写真:Hiroko Oji
地図を見るスイス・エンガディンのサンモリッツからオーストリア・チロルの交通の要衝地ランデックに抜ける景勝ルート「エンガディン・エキスプレス」は、渓谷美を楽しめるコースとして人気があります。そのルート上にある村の一つ「ナウダース」は、日本人には馴染みが薄いのですが、オーストリアの風光明媚な村で、宿泊施設もたくさんあるリゾート地です。
周りを緑豊かな山々に囲まれ、谷に建ち並ぶ民家には壁絵や色とりどりのお花が飾られ、広場にはこれもお花が溢れる水場が設けられています。冬になるとスキーのゲレンデとなる斜面は、夏にはお花畑や牧草地となり、格好のハイキングコースが四方八方に延びています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る村の郵便局前にはバス停とインフォがあり、ホテルやレストランの建ち並ぶ中心地から民家の建ち並ぶ坂道を上って行くと、村を見渡す小高い丘の上に出ます。その一角の広場前に、天を突くような尖塔のあるザンクト・レオンハルト教会が建っています。
教会入り口の木の扉のレリーフや教会内にある3つの祭壇に14世紀のフレスコ画は素晴らしいものです。広い敷地の墓地は日本のお墓の暗いイメージとは全く違って、陽光に輝く色とりどりのお花が溢れ、素晴らしい風景が見渡せます。不謹慎かもしれませんが、まるで展望台のような眺めが得られます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る谷を挟んでザンクト・レオンハルト教会と斜めに向かい合う位置にあるのが、ナウダースのお城です。門をくぐってスロープを上ると建物の入り口にレストランがあります。内部は城博物館として公開されていますが、ガイドツアーでの見学となります。家具や台所用品から中世の生活の様子がわかるように再現されており、拷問室として使われていた部屋も見ることができます。
ガイドツアーは火・木曜日の16:30、日曜日の10:30と16:30と限られていますので、ご注意ください。
写真:Hiroko Oji
地図を見るナウダースにはたくさんのハイキングコースがあるのですが、そのうちの一つ、ザンクト・レオンハルト教会の少し上からハイキングコースに入ると、谷を見下ろしながら南のイタリア方面へ向かって、美しい風景の中を歩くことができます。
このコースは斜面の中程を進む高低差のあまりないもので、とても歩きやすいコースです。途中からは教会とお城を見下ろす素晴らしい風景が堪能できます。南方向へ進んでいくと、やがてナウダース・ベルグカステル(Nauders-Bergkastel)のゴンドラ乗り場に到着します。ここからゴンドラに乗って山上へあがってもよいのですが、先ずは南のイタリア方面に向けて進んでいきましょう。長閑な広い牧草地の中を進み、歩き始めて1時間半ほどで車道に合流すると、峠のオーストリアとイタリアの国境の看板が見えてきます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る標高1455メートルのこの峠はレスチェンパス(Reschenpass)もしくはパッソ・レジア(Passo Resia)といって、レストランの建物もあります。この後イタリア領に入って車道沿いに歩くこと20分ほどで、陽光溢れるレジア(Resia)湖に到着です。湖畔には遊歩道があり、お城のような建物が建っています。内部はホテル・レストランとなっており、テラス席を陣取って一休みするにはもってこいのロケーション。対岸にはゴンドラ乗り場が見えますので、こちらから山上に上がって風景を楽しむのもよいでしょう。
帰りは湖畔のバス停からバスに乗ってもいいし、牧草地の中のサイクリングコースを歩いてもよいし、体力とお時間に合わせて楽しんでくださいね。このバスはイタリアのマレス(Malles)とオーストリアのナウダースを結んでいて、マレスからは鉄道に乗り換えてメラーノ(Merano)、さらにはボルツァーノ(Bolzano)まで行くこともできます。
ナウダースは、観光地によくある見どころと言ったものはなく、しいていうならば、お城と教会以外は風光明媚な風景そのものだといえばよいでしょうか。であるにもかかわらず、この田舎町は、実はスイスとオーストリア、さらにはイタリアを結ぶ交通の要衝地なのです。小さなポスト前のバス停がその乗り継ぎとして利用され、スイスのシュクオール、オーストリアのランデック、イタリアのマレスの3方向へのバスが発着しています。それにしても、あまりにも小さいバス停なので、見落としてしまいそう。インフォとポストを目印にご利用くださいね。
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(2024/12/13更新)
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