写真:乾口 達司
地図を見る佐保川は奈良市東部の山間部から流れ出る河川。当初、西に向かっていた流れは現在の近鉄新大宮駅北西付近で南へと向きを変え、奈良盆地を南下。やがて大和川と名をあらため、大阪湾へと注いでいます。
桜並木は奈良市の中心部から延々数キロメートルにわたって続きます。写真は佐保川小学校付近の様子を撮影したものですが、シーズン中は、ご覧のように、夜間でもたくさんのお花見客で賑わいます。
※…写真は2015年の様子です。
写真:乾口 達司
地図を見るなかでも、私が特にお勧めしたいのは、奈良県立大学北側の法蓮地区(ほうれんちく)の夜桜。法蓮地区の桜並木は船橋商店街北側の下長慶橋付近からはじまります。その橋のすぐ北側にあるのが、写真のしだれ桜。このしだれ桜はかつて付近を走行していた大仏鉄道を顕彰して造られた大仏鉄道記念公園に生えられています。法蓮地区の夜桜見物にお出掛けになる際は、まず大仏鉄道記念公園のしだれ桜を目指しましょう。
写真:乾口 達司
地図を見る下長慶橋から奈良県立大学裏手の川沿いに歩きはじめると、川の両岸に桜が次々に現れます。夜は吊り下げられた提灯に灯りがともるほか、桜によってはライトアップもされているので、昼間とはまた違った幻想的で艶やかな雰囲気を堪能出来ること、請け合いです。
写真:乾口 達司
地図を見る桜並木を歩いていくと、ご覧のように、川面に張り出したひときわ大きな桜と出くわします。「川路桜」(かわじざくら)です。その名のとおり、江戸時代末期、奈良奉行をつとめた川路聖謨(かわじとしあきら)によって植えられた古木で、その樹齢は何と160年以上!名実ともに佐保川の桜を代表する名木であるといえるでしょう。
ちなみに、シーズン中、桜のライトアップやさまざまなもよおしをとりおこなう地元有志の運営団体「佐保川・川路保存会」の名称も、この川路桜からとられています。川路桜がいかに地元民から愛されているか、ここからもわかりますね。
写真:乾口 達司
地図を見る光の加減によっては、夜桜を背景にしたお花見客の姿が影絵のように映し出されます。これもまた幻想的。さまざまな光の演出をご堪能下さい。
佐保川の夜桜の魅了、おわかりいただけたでしょうか。今回、ご紹介した法蓮地区は近鉄奈良駅から10分あまりのところに位置しているため、アクセスも快適。幻想的な光景を現出する佐保川の夜桜を実際にご自身の目でご覧いただき、春の旅の良き思い出として下さい。
※…例年の満開の時期は3月末から4月上旬です。
この記事を書いたナビゲーター
乾口 達司
これまでは日本文学や歴史学の世界で培った見識にもとづいて数多くの評論や書評を執筆してまいりました。奈良生まれ、奈良育ちの生粋の奈良っ子。奈良といえば日本を代表する観光地の一つですが、地元民の立場からい…
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