ご紹介する「富貴野山21世紀の森」は、伊豆半島の西海岸にある西伊豆町と松崎町のほぼ境にある標高約550mの山頂にあります。山頂までの道が整備されているため、車で行くことができますが、林道のような細い道が続き、対向車とすれ違えないくらいの道があるので、通行の際は注意が必要です。松崎町の市街地から、車で20分〜30分で行くことができる「富貴野山21世紀の森」は、弘法大師がここに訪れた時「山の入口の池に蛇がいて、杖で池の水を噴き出させたら蛇がいなくなった」ということから「富貴野山(ふきのさん)」と呼ぶようになったそうです。
ここには、大同年間中(803年)に弘法大師によって開かれた宝蔵院があり、密教の霊場として人々から信仰を集めていた神聖な場所です。そのためか、ここに祀られている本尊を公開する「御開帳」は、33年に1度しか行われない貴重な寺院です。
宝蔵院の参道には、たくさんの石仏が残されており、当時の信仰の名残を留めています。ここには約120体もの石仏があり、この石仏は後生の安楽などを願いながら、人々がここまで運んだもの。石仏は、江戸時代中期に作られたものがほとんどで、その頃、霊場として最も栄えていた場所です。
参道に沿って、弘法大師像・地蔵菩薩など様々な石仏が置かれ、中には風化して顔がないものや、一面苔に覆われた石仏など、往来の時を物語っています。静寂に包まれた森の中、石仏に囲まれていると、ただでさえパワーを頂けてしまうような空間です。
ご紹介する「瞑想の森」は、この宝蔵院に隣接するようにあります。
瞑想の森は、宝蔵院の境内から行くことがでますが、森へ入る前にまず最初にすることがあります。それは、この大きな杉の前で体操やストレッチをすること。この杉は、高さ30m・樹齢約400年の「弘法杉」と呼ばれる木で、宝蔵院の境内に植えられています。この大杉を目の前にしてストレッチをしてみると、不思議と心が安らいでしまうようです。
木の左側には「瞑想の森 入苑の心得」の案内看板があり、チェックをして準備ができたら、森へ向かいましょう。看板にある「入苑」の「えん」の文字は「園」ではなく、草木が茂るの意味が含まれる「苑」と言う文字を使っており、森へのこだわりを感じられます。
瞑想の森の遊歩道は「座禅台」「瞑想の小径」などがあり、ヨガや気功を合わせて取り入れたコースになっています。このコースの設計責任者は、神奈川県歯科大学教授。心の不安を取り除くように設計されたそうで、体に良いものを体験しながら散策できるのも魅力の1つ。
こちらは、森の順路を進むとある「気功台」で、木の根元に幾つかの台が用意されています。ここに立って、呼吸を整えながら目を閉じると、都会の雑踏を忘れることができ、自分の心の奥を見つめることもできます。木のすぐ根本にあるので、フィットンチッド効果も期待。フィットンチッドとは、目に見えない植物から出されるリラックス効果がある物質のことで、思いっきり深呼吸すれば、感覚器にわだかまる汚れを拭い去ってくれるといわれています。それまで聞こえなかった風の音や、森の香りを体感でき、自然がストレスを解消してくれるようで、明日への活力へきっと繋がることでしょう。
富貴野山21世紀の森には、杉や桧などの木が植えられているので、春先の花粉が飛ぶシーズンはお勧めできません。その他のシーズンであれば、新鮮な空気を吸いながら森林浴を楽しめるのでお勧めです。
この森は、松崎町のボランティアの方達が掃除をしているので、遊歩道なども綺麗に保たれ、トイレも完備されているので、安心して利用できます。富貴野山の駐車場から、晴れの日には、駿河湾越しに南アルプスや、山並みからひょっこり顔を出す富士山など素晴らしい景色も堪能できます。
忙しく時間に追われる現代で、自然に溶け込みながら自然の声に耳を傾けて、心に余裕を与えてみては如何でしょうか? 「富貴野山21世紀の森」は、21世紀を懸命に生きるあなた!!!を癒すために創られた森です。新鮮な空気を吸うだけでもリラックス効果抜群なので、是非訪れてみませんか?
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