日本最大の遊水地・渡良瀬遊水地から谷中湖周辺の見所5選

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日本最大の遊水地・渡良瀬遊水地から谷中湖周辺の見所5選

日本最大の遊水地・渡良瀬遊水地から谷中湖周辺の見所5選

更新日:2016/03/12 18:48

大木 幹郎のプロフィール写真 大木 幹郎 巨木マニア、低山登山家、ブロガー

渡良瀬遊水地は利根川の中流域にある日本最大の遊水地。関東4県(群馬、栃木、茨城、埼玉)にまたがる広大な遊水地の内部では、貯水湖や水路の側を、見晴らしの良い堤防の上を、豊かな湿地の自然の中を、散策することができます。渡良瀬遊水地の中心にあるハート型の巨大な貯水湖・谷中湖の周辺での見所を5つご紹介。

ハート型の貯水湖・谷中湖の出入口

ハート型の貯水湖・谷中湖の出入口

写真:大木 幹郎

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渡良瀬遊水地は利根川の中流域にある日本最大の遊水地で、面積は約33平方km、総貯水量は約17万立方kmもの広大なもの。渡良瀬川を東西に囲んだ形で利根川と合流する地点の約3km北側に位置し、関東4県の群馬、栃木、茨城、埼玉にまたがっています(面積の約6割以上は栃木県栃木市で占める)。利根川下流域の洪水調節と、水道水などの用水確保に機能している遊水地は、平野部にあるダムそのもの。

広大な遊水地の内部へは立ち入り可能で、堤防の上、貯水湖や水路沿いに散策が可能です。特に遊水地内で公園のように整備された場所が、ハート型の貯水湖・谷中湖とその周辺。谷中湖の周囲一帯は、運動場や周遊道が整備されており、遊水地内で、マラソン、自転車のロードレース、ウォータースポーツ等の大会がよく催されているのがこの場所。この谷中湖の周辺での見所を5つご紹介します。

見所の1つ目、谷中湖の南端の遊水地と渡良瀬川を繋ぐ場所、第1排水門の前。写真には写っていませんが、遊水地内で一番立派な水門と、谷中湖への取水部分を見ることが出来ます。写真は第1排水門を背にしての撮影で、背後が渡良瀬川へ。中央奥に見えるのが、貯水池機場で、ここで渡良瀬川から谷中湖へ取水しています。貯水池機場の前から右側には水路があり、谷中湖の水が北側にある水質浄化施設へ送られています。なお、仕切りの左側に流れているのが谷田川です。

広大な湿地の自然風景

広大な湿地の自然風景

写真:大木 幹郎

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谷中湖周辺の見所の2つ目、広大な湿地の自然風景です。写真は遊水地への主な出入口の1つ、県道9号線に面した北エントランスの堤防上から撮影したもの(撮影は6月)。ここでは堤防上から、谷中湖の北側に広がる第1調節池の広大な湿地にヨシ原が広がる風景を見ることが出来ます。谷中湖の周囲ではここが最も広いヨシ原です。

遊水地内には、野鳥、昆虫、魚類が多く生息し、絶滅危惧種である希少な植物も多く発見され、広大な湿地に豊かな自然が残されています。そして、貴重な自然が残る渡良瀬遊水地は、平成24年7月に、重要な湿地とそこに生息する動植物を保護する国際条約・ラムサール条約の保護地となりました。

なお、渡良瀬遊水地は3つの洪水調節の区画に分かれています。渡良瀬川の右岸にあるのが南側に谷中湖のある第1調節池、左岸の上流に第3調節池、左岸の下流に第2調節池です。

展望台からの眺めとヨシ原の浄化施設

展望台からの眺めとヨシ原の浄化施設

写真:大木 幹郎

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谷中湖周辺の見所の3つ目、展望台からの眺めです。谷中湖の北側を流れる水路沿いに、砦のような形をした展望台「渡良瀬遊水地ウォッチングタワー」があります。少し谷中湖から離れていますが、谷中湖の北側に広がる湿地、ヨシ原を見渡すことが出来るお勧めの場所です。写真は展望台から見た西側の風景(撮影は9月)。この風景には、水道水となる谷中湖の水質浄化にとって重要なものが写っています。

