東京都内にある小京都とは、世田谷区千歳烏山にある寺町通り。烏山寺町通りは26の仏教寺院が立ち並ぶ地域です。
関東大震災後、浅草、築地、本所、荒川などにあった寺院が集団で移転し、千歳烏山に寺町が形成されたのです。
歴史は浅い寺町ですが、寺社が立ち並ぶ姿が京都の町並みを彷彿させ、東京の小京都と呼ばれているのです。
そもそも小京都には定義が存在します。
京都市を含む小京都と呼ばれる地域が集まる「全国京都会議」という組織が存在し、以下の基準の一つを満たした町が加盟を許されるのです。
1.京都に似た自然と景観
2.京都との歴史的なつながり
3.伝統的な産業と芸能があること
「全国京都会議」に加盟している主な自治体は、秋田県角館、島根県松江、山口県萩、佐賀県小城などがあります。
烏山寺町通りは「全国京都会議」には加盟していません。
烏山寺町通りは自ら小京都を名乗っている訳ではないのです。誰かがそう呼び、いつしか東京の小京都と言われるようになったのです。
そんな烏山寺町通りの寺院をいくつか見ていきましょう。
妙寿寺は谷中に創建され、江東区に移転後、関東大震災で全焼。1927年に千歳烏山寺町通りに移転してきた寺。
この寺の客殿は東京市麻布区飯倉狸穴町にあった子爵・鍋島直柔邸を譲り受け、仮本堂を兼ねた庫裏とし移築したのものです。
外壁は下見板張り、屋根は瓦葺で2階建て部分は起りのある入母屋造り、内部は書院造りで柱には高級建材ツガが使われています。
2008年には世田谷区有形文化財に指定されており、見ごたえがあります。
源正寺には本堂の両側に雨水を溜める天水桶があります。
天水桶は名工、釜六といわれた言われた太田氏釜屋六右衛門と釜七と言われた田中氏釜屋七右衛門の作。天水桶界の運慶・快慶といったところでしょうか。
この天水桶は世田谷区の地域・風景資産に指定されているのです。
高源院は、関東大震災の被害を受け、品川から千歳烏山に移転してきたお寺。寺院の建立にあたって境内に泉水を掘ったところ、水源を掘り当てて豊かな水をたたえる弁天池が形成されたのです。弁天池の中央には岸との間が赤い欄干の橋でつながっている弁天堂と呼ばれる浮遊堂があります。弁天池は秋からコガモ、カルガモ、マガモなどが飛来するようになり、都会の中での越冬地としての役割を果たしており「鴨池」とも呼ばれているのです。
いかがでしたでしょうか?千歳烏山寺町通りには26の寺院がありますが、今回は3寺院だけ紹介させていただきました。千歳烏山寺町通りには、他にも浮世絵師 喜多川歌麿のお墓がある専光寺や200ものタヌキの置物がある常福寺などユニークで見どころのあるお寺が点在しています。
都内で京都気分を満喫できる、都内の小京都、一度訪れてみてはいかがでしょうか。
アクセス
京王線千歳烏山駅北口下車 徒歩12分
関東バス「久我山病院行き」の循環バス有り
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(2024/9/17更新)
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