スキーと温泉だけでない!志賀高原のお膝元・信州山ノ内町で遊ぶ

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スキーと温泉だけでない!志賀高原のお膝元・信州山ノ内町で遊ぶ

スキーと温泉だけでない!志賀高原のお膝元・信州山ノ内町で遊ぶ

更新日:2016/12/28 15:40

和山 光一のプロフィール写真 和山 光一 ブロガー

スキーリゾートとして開発された志賀高原ですが、また違う落ち着いた気分で芸術や地域の食文化に触れてみてはいかがですか。志賀の玄関口にあたる山ノ内町には、SNOW MONKEYで有名な地獄谷野猿公苑以外にも美術館やグルメのお店が点在し、長く息づいてきた文化と新しく始まる文化がここにあります。新旧を問わず、着実に地域に根を張って町の文化を築き上げているものばかりで、きっと親しみを感じていただけますよ。

歴史ある造り酒屋「玉村本店」の酒蔵美術館で作品の秀逸さに感動

歴史ある造り酒屋「玉村本店」の酒蔵美術館で作品の秀逸さに感動

写真:和山 光一

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志賀高原の麓、横湯川、角間川、夜間瀬川の3つの川沿いに広がる山ノ内町は、古くから文人墨客が訪れた情緒豊かな町です。そんな志賀高原の山ふところ、俳人小林一茶が何度となく投宿した湯田中渋温泉郷の一角、沓野温泉にあるのが「玉村本店」です。初代喜惣治がこの地に創業したのが文化2年(1802)、以来地酒の蔵元として200年以上の歴史を重ねています。そこで造りだされる銘酒「縁喜」は、大正天皇御大典を機に銘柄を「星の井」から改めたお酒で、雪解け水の伏流水を仕込み水に、雪がしんしんと降り積もる季節に熟成され、夏も終わりに近づく頃に飲み頃を迎えます。

歴史ある造り酒屋「玉村本店」の酒蔵美術館で作品の秀逸さに感動

写真:和山 光一

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その蔵元の歴代当主が収集してきた芸術作品を展示するのが「玉村本店ギャラリー酒蔵美術館」。雪国の歴史とともに歩んできた約100年前に建てられたという酒蔵を利用し、木の温もりと重厚感が落ち着いた雰囲気を作り出しています。2Fギャラリーにある展示作品は、児玉果亭や菊池契月などの地元出身の日本画家をはじめ、伊藤深水や山口華陽、塩田平八郎などがそろい、作品の秀逸さに玉村本店当主佐藤家代々の趣向の高さがうかがえますよ。多種にわたる所蔵品のなかから四季の変化にあわえて展示していて大変興味深く見ることができ、しかも無料で鑑賞できるのです。

館内1Fの試飲コーナーで銘酒「縁喜」と「志賀高原ビール」を味わう

館内1Fの試飲コーナーで銘酒「縁喜」と「志賀高原ビール」を味わう

写真:和山 光一

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1Fのレトロな雰囲気が漂うカウンターバーでは、お酒の無料試飲が楽しめ、有料ではありますが「志賀高原ビール」3種が飲めます。日本酒は、酒米にこだわった銘酒「縁喜」の純米大吟醸、純米吟醸、純米酒、本醸造とすべて揃い、酒米も蔵人自ら自家栽培した美山錦、隣村の木島平だけで栽培される希少な金紋錦、そして長野県産ひとごこちとの違いが味わえます。カウンターで勝手にお猪口にお酒を注ぐスタイルにびっくりですが遠慮はいりませんね。

館内1Fの試飲コーナーで銘酒「縁喜」と「志賀高原ビール」を味わう

写真:和山 光一

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日本酒の無料試飲だけでなく、是非有料の地ビール「志賀高原ビール」を飲んでみてください。老舗造り酒屋が2004年から始めた自家栽培ホップを使用した香りと爽やかさにこだわったビールです。常時3種類の工場直送のビールが一杯400円からいただけます。

おすすめは「志賀高原IPA」(写真赤ラベル)です。植民地時代のイギリスからインドへビールを船で運ぶために、高めのアルコールと大量のホップを用いて作られたことから名付けられた「インディア・ペール・エール(IPA)」。琥珀色の美しいビールは、どっしりと重厚感があり、苦みが強く、くせになる味わいです。他にもクリーンな味わいに柑橘系のホップが特徴の「志賀高原ペールエール」(黄ラベル)も人気があります。

建築家・黒川紀章氏による太陽の動きを感じさせる斬新な設計

建築家・黒川紀章氏による太陽の動きを感じさせる斬新な設計

写真:和山 光一

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山ノ内町上林温泉入口にあるのが「志賀高原ロマン美術館」。地獄谷野猿公苑、上林温泉の入口にある建物は、1960年代より“共生の思想”を唱え、自然との共生に重点を置いた建築を数多く手掛ける黒川紀章氏による設計です。周囲の杉林や太陽の動きといった志賀高原の自然と文化に見事に調和し、土蔵をイメージするかのようにスーッと立ちあがったコンクリート打ちっ放しの流れるような壁体と、晴れていれば光を反射する壁のチタンチップがとても印象的です。円錐型のクリスタルテラスでは冬季は喫茶のみ、その他はランチも楽しめます。

