「五足の靴」の軌跡を辿る旅(天草市)〜パアテルさんを尋ねて富岡から大江天主堂へ〜

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「五足の靴」の軌跡を辿る旅(天草市)〜パアテルさんを尋ねて富岡から大江天主堂へ〜

「五足の靴」の軌跡を辿る旅(天草市)〜パアテルさんを尋ねて富岡から大江天主堂へ〜

更新日:2016/05/09 16:27

肥後 球磨門のプロフィール写真 肥後 球磨門

明治の終わりに与謝野鉄幹が4人の文学青年を連れて九州西部を旅行し、紀行文『五足の靴』を投稿しました。クライマックスは、隠れ切支丹の里、熊本県大江村(現天草町)に住み、布教活動に身を挺していた外国人神父に会う旅です。地元信者から「パアテルさん」と呼ばれたフランス人宣教師ガルニエ神父に会うために、「五足の靴」一行が、天草下島西海岸を、富岡から大江教会までの約32qを徒歩で旅した軌跡を辿り紹介します。

憧れのパアテルさんの元へ徒歩で旅した「五足の靴」

憧れのパアテルさんの元へ徒歩で旅した「五足の靴」

写真:肥後 球磨門

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『五足の靴』は、与謝野鉄幹が、北原白秋、木下杢太郎(太田正雄)、平野万里、吉井勇、の学生4人を連れて九州西部を旅した紀行文の題名で、1907年に発表されました。長崎県茂木港から熊本県天草下島の富岡港に上陸した一行は、現在の天草市天草町大江にある大江教会のフランス人宣教師ガルニエ神父に会うため、32kmの行程を徒歩で移動しました。

都会で生活する「五足の靴」一行が天草で見聞きしたすべてが新鮮な驚きと感動そのもので、その体験が数々の素晴らしい詩歌を生みました。当時とあまり変わらない風景を残す彼らの辿った天草下島の地を訪れて、同じ感動を体験してみてはいかがでしょうか。

キリシタンと幕府の壮絶な戦いが繰り広げられた富岡城

キリシタンと幕府の壮絶な戦いが繰り広げられた富岡城

写真:肥後 球磨門

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「五足の靴」一行が上陸した富岡港は九州自動車道松橋(まつばせ)ICからおよそ2時間で到着します。富岡港の近くにある富岡城は、1637年に起こった「島原・天草の乱」で、キリシタン軍と幕府軍の激戦が繰り広げられた場所です。

「五足の靴」が見た富岡城は石垣だけであったと思われますが、現在は、櫓(やぐら)や高麗門等が整備され「島原・天草の乱」当時の姿が蘇っています。本丸跡に整備された「熊本県富岡ビジターセンター」は無料で入館でき、天草下島西海岸を中心とした自然・歴史・文化を知ることができおススメの施設です。

パノラマ視界が美しい夕日のスポット下田温泉

パノラマ視界が美しい夕日のスポット下田温泉

写真:肥後 球磨門

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富岡港から車を利用し、20分ほどで到着するのが下田温泉で、「五足の靴」一行はここで昼食をとります。下田温泉の近くの海岸からは180度のパノラマ視界が広がり、「日本の夕日百選」に選ばれた東シナ海に沈む美しい夕日を鑑賞することができます。
「沸かさず薄めず循環せず」の純粋な天然温泉の下田温泉はおススメで、「五足の靴」一行は昼食だけでしたが、是非、夕食の時間をここで過ごし、夕日観賞と温泉を堪能してみてはいかがでしょうか。

まるで象が歩いているような岩「妙見岩」

まるで象が歩いているような岩「妙見岩」

写真:肥後 球磨門

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下田温泉から5kmほど南下した場所の風光明媚な景勝地「妙見浦」は、雲仙天草国立公園の一部に属し、国の名勝及び天然記念物に指定されていています。写真は妙見浦からおよそ2kmの「十三仏公園」から撮影したもので、まるで象が歩いているかのような妙見岩を見ると心が和んできます。ここからの眺めは歩き疲れた「五足の靴」一行の体を癒したのではないでしょうか。

妙見浦は、妙見岩をはじめとする自然が創りだした芸術的な奇岩が広がる、天草のなかでも指折りの景勝地です。ぜひ「十三仏公園」に立ち寄って妙見浦に広がる自然の造形美を観賞することをおススメします。

大江天主堂

大江天主堂

写真:肥後 球磨門

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妙見浦からおよそ9km、「五足の靴」一行の最終目的地、「大江天主堂」に到着します。5人は大江教会で、地元信者から「パアテルさん」と呼ばれるフランス人宣教師ガルニエ神父に対面します。異国の地でひっそりと信仰を続けているパアテルさんに五人は強烈な印象を覚えたのではないでしょうか。ガルニエル神父は一度も故国に帰ることなく1941年に没するまでこの大江で暮らし、私財を投じて現在もその姿を残す白亜の教会を建設しました。是非ここに立ち寄ってその前に立ち、五足の靴一行とパアテルさんの感動的な対面を思い浮かべてみてはいかがでしょうか。

丘の上に建つ大江天主堂の上り口には「天草ロザリオ館」があり、天草で潜伏した隠れキリシタンの苦難の歴史や「五足の靴」についても展示されているので、大江天主堂見学と供に立ち寄ることをおススメします。

おわりに

現在なら車なら1時間弱で移動できる距離を「五足の靴」一行は額に汗しながら32kmの行程を徒歩で1日かけて移動しました。紀行文の一部に「パアテルさんは未だ遠い遠い」という部分があるように、いかに五人が「パアテルさん」に会いたかったかが伺えます。パアテルさんから見せられた隠れキリシタンの「クルス」は、のちに北原白秋が発表した「邪宗門」で使用されているように、天草の出来事はのちの彼らの作品に影響を及ぼしました。

「五足の靴」一行が歩いた土地を巡り、風光明媚な景色や温泉を堪能するとともに、天草のキリシタン文化に触れてみてはいかがでしょうか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/05/29−2015/05/30 訪問

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