写真:Hiroko Oji
地図を見るスイス・エンガディンのサンモリッツから南西へ向かうと、サンモリッツ湖に続いて壁絵やお花が溢れるチャンプフェーの集落、さらにチャンプフェー湖、そして1本の橋で隣り合うシルヴァプラナ湖・・・と次々に素晴らしい風景が続きます。この橋の西側に、色とりどりのお花とエンガディン独特の手法で描かれた装飾画で飾られた美しい家並みが広がる村があるのです。その村の名は「シルヴァプラナ(Silvaplana)」。
家屋の外壁を飾る装飾画は、スグラフィッティと言って、エンガディン地方に伝わる伝統的なもの。壁の表面を金属でひっかくようにして、色の違う漆喰を何層か作って塗り込めてある下地を見せることにより模様を描くという手法で描かれています。特に窓や入口周りを飾る模様の多様さで、目を楽しませてくれます。
写真:Hiroko Oji
地図を見るシルヴァプラナ湖の周りは広い草原で囲まれ、さらに4000メートル級の山々が取り囲む風光明媚な一帯で、湖畔にはポツンとお城が建っています。
この湖では毎年ウインドサーフィンの世界選手権が開かれるほど。夏には水上スポーツのメッカとして、ウインドサーフィンをはじめヨットや水上スキーなどを楽しむ多くの人々が集まってきます。西の端にあるシルス湖畔のマローヤ村、その方向から吹いてくるマローヤウインドと呼ばれる風が、これらの水上スポーツに最適なんだそうです。また、冬は湖面が全面的に氷結するので、クロスカントリースキー場として利用され、犬ぞりのコースも設定されるなど、一年を通して楽しめるリゾート地です。
昼間はたくさんの人々が溢れる湖も、早朝にはひっそり物静かな時間が流れており、運が良ければ、湖畔にはうっすらと霞がかかり、写真(※)のような幻想的な風景に浸ることもできます。
※ シルヴァプラナ湖畔から見たチャンプフェー湖
写真:Hiroko Oji
地図を見るシルヴァプラナ湖とその南西に水路で続くシルス湖との間にあるのが、シルス・マリア(Sils-Maria)村です。
村の手前にはロープウェイ乗り場があり、標高2311メートルのフルチェッラス山頂まで、手軽に上ることができます。山頂駅にはレストランが隣接されており、そのテラス席からは、4つの湖とアルプスの山並みが見渡せます。ここからハイキングコースがたくさん用意されており、西のフェックス谷までは、アルプスの山々はもちろんのこと、色とりどりの高山植物を眺めながらのんびり歩くことができます。フェックス谷は広々とした牧草地で草を食む馬の姿も眺められながら歩くことができますが、馬車でシルス村に帰ってくることもできます。
写真:Hiroko Oji
地図を見るシルス・マリア村は、湖を挟んで街道沿いに広がるバゼーリア地区と山側にあるマリア地区の二つに分かれています。村内は住民以外の車を締め出しており、のんびり歩くのに最適!車で来た人は村の入り口にある駐車場に置いてから歩きましょう。又村内を走る馬車を利用するのもお薦めです。
マリア地区には、尖塔のある教会に続き、哲学者のニーチェが病気の療養のために気候のよい土地を求め、1881年から8年間の夏を過ごした家があります。豊かな緑の中に建つ家は当時のまま残されていて、現在は記念館として公開され、ニーチェの部屋など見ることができます。
この村はスポーツ施設が整っており、テニスやゴルフなどが楽しめます。また、フェックス谷のハイキングをはじめ、お花が咲き乱れる川沿いに歩いてバゼーリア地区からマローヤ方面へのハイキングもできます。特に川沿いは緑地帯と遊歩道が続き、お花がいっぱいのショップやホテル・レストランなどが入る美しい家屋が建ち、そぞろ歩きにぴったりです。
写真:Hiroko Oji
地図を見るシルヴァプラナ湖南側に広がるスールレイ(Surlej)村のロープウェイ乗り場から、有名な展望台「コルヴァッチ(Corvatsch)」に上ってみましょう。ここからは、足元の谷に連なる4つの湖だけでなく、サンモリッツをはじめオーバーエンガディン全景を見渡せ、人気のあることが納得できます。
中間駅のムルテル(Murtel)からスールレイ峠を通り、反対側の谷・ロゼック(Roseg)谷まで、整備されたハイキングコースが延びています。ベルニナアルプスの最高峰・標高4049メートルのピッツ・ベルニナなど雄大な山々と、迫力あるロゼック氷河を眺めながら下るコースで、常にロゼック谷が見渡せます。
谷底にはホテル・ロゼック・グレッチャーがあり、ここのレストランでは、前を流れる川と共に奥に控える氷河を眺めながら郷土料理が楽しめます。ホテル前では馬車が待機していますので、ポントレジーナまで馬車を利用するのもお薦めです。ロゼックの谷は緩やかな下りが続きますので、お時間と体力に余裕があれば、このまま川沿いに歩いてポントレジーナまで歩くとよいでしょう。水の流れる音を心地よく聞きながら、途中にはアスレチックの遊具も置かれていて遊び気分で歩けます。
このオーバーエンガディン地方の各村々には、それぞれ素敵なホテルやお宿がたくさん建ち並んでいます。宿泊料金の高いサンモリッツに滞在するところを、少しイタリア方面に足を延ばしてオーバーエンガディンの小さな村で探してみると、かなりお得な料金で、設備の整ったお部屋に充実した内容の朝食など、納得のできる滞在が楽しめるはず!
また、サンモリッツと同様、2泊以上の宿泊で、お得な「エンガディン・インクルーシブカード」が発行されます。このカードは、サンモリッツからイタリア国境までのバスやロープウェイ、ゴンドラリフトに無料で利用できるので、物価高のスイスにおいては、お財布に大変優しいシステムです。ぜひ2泊以上で、このラッキーなカードをゲットして、有効にお使いくださいね。
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(2025/2/11更新)
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