建築家・黒川紀章氏による太陽の動きを感じさせる斬新な設計

写真:和山 光一

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館内に入ると、まず天井から差し込む日の光が織りなす筋状の陰影が目に飛び込んできます。光のシャワーを浴びつつ奥へ進むと、そこは一転、闇の空間。そこには中空に浮かび上がるかのごとく、黒川氏によりスギをイメージしてデザインされたという円錐形のガラスのショーケースが並びます。その中に現代ガラス作家・吉本由美子氏の「ガラスの天使」たちは、一体ずつ天使が輝いているのです。しばらくすると楕円形のトップライトの光で次第に目が慣れてきますが、このドラスティックな展開が、作品の魅力を高めているようです。

地獄谷野猿公苑を訪れたら是非寄りたいホットな異国

地獄谷野猿公苑を訪れたら是非寄りたいホットな異国

写真:和山 光一

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上林温泉入口から地獄谷野猿公苑に向かう途中にあるテイクアウトもできるカフェが「猿座(ENZA)カフェ」。ここ数年で急速に増えた外国人観光客の受け入れ体制の整備の一環として荷物預かり、防寒レンタル・販売等、各種機能を併せもったカフェダイニングなのです。ここにいれば世界各国の人々と出会えると言えるぐらいスノーモンキーの姿を見るのを楽しみに集う世界中の人たちが必ず立ち寄る定番スポットです。

スペースは和と洋にわけてあり、入口すぐの床がフローリングのお洒落なテーブル席でのカフェスタイルと奥には小上がりもある座席スタイルがあり、国籍を越えて、人が集い、食を楽しむ高原カフェで、いつもと違うカフェ時間を過ごしてみるのはいかがですか。

地獄谷野猿公苑を訪れたら是非寄りたいホットな異国

写真:和山 光一

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看板メニューの「鶏白湯ラーメン」や「高原野菜を使った寿司ロール」は、ミシュラン掲載店で活躍したラーメンシェフと寿司職人が腕をふるう本格派の一品。メニューも英語表記になっていて異国情緒満点です。食事メニューでは、オーソドックスな「鶏白湯ラーメン」がおすすめ。スープはこってりとしたコラーゲンたっぷりの鶏ガラ+魚介系でそれぞれの旨味が楽しめるあっさり味です。そこに中太縮れ麺が絡みスープとの相性抜群の一杯に仕上がっています。外国の方も美味しそうにラーメンをすすっていますよ。

地獄谷野猿公苑を訪れたら是非寄りたいホットな異国

写真:和山 光一

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もちろん冬の雪の季節、寒い雪道を歩いたところで「ほっ!」と一息できる「猿座カフェ」でのあったかいコーヒーの一杯は、まさに地獄に仏ですね。

山の中とは思えないインターナショナルな雰囲気「地獄谷野猿公苑」

山の中とは思えないインターナショナルな雰囲気「地獄谷野猿公苑」

写真:和山 光一

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特に冬の時期おすすめなのが「猿座カフェ」から杉林の中の雪の小径を歩くこと30分程で辿り着くWILD SNOW MONKEY、温泉に入るニホンザルで有名な「地獄谷野猿公苑」です。地獄谷野猿公苑は、野猿に餌付けをして、誰もが気軽に野猿を観察できるようにと1964年に開苑して以来世界で唯一、温泉に入る猿の姿はもちろん、猿たちの息遣いさえ聞こえそうな距離で、自然の中で暮らすニホンザルの興味深い生態を観察できる数少ないスポットです。多くの写真家や研究者も訪れ、広く世界中の人々から愛されている。実際見かける人は外国人ばかりで多分日本で一番外人密度の高い場所ではないでしょうか。

山の中とは思えないインターナショナルな雰囲気「地獄谷野猿公苑」

写真:和山 光一

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急峻な崖と、いたるところから立ち上る温泉の湯気、そのような光景を見た昔の人々はこの地を「地獄谷」と呼んだのですが、サルたちにとっては楽園の地なのでしょう。寒さや飢えをしのぐため山を降りてやって来るサルの群れが、頭の上に雪を乗せじっと温泉に入る猿の姿は世界的にも珍しいとのこと。湯に真っ赤な顔をした猿が、気持ちよさそうに浸かっているその風景は、何度見ても一種不思議で、しかし心なごむ風景なのです。

志賀高原を筆頭にさまざまな観光施設を有する山ノ内町

外国人観光客から『サムライルート』と言われる観光ルートの長野の起点となる地獄谷野猿公苑の入口でもある志賀高原の麓、山ノ内町には、古くから夏目漱石や志賀直哉、与謝野晶子など文化人が好んで訪れ、その足跡を残しています。ロマン美術館以外にも、実業家・渋沢栄一の孫の邸宅を移築した洋風木造建築の「志賀山文庫」には、志賀高原を愛した文化人約150人の貴重な資料が収蔵されています。また日本屈指の豪雪地帯・新潟県東頸城群松之山町で150年以上の長い歴史を積み重ねてきた民家「豪農の家」を移築、復元した民族資料館「豪雪の館」では、贅を尽くしたという当時の豪農の暮らしぶりが垣間見られます。

志賀高原総合会館では、毎年国内でもトップレベルのクラフトビールのブルワリーと幅広いジャンルの豪華アーティストが多数参加する「スノーモンキービアライブ」が開催され、湯田中温泉「かえで通り」では「ヤマノウチ ランタン」と名打った光のアートイベントが行われています。

スキーリゾートのメッカ志賀高原は、スポーツ、自然、芸術、食に温泉と、一年を通して欲張りな旅を叶えてくれる場所なのです。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/02/27−2016/03/05 訪問

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