17基の大小様々な石橋群がお出迎え!佐世保市世知原町は長崎観光の穴場

17基の大小様々な石橋群がお出迎え!佐世保市世知原町は長崎観光の穴場

更新日:2016/04/18 17:04

飛騨屋 勘左衛門のプロフィール写真 飛騨屋 勘左衛門 時空写真家(特に国内外における定点写真、近現代の遺構、鉄道、動植物等)
かつて炭鉱の街として栄えた長崎県佐世保市世知原(せちばる)町には、17基もの石橋(アーチ橋)が町内各所に点在し、「世知原石橋群」として新たな観光資源として注目されています。有名な長崎市の眼鏡橋が観光用に特化しているのに対し「世知原石橋群」の魅力はその多くが今もなお現役として人々に利用され、「生活に密着した普段着の姿」を鑑賞できることでしょう。今回は石橋群を中心に、皆様を世知原へ御招待しましょう。

世知原の観光資源のことなら何でもOK。世知原炭鉱資料館。

世知原の観光資源のことなら何でもOK。世知原炭鉱資料館。

写真:飛騨屋 勘左衛門

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町内各地に点在する石橋群を効率よく訪問するのなら、まず世知原炭鉱資料館に行きましょう。世知原町は、かつては炭鉱の街として繁栄した街であり、この建物も当時の松浦炭鉱事務所を修復して炭鉱関連の資料の展示場として一般に開放しています。炭鉱のみならず、「せちばる石橋群マップ」等の世知原のあらゆる観光資源に関する資料が用意され、館長さんも懇切丁寧に入館者の質問に答えてくれます。入館時には入館者用ノートに氏名と連絡先を記すことを忘れずに。

開館時間:9時〜17時。12月29日〜1月3日を除き毎日開館。入館無料。
建物は1912(明治45)年竣工。

まずは世知原最大の石橋「倉渕橋(くらふちばし)」から。

まずは世知原最大の石橋「倉渕橋(くらふちばし)」から。

写真:飛騨屋 勘左衛門

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1919(大正8)年竣工の96歳。「倉渕橋」は「欠円アーチ橋」に相当する橋で、橋長(径間)が20.6 m、高さは8.1 m。町内を流れる本流の佐々川(さざがわ)に架かる石橋で、「世知原石橋群」中で最大規模を誇るだけではなく単一(一径間)アーチ橋としては県下一、九州でも有数の大型の部類に属します。この橋の下には川へ降りるスロープが設置されており、身障者の方が車椅子に乗ったまま川釣りを楽しめるようになっています。
写真は上流側から撮影したもの。

次は世知原の「眼鏡橋」ともいうべき古山橋(ふるやまばし)。

次は世知原の「眼鏡橋」ともいうべき古山橋(ふるやまばし)。

写真:飛騨屋 勘左衛門

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こちらは1924(大正13)年竣工の古山橋。佐々川の支流の一つ、上野原川に架橋された半円アーチ橋です。上流側から眺めると写真のように川面にアーチが映り、見事な眼鏡橋の姿になります。橋長9.7m、橋高6.3m。

以上の2橋は生活道路として利用され、全17橋の中でも保存状況が良好ですので、是非訪れたいところですね。できればスマホよりもデジタルカメラを使用すれば、その時の天候や時刻に応じたアーチ橋の姿をより美しく捉えることができるでしょう。

次は短いが深い谷に架かる美しいアーチ橋、尾崎橋(おざきばし)。

次は短いが深い谷に架かる美しいアーチ橋、尾崎橋(おざきばし)。

写真:飛騨屋 勘左衛門

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「倉渕橋」や「古山橋」のようなおとなしい地形に架かる橋ばかりが「世知原石橋群」ではありません。この写真のような急峻な谷を渡るアーチ橋も結構存在します。写真は佐々川の支流「上野原川」に架かる橋で、1887(明治18)年竣工という石橋群中最古の尾崎橋。橋長はわずか6.7mですが橋高は9mもあります。アーチの形状は倉渕橋同様欠円アーチ。これだけの谷となると撮影には足元に十分な注意を要します。

この橋に限らず石橋見学の際には足元が滑るので、慎重な行動が要求されます。また靴はハイヒールなどは危険なので、スニーカーなどの運動靴を使用しましょう。橋の美しさに見とれて滑落などしないよう、特に降雨後は要注意!

おなかが空いたら十割そばをどうぞ!「和楽日(わらび)世知原店」。

おなかが空いたら十割そばをどうぞ!「和楽日(わらび)世知原店」。

写真:飛騨屋 勘左衛門

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長崎市街や佐世保市街等とは違い、世知原町には観光客向けのレストランはありません。そんな中にあって御紹介する「和楽日(わらび)世知原店」は、市街中心を流れる佐々川の左岸にあって、川の清流や四季折々の自然豊かな風景をゆっくりと眺めながら美味しい手打ちそばを味わうことができます。天気が良いときは屋外テーブルを利用することも可能。「十割」とはそば粉100%ということですが、世知原の水と空気が「美味しさを引き立てるつなぎ」の役割を果たしています。

メニューは「天ざる(1,200円)」「あったか田舎そば(1,000円)」「ぶっかけ納豆おろしそば(1,000円)」「淡雪とろろ(1,100円)」等々。石橋巡りで疲れた体に、とろろのたっぷりとかかったそば等は如何でしょう。正統派そば店の通例通り、そばがなくなった時点でその日の営業は終了してしまいますので、できれば午後2時頃までには行った方がよいでしょう。水曜日は定休日なのでご注意を。

最後に・・・。

おなかが大人しくなった後は、日が長い季節なら今しばらく石橋巡りをするもよし、炭鉱の街だった頃のボタ山(555段の階段で頂上まで登ることができます)登頂に挑戦するもまたよし、また自転車ならば石炭輸送のための交通手段として敷設されていた旧国鉄世知原線(1971年12月廃止)跡のサイクリングロードを快走するのもまた一興でしょう。

さらに少し東側の奥まったところにある世知原温泉「山暖簾(やまのれん)」でゆっくりと露天風呂に入って美しい山並みを眺めて、1日の疲れを取るという方法もあります。ここは、入浴だけでなく宿泊もできますので、世知原をはじめ平戸や松浦、伊万里、佐世保市内やハウステンボスへ行かれる方にもお勧めです。
(営業時間)10:30〜21:30 (最終受付21:00)(利用料金)入浴料:大人520円(税込) 小人310円(税込)
貸切風呂 1時間:2,160円(税込)(入浴料別途・当日、来場時受付)

おすすめは館内の「湯あがり茶屋」特製の世知原茶アイスクリーム(300円)。世知原はお茶の産地としても著名で、お米も「ミルキー・クイーン」という魅力的な銘柄があり、話し出したら尽きません。

(交通手段)
自家用車利用が一番便利。レンタカー利用ならば佐世保駅前から90〜120分はみておいた方がいいでしょう。世知原町内にはレンタサイクルはないので、廃線跡サイクリングをするなら自動車に積んで持参するしかありません。バスは西肥バスが佐々バスセンターと世知原温泉間を結ぶ便が一日4本しかなく、あまり便利とはいえません。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/11/22−2015/12/06 訪問

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