひ時間をたっぷりととって、見学してみてください。
港湾都市ハンブルクの最大の見所はやはり港です。ミュージアム見学の後は、再開発地区の新しい町並み、隣接する倉庫街(こちらは古いレンガ造りの建物が並んでいて、2015年に世界遺産に登録されました)、そして足を伸ばしてエルベ川沿いを散策してみてはいかがでしょう。
アクセス:ハンブルク中央駅から6番のバスに乗って「バイザンクトアンネン(Bei St. Annen)」停留所で下車。道なりに歩いて、橋を渡ったすぐのところにあります。
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(2024/10/5更新)
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