写真:いしい ひい
地図を見るクレーターレイクは、火山活動によって形成されたカルデラ湖です。
かつてこの地には、推定標高3,600メートルのマザマ山がそびえていました。7,700年前、その山が大爆発、上部の3分の1が吹き飛んでしまいました。この噴火は、過去100万年にカスケード山脈で起こった中で最大規模と言われています。
噴火を目撃したアメリカ先住民クラマス族の人たちは、地底の精霊ラオと空の精霊スケルが激しい戦闘を起こし、山を破壊されたラオは地底に帰っていったと考えたそうです。
マザマ山頂は大きなくぼみとなり、いわゆるカルデラと言われるこの噴火口に、長い年月をかけて雨や雪が降り注ぎました。
川からの流入や流出は全くなく、クレーターレイクは天からの恵みだけで満たされているのです。
写真:いしい ひい
地図を見る湖の周辺にはたくさんのトレイルがあるので、まずは大自然の中を歩いてみましょう!
なかでも、リム・ヴィレッジから歩いていけるガーフィールド・ピークが人気です。往復6キロ、約2時間のトレイルは途中やや険しい坂道もありますが、美しい植物の宝庫。さらにハイイロホシガラスなど珍しい鳥や、マーモットやチップモンクなど小動物の姿を見ることもできます。山道を登りきり、ガーフィールド・ピークから臨んだ紺碧の湖は、まさに絶景の一言!
湖に浮かぶ島は、ウイザードアイランド。溶岩ドームが突き出して島となった風景は、オレゴン州を代表する風景でもあります。夏のシーズン中は、フェリーによるツアーでウイザードアイランドへ渡ることが出来ます。
写真:いしい ひい
地図を見るクレーターレイクの周囲を車で巡るのも、この国立公園の楽しみ方のひとつ。リム・ドライブという、一周53キロの舗装道路が整備されているのです。20箇所もある展望スポットに車を停めながら、いろいろな角度から湖の表情を楽しみましょう。
1853年にこの湖を最初に見たヨーロッパ人は、その深く青く澄んだ美しさに感動し、シンプルにDeep Blue Lake(深い青い湖)と名付けました。リム・ドライブの南西にあるディスカバリー・ポイントは、彼らが斜面を登って初めて湖を見下ろした場所。さぞや大自然の神秘に心打たれたことでしょう!
写真:いしい ひい
地図を見る自然に抱かれたクレーターレイクの表情は、刻々に変わります。
深い霧に包まれていたかと思うと、抜けるような青空が広がる。晴天の最中にいきなり雨雲がみるみる押し寄せてきて、雨が降り出したかと思うと気温が一気に下がる。北に進んでいくうち、夏でも雪や雹や霰が降り出す。山の天気がなんと変わりやすいことか、びっくりするはず。
しかし、この刻々と変化する天気も、クレーターレイクの魅力のひとつなのです。太陽や雲の状況によって、湖面は群青、藍色、エメラルドグリーンなど、次々と色を変えていくのですから。どの色も深く美しく、人間の手では創り出せないピュアな世界!
写真:いしい ひい
地図を見る1902年、クレーターレイクはアメリカで5番目の国立公園に指定されました。
園内にはビジターセンター、レストラン、売店、宿泊施設から、マザマ・ビレッジのキャンプグラウンドまで、さまざまな施設が整備されています。
この公園の特徴は、リピーターが多いこと。5月中旬から10月まで営業しているクレーターレイク・ロッジは、湖の美しさに魅せられた人たちが毎年のように訪れ、半分以上の部屋が馴染みのお客さんで埋まるそうです。
公園は年間を通してオープンしていますが、一部の道路と施設は冬の間閉鎖されます。
野に咲く花が美しい春も、アスペンの林が黄金に染まる秋も、雪深い冬の神秘的な風景も魅力的ですが、ベストシーズンは、比較的天候が安定する夏。夏に行くなら旅行の計画はお早めに!
周辺の宿泊施設は少ないですが、1時間あまり離れたクラマスフォールズやメドフォードなどの町を基点に観光することもできます。
アメリカ西海岸沿いを走るカスケード山脈には、悠久の時を経て今なお活動を続ける火山地帯のダイナミックな景観が広がっています。クレーターレイクのピュアな美しさを、是非とも見て、触れて、感じてくださいね!
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(2024/11/11更新)
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