写真:手塚 大貴
地図を見る初夏のスペインといえば、一面のひまわり畑の風景。でもスペインのどこに行けば、絵葉書のようなひまわり畑を見ることができるのか、疑問に思う人も多いはず。
実はスペインでも屈指の美しいひまわり畑が広がるのが、アンダルシア州・セビーリャ郊外に位置する小さな町、カルモナの周辺なのです。
燦々と降り注ぐ陽射しを浴びながら、大地を黄色く覆い尽くすひまわり畑は、これぞスペイン!と実感できる、明るさと輝きに満ちた風景。一生忘れることのない、スペイン旅行の思い出の象徴となることでしょう。
カルモナのひまわりの見頃は6月。ただし満開の時期は短く、その年の気候によって、見頃は多少前後するので、ご注意を。
写真:手塚 大貴
地図を見るカルモナの魅力は、ひまわり畑だけではありません。その美しい町並みを見るためにも、訪れる価値があります。
小高い丘の上に広がるカルモナは、カルタゴ、ローマ、アラブなど、数々の民族に支配され、軍事上の要所として栄えてきた古い町。その歴史を伝える建造物が今も残されています。
セビーリャからのバスを降りると、まず見えてくるのがサン・ペドロ教会。セビーリャのヒラルダの塔を真似て造られたイスラム風の塔が聳える教会です。
その先には、旧市街の入口となっているセビーリャ門。カルタゴによって建設された歴史ある門で、内部に観光案内所があるので、町歩きの前に立ち寄っておきましょう。
写真:手塚 大貴
地図を見るカルモナの旧市街へ足を踏み入れれば、その清潔感溢れる町並みにきっと心が動かされるはず。そこには石畳の道に沿って白壁の家々が並ぶ、アンダルシアらしい美しい町並みが広がっているのです!
カルモナが「白い町」として素晴らしいのは、ミハスやフリヒリアナほど有名ではないため、観光客が少なく、ゆったりと町歩きを楽しめるところ。ここでは観光地化されていない、素顔のアンダルシアの風景を見ることができます。
白壁の家並みと迷路のように入り組んだ路地、穏やかに暮らす町の人々、どこまでも優しい時の流れ・・・。このカルモナで味わうことができるのは、そんなアンダルシアの素朴な日常です。
写真:手塚 大貴
地図を見るカルモナには、スペインでもひときわ素敵なパラドール(国営ホテル)があります。それが旧市街の丘の頂に建つ、パラドール・デ・カルモナ。
アラブの古い城塞を、14世紀にペドロ1世が宮殿に改装した建物で、現在はパラドールとして宿泊することができます。
グラナダ侵攻の際にはフェルナンド王とイサベル女王が滞在し、天正遣欧少年使節や支倉常長率いる慶長遣欧使節も訪れた、歴史ある宮殿。重厚な外観やイスラム様式のパティオなど、中世の雰囲気に癒されることでしょう。
そしてパラドール・デ・カルモナの最大の魅力は、テラスから望む大平原のパノラマ!まさに絶景の中でのステイを楽しめるパラドールです。
写真:手塚 大貴
地図を見るパラドール・デ・カルモナから望むアンダルシアの大平原は圧巻の光景!パラドールの近くには展望スペースが設けられているので、宿泊客でなくとも眺望を楽しむことができます。
果てしなく広がる緑や茶色の平原、そこを突き抜けて走る1本の道、ひまわり畑やオリーブ畑、地平線を形作る遠くの山々。そして照り付ける眩しい太陽と、吹き抜ける一筋の風・・・。
カルモナにおけるハイライトとなる、圧倒的な絶景と美しい瞬間がここにはあります。
どんな世界遺産よりも、“アンダルシア”を強く感じさせる風景。それはカルモナの頂に登った人だけが見ることのできる絶景です。
カルモナへのアクセスは、セビーリャのサン・ベルナルド駅近くのバス停から、Casal社のM124のバスに乗って約50分。
ひまわり畑へは、カルモナの町から歩いて行くのは大変なので、セビーリャ〜カルモナのバスの車窓から鑑賞するのがオススメ。ひまわり畑をじっくり楽しみたい人は、レンタカーを借りて周るのがいいでしょう。
白壁の町並みや大平原のパノラマなど、小さい町ながら多彩な魅力があるカルモナ。
有名な観光地を巡る途中で、素朴な小さい町に立ち寄ってみる・・・。カルモナは、そんなスペイン旅行の日程に組み入れるのにぴったりの町なのです。
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この記事を書いたナビゲーター
手塚 大貴
沢木耕太郎氏の『深夜特急』に出会い、バックパッカーに。いまは「旅」の素晴らしさを伝えたくて、旅行ライターをしています。これまでに、アジアやヨーロッパ、南米などの22か国へ渡航。スポーツ観戦旅行が好きで…
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