ご紹介する「豊崎ホテル」は、伊豆半島の西伊豆海岸、松崎町にあります。ホテルは、東海バス「松崎駅」から車で約9分の場所。宿の創業は大正元年で、ここ松崎町の中でも、老舗中の老舗温泉宿です。創業当時は、国道などの道が整備されておらず、旅人は陸路ではなく、船でここを訪れていたそうで、宿を構えている場所は、松崎港のすぐ近く。船の汽笛やエンジン音などが聞こえ、思わず旅情を掻き立てられるような場所にあります。
宿は全室14部屋。源泉かけ流しの温泉に入れ、口コミサイトでも人気の宿直営の食事処で美味しい料理が味わえます。宿泊料金がそれほど高くはないこともあり、週末ともなれば満室になってしまう人気な宿です。そして珍しいことに、ここには私設博物館「魚剥製ギャラリー」がある、ちょっと変わった宿なんです。
宿の入口を入ったすぐ右側に、このような「魚剥製ギャラリー」があります。ここには、松崎港から広がる海「駿河湾」で捕獲された珍しい魚約150種の剥製が展示されています。ここを訪れると「温泉宿なのに、どうして魚の博物館があるの?」ときっと誰もが疑問を抱いてしまうことでしょう。
きっかけとなったのが、今から30年〜40年前。宿のすぐ近くに魚市場があり、定置網漁船から珍しい魚をもらっていたのが始まり。その魚を剥製にして、集めに集めて約200点の剥製を展示、平成5年の宿の改築時にこのようなギャラリーを設けました。約30年の歳月をかけて収集したそうで、ギャラリーはここだけに留まらず、ロビーの通路にも及んでいます。通路には剥製の他、伊豆半島の海で生息する魚の写真パネルなどの展示もされています。
こちらは「ギンザメ」です。この魚は深海500m域に生息する魚。名前の由来は、ギリシャ神話に登場する怪物から名付けられたそうです。剥製をよく見ると、一般の魚では見られない前足のようなものや、背中から1本だけ突き出た針のような鋭い棘など独特な形で、名前には「幽霊」と言う意味も含まれているのだとか。ギンザメは羽ばたくように泳ぎ、鳥のような何ともミステリアスな姿を見ることができます。
駿河湾は日本一の深い海で、他にも生きた化石と言われる「ラブカ」など深海専門の水族館でしか見られないような様々な魚の剥製を展示しているので、是非探してみて下さいね。魚の剥製は、体長1mを超える大物から小さなもの、スーパーなどでよく見かけるカサゴなど身近な魚から貴重な魚まで、色々な魚が展示されています。魚好きが高じてか、宿では「松崎の魚」と言うオリジナルの本を出版しており、受付で販売されているので、興味のある方は是非如何でしょうか?
さて、ギャラリーを満喫したら、次は温泉に入ってみましょう!
宿の大浴場は、男女別に内風呂・露天風呂があります。こちらは、女性専用の露天風呂で、大人が5、6人は入れる位の大きさ。内風呂は、肩までどっぷり浸かれる位の深さがあり、湯に浸かりながら肩などセルフマッサージして凝りをほぐせる極楽の湯です。サウナはありませんが、内風呂の浴室は湯気が充満していて、ミストサウナのようで体の芯から温まることができ、サウナ効果も期待できます。海を見ながら入れる檜の露天風呂は、木のぬくもりが体に優しく、時折吹く潮風が心地良く、リラックス効果も抜群です。浴槽の縁を枕にして仰向けになれば、夜は星空が見られロマンテックな雰囲気の中で入れますよ。
温泉は、程よく塩分が含まれた湯で、保温効果があり、なめらかでやわらかい湯。宿では「クリーンタワー」と言う設備を使って、入り頃のちょうど良い温泉温度に仕上げて、常に浴槽に供給しています。そのため、いつまで入っていても飽きないような気持ち良い温度の温泉に入れ、湯も新鮮で綺麗です。
『温泉データ』
泉質:カルシウム・ナトリウム・硫酸塩温泉(低張性・アルカリ性・高温泉)
源泉温度:62.2℃ pH8.5
変わってこちらは夕食です。食事は、宿のすぐ目の前にある食事処「民芸茶房」で頂きます。ここは元々、地元漁師のための喫茶店だったところ。そのため、期待を裏切らない魚料理にありつくことができます。こちらのメニューは、時計回りに、山葵の茎の三杯酢和え、金目鯛・鰆・太刀魚などの刺身の盛り合わせ、黒鯛や里芋の煮付け、ナマコ、黒米そばなど。刺身は、数種類盛り付けているので、食べ比べが楽しめ、ナマコは、まるで椎茸を半分に切ったような豪快さ。ちょっとグロテスクな様に感じますが、食べてみると柔らかな食感で、コリコリとした食感のナマコのイメージを覆すかのようで、柔らかく食べたことのない不思議な味わいです。
お店のメニューは、一品料理などもありますが、どれを食べて良いのか迷った時は、この「おまかせコース」がお勧め。おまかせコースは、この他に天ぷらなどの料理を頂け、ボリュームたっぷり! 何よりも、その日のお勧めの地魚が味わえるので、味は保証付き! 店内のテーブルや椅子は、天城から切り出された樹齢300年の欅の大木を使っており、そんな中で食べると、まるで木からパワーをもらえてしまうようです。店内で湧き出るミネラルたっぷりの天然水を飲むこともできるので、忘れずに味わってみて下さいね。
東海バス「松崎駅」から宿への無料送迎があります。
宿には、化粧水や乳液などのアメニティーはないので、持っていくのがお勧め。宿の近くに松崎海岸があるので、夏は海水浴に打ってつけの場所です。またホテル内には「魚剥製ギャラリー」は、お子様の夏休みの自由研究にも役立つかも知れませんね。
豊崎ホテルは、全国的にも珍しい魚の剥製を展示した特別なホテル。魚好きのお子様から温泉好きの大人まで楽しめる画期的な宿なので、ご家族皆さんで訪れてみては如何でしょうか?
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(2024/10/14更新)
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