発酵食に興味を持たれたそもそものきっかけは、オーナーの関恵さんが初産を経験された産院で発酵食づくりをしたこと。
そのとき「いのちを生み出す」という自らの出産体験と、微生物のいのちが無限に増えていく発酵食づくりとのつながりを、深く心に刻みこんだことからはじまりました。
無数億の微生物たちの生命システムの自律性は発酵現象の醍醐味。「親は無くとも子は育つ」ということわざ通り、子育てそのものによく似ていますというお話しもとても面白く拝聴。
自家製の発酵食品の瓶詰、漆器、柿渋などの発酵素材がさりげなく並ぶ店内を忙しく立ち働く数名のスタッフはお揃いの藍染めのスカーフとエプロン、とその名の通り発酵づくし。
それに加えて、全国から発酵現象の不思議さに魅せられた人たちが集い、新たな知見や発見を交換しあい人間同士も醸されていく人的交流サロンの場としても注目されます。
カモシカでのおすすめはなんといっても発酵8種定食。
黒い角皿:(右上から時計まわりに)
1、自家製ねり梅ソース豆腐のせ/2、自家製味噌豆腐のせ/3、古式製法さばへしこ/4、魚醤(いしる)のピリ辛こんにゃく/5、柚子胡椒・燻製煮卵のせ/6、ふぐの子の糠漬・燻製煮卵のせ/
真ん中: 7、地場野菜のピクルス
赤い角皿: 8、お揚げの発酵あんかけ
カモシカ特製麹納豆あん(温)あるいはにんにく醤油あん(冷)が選べます。
本日のお茶は、阿波晩茶(徳島に古くから伝わる発酵茶)です。
すべて自家製の発酵食品を用いたメニューは、発酵食のノウハウを知り尽くした提供の工夫がなされており、おいしい上にひと箸ごとに身体の芯からしずかに活性化していく不思議な感覚にとらわれます。
このほか、カモシカ厳選の季節限定の鮒ずしはじめ、産地からの旬の発酵食品、蔵出しの清酒、発酵スイーツ専門店「カモシカ」のスイーツなど、盛りだくさんのメニューは見ているだけでも楽しくなります。
カモシカ食堂(写真)は、丸太町通りからJR嵐山駅方向へ少し入ったところにありますが、10数メートル先の丸太町通りに面したバス停前には、発酵スイーツ専門店「カモシカのお菓子」を営業しています。
レストランでのデザートはもとより、お食事の際に注文しておけば、お帰りの時間に合わせて届けてくれ、持ち帰りも可能です。もちろんスイーツの店にも店内に飲食スペースはあります。
スイーツの糖分は、白砂糖を使わず、甘酒、キビ砂糖、メープルシロップなど、すべて身体が喜ぶ甘味を使用したものです。
目にはみえないけれど確かに存在する微生物の作用による発酵食、「見えないモノの力」を信じ大切にする心がこちらのスイーツにも貫かれていて、その徹底ぶりには驚かされます。詳しくはWEBで。
レストラン「カモシカ」と「カモシカのお菓子」の店はいずれも日曜月曜が定休日。
営業時間は午前11時30分〜午後3時。席数にかぎりがありますので、前もって予約してお出かけください。お菓子の店は午後5時まで営業しています。
レストランでランチを摂ると決めたら、その前後の時間を嵯峨野嵐山方面を散策することをおすすめします。
観光スポットは数えきれないほどありますが、このカモシカから近いお宝スポットは、嵯峨野小倉池から向井去来の落柿舎コースがおすすめです。
小倉池近くの人形工房&カフェビストロ「アイトワ」では、店内で人形絵葉書3枚(300円)を購入すればチケットがわりとなり、人形作家の森小夜子さんの人形展が観覧できます。
養蜂がはじまった春の季節はアイトワガーデンの自由散策はできなくなっていますが、四季折々の花の便りはもとより運がよければ作家本人が庭園で人形の撮影をしているところに行き会うこともしばしばです。
「アイトワ」は営業時間11時〜16時。火曜日定休です。
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(2023/12/5更新)
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