写真の左側にある水路は、谷中湖の南端にある貯水池機場の前から続いていくる池内水路。貯水池機場では渡良瀬川から谷中湖へ取水しつつ、谷中湖の水を北側へ続く池内水路へ流しています。池内水路の水は、展望台から少し離れた地面に埋設されたポンプで、写真の右側一帯のヨシ原浄化施設に流されます(反対の東側にもヨシ原浄化施設はある)。そしてヨシ原浄化施設を通った水は、写真左奥にある貯水池北水門(ポンプ施設が隣接)を通って谷中湖へ。谷中湖の水はヨシ原を循環し浄化されているのです。

谷中湖が干上がった!? でも水不足ではありません

谷中湖が干上がった!? でも水不足ではありません

写真:大木 幹郎

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谷中湖周辺の見所4つ目、谷中湖の周遊道沿いにある木造の展望台からの眺めと、乾季!?の景観です。谷中湖の周遊道の北側と、親水多目的ゾーンから続く道が合流する地点に、簡素な木造の展望台があります。以外にも、谷中湖の目の前にある展望台はここだけ(2015年時点)。目の前に広大な谷中湖、背後にヨシ原を見渡せる、お勧めの場所です。

谷中湖では水質改善の対策の1つとして、水の干し上げを1月から3月にかけて行っています(撮影は3月)。1月中旬から水位を下げ、2月上旬から3月下旬まで、最低水位を保ちます。湖底を一定期間日光に晒すことによって、植物プランクトンを減少させ、カビ臭の発生の抑制などに効果があるそうです。満面に水を湛えた谷中湖はキレイですが、干潟なような谷中湖も見応えあり。

かつて遊水地に存在した農村・谷中村

かつて遊水地に存在した農村・谷中村

写真:大木 幹郎

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谷中湖周辺の見所5つ目、遊水地の造成に消えた谷中村の跡。写真は延命院墓地跡にある塚です(撮影は9月)。よくダムの造成により山村がダムの底へ消えていきますが、渡良瀬遊水地でも同様のことがありました。

古くから、渡良瀬川、思川、巴波川(うずまがわ)が交わるこの地域は、地盤の低く頻繁に洪水に晒される湿地帯で、その中央部に堤防で囲まれた谷中村がありました。明治20年になると、渡良瀬川上流にある足尾銅山から流出する鉱毒が沿岸流域に広がり大問題となりました。そして、鉱毒被害の拡散防止と、洪水調節のため、谷中村のあったこの地に渡良瀬遊水地の造成が計画されることに。谷中村の土地は強制買収、多くの村民達は立ち退きに反対したそうですが、遂に明治39年(1906)に廃村となりました。

谷中湖の北東側に位置する区画は谷中村史跡保全ゾーンと呼ばれ、かつて谷中村の中心部であった場所です。ヨシ原の中には、屋敷・神社・墓地の跡が今でも残されています。故郷を荒らされ奪われる苦しみ、2度と繰り返してはならない社会問題。遊水地の中でも、物悲しい雰囲気があり、重い歴史のある場所ですが、教訓として現代へ警鐘を鳴らす貴重な場所でもあるのです。

おわりに

日本最大の遊水地である渡良瀬遊水地の中で、最も観光的に整備された谷中湖の周辺から5つの見所のご紹介でした。谷中湖の渡良瀬川から水を取り込んでいる南端部分、堤防上や展望台から見る広大なヨシ原と谷中湖、水を浄化する仕組み、最後に谷中村の史跡でした。他にも見所はたくさんあるのですが、広すぎるために場所を絞るのが難しく、少し変わった視点でのご紹介としました。

谷中湖の周遊や、その外縁にある調節池の中を散策される場合は、自転車での移動がお勧めです。自転車は近くの道の駅「きたかわべ」や、谷中村史跡保全ゾーンにある事務所で借りることが出来ます。渡良瀬遊水地の詳細と周辺の観光についてはMEMOにあるリンク先のサイトをご参照下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/11/01−2015/03/01 訪問

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