標高約1,100mの山麓駅から標高約1,600mの姿見駅を結ぶ旭岳ロープウェイ。姿見駅からは、一周約1時間程度で姿見ノ池や夫婦池、盛んに噴煙を上げる噴気口などを巡る周遊コースが整備されています。姿見ノ池は、晴天時には池に旭岳の姿が映し出されることが名前の由来となっています。
大雪山は2,000m級の山々ですが、緯度が高いため、本州の3,000m級に匹敵する高山環境を有しており、姿見ノ池周辺には高山植物が多く、ロープウェイ駅からちょっと歩いただけで、可憐な高山植物群落を楽しむことができます。
草花のように見えますが、バラ科の落葉小低木であるチングルマ。花期は7月上旬から8月上旬。花の群落としては目立つ存在です。
チングルマは、花が散った後は風車のような形の綿毛になります。チングルマの和名は、この形から稚児車(ちごくるま)から転じて付けられたものです。
この風車、群落でみると本当にかわいいですよ。
濃緑のじゅうたんの上に、ピンクの壺状の花をつけるツガザクラ。ちょっと口を尖らしたような形が愛らしい。ピンク色のツガザクラは、エゾノツガザクラとコエゾツガザクラがあり、写真の花は後者のようです。コエゾツガザクラは、濃いピンクのエゾノツガザクラとライムグリーンの花をつけるアオノツガザクラの雑種と言われています。こういった花の違いを意識しながら観察するのも、楽しいものです。
写真の赤い実はコケモモの実、紫はガンコウランの実です。クロマメノキもガンコウランに似た紫色の実をつけているので、葉っぱの形などをよく見てみましょう。小さな花や葉、実が作り出す箱庭のような世界が美しい。
アイヌの人々は大雪山を「カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)」と呼びました。近代日本の文人、大町桂月は「富士山に登って山岳の高さを語れ、大雪山に登って山岳の大きさを語れ」という有名な言葉を残しています。この広い大雪山を楽しむ入り口として、アクセスも容易な姿見ノ池周辺は最適でしょう。
なお、気軽に楽しめるとは言っても標高1,600mの高原であり、姿見駅から姿見ノ池までは標高差が70mほどあります。真夏でも長袖の準備を、そして動きやすい服装で訪れましょう。
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(2024/9/18更新)
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