写真:鶴長 あき
地図を見る台湾中西部、台中市の北に位置する苗栗県にある「龍騰断橋」は、今では珍しいレンガ製のアーチ橋跡。しかもその断裂した姿にはなんともいえない廃墟の中の美しさがあり、見る人をひきつけます。
こちらは日本統治時代の1906年に完工し、機関車用の線路が通る鉄道陸橋として活躍していました。しかし何度かの地震などの災害にあい、今のような断裂した姿になってしまったのです。
写真:鶴長 あき
地図を見るこちらの橋を良く見ると、レンガの大きさも綺麗にそろっていることが分かります。これは当時建築計画した日本人が、わざわざレンガを作る窯から建てて作ったというこだわりが詰まったもの。
そしてこの橋にはなんと、一筋の鉄鋼も、一袋のセメントも使われていません!ただレンガと花崗岩による石灰のみ!残念ながら大地震には負けてしまいましたが、何年も機関車の重みを支え続けてきた緻密で堅牢な工法は、当時の人々の知力の結集を感じることができます。
写真:鶴長 あき
地図を見る橋の奥、崖の部分には上にのぼれる階段があります。上までのぼると、そこは鬱蒼とした林。そして、アーチ陸橋の上の部分を見る事ができます。もちろん陸橋の上は立ち入り禁止ですが、向こう側まで見渡せる景色を見ながら、在りし日の姿に思いを馳せる事ができます。
写真:鶴長 あき
地図を見る長い年月を経て、赤いレンガの廃墟には、植物が根付いています。美しいアーチ状の陸橋は人間が作った素晴らしい芸術ですが、そこに根付く植物の姿も本当に芸術的!まるでラピュタのような独特な世界ですね。
写真:鶴長 あき
地図を見る「龍騰断橋」から車で10分ほどの場所には、台湾西部縦貫線で一番高い場所にある駅として有名な「勝興駅」があります。こちらはもう廃線になっているので、線路に入ることもでき、駅周辺には客家料理の店も多く観光客で賑わっています。
また、この苗栗県三義地区は、油桐花の名所としてとても有名!毎年4月中旬から5月上旬にかけては山が真っ白に染まる美しい様子を見る事ができます。油桐花の詳しい観光ガイド記事は、記事下の「MEMO」欄のリンクよりどうぞ!
いかがでしたか。今回は台湾苗栗県にある「龍騰断橋」をご紹介致しました。鉄道ファンの方なら見逃せないのはもちろん、美しい佇まいは観光地として必見です。日本に残るアーチ橋でも、このように断裂した形でそのまま残っているものはないと思いますので、ぜひ台湾にいらして頂ければと思います。
アクセスとしては、台湾鉄路「三義駅」あるいは「泰安駅」からタクシーで約20分です。陸橋なので正確な住所はありません。タクシーで運転手さんに「龍騰斷橋」と書いた紙を見せれば分かってもらえます。Google Map上にはありますので、そちらを参考にして頂いてもいいです。
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(2024/9/9更新)
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