東京ジャーミイ・トルコ文化センターの歴史は、1917年にロシア革命で弾圧を受けたイスラム教のトルコ系民族タタール人達が、安住の地を求めて日本に渡ったことから始まります。
日本に移住したトルコ系民族タタール人達が礼拝堂を求める動きを続けた結果、1938年に東京回教礼拝堂を開設。半世紀以上に渡ってイスラム教徒の祈りの場となりましたが、老朽化により取り壊され、2000年に東京ジャーミイ・トルコ文化センターとして再建しました。現在は在日トルコ人だけでなく、マレーシアやインドネシアなど東南アジアの人も訪れています。
淡いブルーのドームとミナレット(尖塔)は、伝統的なオスマントルコ様式の建築物で、現地イスタンブールのブルーモスクにも引けをとらない美しさ!モスク内部は中央の大ドームの周りに、6つの半ドームを配置した構造で、中央に柱を立てずに広大な空間を作り上げました。またイスラム教の聖地メッカの方角を向くように、道路に対して斜めに建てられています。
写真:成瀬 亜希子
地図を見る1階入り口付近には、トルコやイスラム芸術の作品展示やメディア掲載告知のコーナー、また食品や雑貨を扱う売店があります。伝統的なトルコ民家の応接間を再現したゲストルーム(写真)では、様々な国の人々が寛いでいるので異文化交流もできますよ。大人数を収容できる多目的ホールでは、イスラムに関する講演会や結婚式などのイベントが行われます。
東京ジャーミイ・トルコ文化センターは、年中無休で朝10時から夜6時まで一般の見学者に開かれていますが、土日の午後2時半から開催される日本語のガイドツアーにも参加できます。自らもムスリム(イスラム教徒)で広報担当の下山さんが、モスクの建築や芸術、イスラム教の歴史や現在など、分かりやすく解説してくれますのでさらに理解が深まりますよ。
イスラム教の礼拝堂という神聖な場所であるため、見学時にはいくつかの注意事項があります。女性は必ずスカーフかストールを巻いて、長袖、長ズボン、ロングスカートなど肌の露出が少ない服装で行きましょう。女性の場合はキャミソール、ショートパンツ、レギンス、男性の場合はタンクトップ、ハーフパンツだと入場できないので気をつけて下さいね。
礼拝堂の中は、天井が高く広々としたドーム空間、緻密なアラベスク模様、色彩豊かなステンドグラスなど、イスラム芸術の粋を極めたものばかり!流麗なアラビア語の書体カリグラフィには、神アッラーの言葉や預言者ムハンマドのメッセージが込められ、礼拝堂の全体に施されています。中央の豪華なシャンデリアも、実はカリグラフィを組み合わせたものなのです。
礼拝時には、前方のミフラーブ(聖地メッカの方角を示した壁の窪み)のほうを向き、絨毯のラインに沿って横一列に並びます。これは神の前では国籍、人種、肌の色、身分差もなく平等になることを意味します。そしてコーランの一節を唱える、両手を上げて胸の前で手を組む、正座する、額ずく(ぬかずく)、深くお辞儀するといった所作を何度か繰り返します。
毎週金曜の集団礼拝には指導者イマームの説教もあり、一度に約800人ほどのイスラム教徒が集まります。お互いの距離が近くなることを配慮して、礼拝堂一階は男性、中二階は女性専用と分かれています。これなら混み合っても集中して礼拝を行うことができますね。
写真:成瀬 亜希子
地図を見るトルコの陶器や食器、モスクのタイルには、チューリップがよく描かれています。チューリップと言えばオランダが輸出国として有名ですが、実は16世紀に原産国トルコから伝わったものなのです。現在の主流は、オランダが品種改良した丸みを帯びたかわいらしい形ですが、元々は茎がスラッと伸びていて花弁の先が尖っていました。
ガイドの下山さんはチューリップの話を例にして「明治以降、日本はヨーロッパを近代化の目標としてきました。そのため現在でもヨーロッパが作り上げたイスラム像の影響を受けています」と指摘。たしかに近年の報道などで、イスラム教は「危ない、怖い」「戒律が厳しい」といったイメージを抱く人も多いのではないでしょうか。
それに対して「イスラム教は『アッサラーム・アライクム(あなたの上に平和がありますように)』という挨拶があるように、誰にでも平等に優しく接します」と本来の姿を説明。1日5回の礼拝や所作の厳しさについても「皆さんが1日3回の食事をとるような日常の習慣として行っています。礼拝の所作は、茶道や華道の礼儀作法にも通じる部分がありまして、イスラム教は『形が持つ美しさ』を重んじているのです」と日本との意外な共通点も明かしています。
日本人にとって「遠い国の宗教」と思われがちなイスラム教ですが、私達の身近なものに置き換えると、理解したり共感できる部分もあるのではないでしょうか。東京ジャーミイはイスラム教について新たな発見や気づきを得る場所なのです。
写真:成瀬 亜希子
地図を見るトルコ文化センターの売店には、日本では入手困難なトルコの食品や雑貨が売られていますので、ぜひお土産に買ってみてはいかがでしょうか?
トルコの代表的なお土産として有名なのがお菓子のロクム。日本の求肥に似たような食感で、ドライフルーツ入り、ピスタチオ入りなど様々な種類のフレーバーを楽しめます。こちらはトルココーヒーやターキッシュティーと合わせていただきたいですね。イスラム教で食べることを許されたハラルフードもあり、一般の方も食べることができますよ。
雑貨の中では、礼拝堂に入るときはもちろん、色やデザインによって普段使いもできるスカーフがおすすめです。お部屋のインテリアとして活躍しそうな、艶やかでエキゾチックなトルコランプにも惹かれてしまいますね!ハンドメイドのチャイグラスやシルバートレーは、一点モノの特別感を味わうことができるので、大切な人へのプレゼントとしても喜ばれそうです。
トルコの素晴らしいモスクを見たいという目的だけでも十分楽しめますが、日本語のガイドツアーに参加してみるとイスラム教やトルコ文化の理解が深まりますよ。さらにイスラム教の人と交流すれば、新たな発見や気付きがあるかもしれません。夏のラマダン期間には「イフタール」という断食明けの食事も提供してますので(要予約)ぜひ参加してみて下さいね。
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(2024/9/10更新)
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