東京三田の歴史ある老舗商家「津国屋」で味わうお手頃グルメ

東京三田の歴史ある老舗商家「津国屋」で味わうお手頃グルメ

更新日:2017/06/01 16:45

東京・三田の慶応義塾大学のすぐそばにある「津国屋」は築123年の明治の情緒を色濃く残す歴史的建造物です。
昼に訪れてお手頃な価格設定でボリューム満点のランチを堪能するもよし、各地の日本酒が豊富に揃った大衆酒場となる夜に、歴史的建造物の雰囲気と和風、洋風の肴を味わうもよし。
学生からOL、サラリーマン、地元の人に愛される人気のお店をご紹介いたします。

明治の商家の風情を色濃く残す、港区の歴史的建造物!

明治の商家の風情を色濃く残す、港区の歴史的建造物!
地図を見る

三田の慶応義塾大学の正門から西へ歩いて2分ほどの場所に明治期の商家として今も風情を色濃く残す建物があります。明治元年(1868年)に高輪の津国屋本店から分家して創業した津国屋(つのくにや)。酒屋としてスタートを切りました。

現在の建物は明治26年(1893年)に建築。2016年で築123年を迎えました。

木造2階建てのこの建物は、江戸時代より大正時代までの商家によく見られる、軒先を大きく前面に張り出すようにした「出桁(だしげた)造り」と呼ばれる古式構造で建築され、東京都港区の歴史的建造物となっています。
また、建物の正面右手には昭和40年代まで土蔵が隣接していたといい、お酒の保管はその土蔵で行ってきました。

ボリューム満点のランチにノックアウト!

ボリューム満点のランチにノックアウト!
地図を見る

50年ほど前から角打ち(酒屋での立ち飲み)をはじめ、平成13年(2001年)にリニューアルをして現在の居酒屋に変わりました。そんな歴史を感じる旧商家でのランチタイムには数種類の定食が用意をされており、そのコストパフォーマンスにはビックリさせられます。

ランチの内容とお値段は日によって異なりますが、写真のとんかつ定食のようなボリューム満点のメニューが5〜700円台程度で並びます。あらかじめゴハンの量を聞いてくださるので、女性や少食の方にもご安心ですね。

酒屋だった強みを生かした豊富な品揃え。

酒屋だった強みを生かした豊富な品揃え。
地図を見る

夜は日本各地の銘酒が堪能できる居酒屋になります。元が酒屋さんだっただけに、豊富な品揃えとお手頃価格で提供をしてくれるため、お昼同様にお財布には優しい居酒屋です。

また、洋食店で修業をされた旦那さんのお料理は和洋どちらも絶品。17時30分の開店時間より常連客で賑わうため、人気メニューはあっという間になくなってしまいます。
歴史的建造物で美味しい料理に舌鼓を打ちながら、各地のお酒を堪能してみてはいかがでしょうか。

おなかが一杯になったら歴史散策がオススメの綱坂と街並み。

おなかが一杯になったら歴史散策がオススメの綱坂と街並み。
地図を見る

津国屋の裏手には慶應義塾中等部があり、その先には綱坂という長く緩やかな坂があります。この辺りはかつて大名屋敷街でした。幕末にはフェリーチェ・ベアトというイタリア人写真家が、この地に並ぶ大名屋敷とその大名屋敷前で警備に立つ武士たちの写真を撮った場所として有名なスポットです。

写真左側の慶應義塾中等部の場所から信号の先辺りまでが、陸奥国会津藩・松平肥後守の下屋敷があった場所。幕末に京都守護職(新選組の上司)に任じられた松平容保は有名ですね。

写真左のその奥は現在、三井グループの迎賓館・綱町三井倶楽部の敷地ですが、江戸時代は日向国佐土原藩・島津淡路守の中屋敷、写真右側の慶応義塾大学の敷地は肥前国島原藩の松平主殿頭の中屋敷でした。

写真右奥の坂の中腹辺りから上は現在、イタリア大使館の敷地となっていますが、江戸時代は伊予国松山藩・松平隠岐守の中屋敷だったところ。江戸時代の半ば、忠臣蔵で有名な大石主税、堀部安兵衛ら元赤穂藩士10名が切腹した場所です。当時のまま残されている庭園では、駐日イタリア大使が毎年供養をされているそうです。

坂を上ると、鹿鳴館などで有名な建築士のジョサイア・コンドルが設計した近代建築物(綱町三井倶楽部・非公開)も目にすることができ、ちょっとした歴史散策によいです。

おわりに

昼も夜もどちらも満足できるのですが、ランチ時に訪れるのがオススメです。明治期の商家の風情を色濃く残すお店の雰囲気の中で、ボリュームたっぷりの定食を食べた後、かつての大名屋敷が軒を連ねた坂と街並みをゆっくり散策するのはいかがでしょうか。

特にこれからの暖かくなる時期は食後の散歩にぴったりですよ。江戸時代の雰囲気が残る坂道や街並み、大正時代の近代建築物で歴史を感じながらの散策は、きっと心をリフレッシュさせてくれること間違いありません!

【津国屋の営業時間】
昼の部:11時30分〜14時(ラストオーダーは13時30分)※水・土・日曜と祝日定休
夜の部:17時30分〜22時(ラストオーダーは21時30分)※土・日曜と祝日は定休

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/03/10 訪問

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -