写真:乾口 達司
地図を見る那智の滝は和歌山県南部の那智山山中にある大滝。那智山の奥地から流れ出た水が滝壺に向かって断崖絶壁を垂直に落下していきますが、その落差は何と133メートル!滝壺も10メートルの深さがあり、その堂々たる姿は熊野灘からも眺められるほど。まさしく日本を代表する名滝であるといえるでしょう。
それだけに、古来、那智の滝は多くの人たちから崇拝されて来ました。たとえば、現在、世界遺産となっている熊野那智大社はもとは那智の滝を遙拝する聖地であったと考えられており、その名残りは熊野那智大社の摂社である飛瀧神社(ひろうじんじゃ)が那智の滝を御神体としていることからもうかがえます。写真は飛瀧神社の境内から撮影したものですが、これをご覧いただければ、那智の滝を真下から見上げるような位置に建つ飛瀧神社が那智の滝を御神体として崇めていることが実感出来るでしょう。
写真:乾口 達司
地図を見る那智の滝がいまなお信仰の対象として崇拝されている証は、銚子口(注ぎ口)に張られた注連縄からもうかがえます。注連縄は、古来からの神事にのっとり、毎年7月9日と12月27日に張り替えられます。「御滝注連縄張替行事」と呼ばれるこの行事では、数名の神官が実際に銚子口におもむいて注連縄の張り替えをおこないますが、足を滑らせると、そのまま断崖絶壁を落下してしまうため、きわめて危険。それを命綱なしにおこなうのですから、参拝者はハラハラドキドキの連続です。この日にあわせて那智の滝に出掛けるのも良いでしょう。
写真:乾口 達司
地図を見る銚子口付近に突き出た岩があるため、水流は三筋に分かれて落下します。その姿にちなんで「三筋の滝」とも呼ばれていますが、豊富な水の流れにばかり目を奪われてつい見落としてしまいがちなのが、滝壺周辺の様子。遙拝所よりも高い位置にあるため、滝壺を直接見ることは出来ませんが、ご覧のように、滝壺周辺に堆積した巨石群を目にすることが出来ます。水の流れが岩盤を突き崩した証でしょうか、それとも繰り返し発生した地震によるものでしょうか、いずれにしても気の遠くなるような長い年月のあいだに堆積した巨石群であることは間違いありません。那智の滝が伝える大自然の歴史もあわせてご堪能下さい。
写真:乾口 達司
地図を見る遙拝所の手前には、ご覧のように、那智の滝の水と同じく、那智山の山中から流れ出る天然水をいただける場所があります。手順としては初穂料を奉納し、代わりに飛瀧神社特製の神盃を受け取ります。そして、流れ出る水を神盃に受けて口にするだけ。さすがは天然の水だけあって冷たく、美味しく感じられるはず。忘れずにいただきましょう。
写真:乾口 達司
地図を見る那智の滝を眺める際、是非、おもむいていただきたいのが、青岸渡寺。写真はその境内にある展望台から撮影したものですが、飛瀧神社から見上げたときの姿とは異なるため、また違った印象を持たれることでしょう。
那智の滝の魅力、おわかりいただけたでしょうか。もちろん、那智の滝の遙拝所として発展した世界遺産・熊野那智大社もあわせて参拝し、那智の滝をめぐる信仰にも触れると、その神秘性や歴史的な奥深さをより深く実感出来るはず。実際に当地を訪れ、南紀を代表する観光スポット・那智の滝の魅力を体感して下さい。
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(2024/10/9更新)
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