温泉街でしか買えない人気作家の本!?兵庫県城崎「本と温泉」プロジェクトが面白い

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温泉街でしか買えない人気作家の本!?兵庫県城崎「本と温泉」プロジェクトが面白い

温泉街でしか買えない人気作家の本!?兵庫県城崎「本と温泉」プロジェクトが面白い

更新日:2016/04/18 18:33

野水 綾乃のプロフィール写真 野水 綾乃 温泉ライター、安くていい宿案内人

兵庫県城崎温泉は、志賀直哉の小説『城の崎にて』に代表されるように、多くの文豪に愛され、作品の舞台になった「文学のまち」。そんな温泉地で2013年よりスタートした「本と温泉」プロジェクトをご存知でしょうか。万城目学、湊かなえ、という今を感じさせる人気作家が城崎をテーマに作品を書き下ろし、その本が温泉街だけで限定販売されているのです。一冊の本をきっかけに、いつもとは違う温泉旅を楽しんでみてはいかが。

文学で再び、温泉街を盛り上げたい

文学で再び、温泉街を盛り上げたい

写真:野水 綾乃

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兵庫県の日本海側に位置する名湯、城崎温泉。歴史を重ねた太鼓橋がいくつも架かる大谿川沿いに温泉街が形成されていて、両岸にはしだれ柳と風情ある木造旅館が続いています。

明治から昭和にかけては、志賀直哉をはじめ、島崎藤村、有島武郎、与謝野晶子ら多くの文豪が城崎を訪れ、作品にその名を残しました。しかし近年では、外湯めぐりや冬の松葉ガニがクローズアップされ、「文学のまち」のイメージが薄らいでいるように思われていました。

「城崎と文学」を今の時代にもう一度アピールしよう。2013年の志賀直哉来湯100年を機に、温泉街の若手経営者が集まり、立ち上げたのが出版レーベル「本と温泉」なのです。

地産地消ならぬ、地産地読の本

地産地消ならぬ、地産地読の本

写真:野水 綾乃

「本と温泉」の本は、城崎に来ないと買えません。大手出版社から発売された本は全国の書店で手に入り、インターネットでクリックすればすぐに家に届く時代です。そんな便利な時代だからこそ、あえて不便な方法で、城崎ならではの読書体験を楽しんでもらいたい。温泉地で生まれた本を温泉地で読む、「地産地読」の面白さがあります。

たとえば第一弾に発売された『城の崎にて/注釈・城の崎にて』(写真左)は、志賀直哉の『城の崎にて』に仔細な解説を加えてまとめたもの。浴衣の袖の中に入れて持ち歩けるサイズで、作品の舞台を一緒に辿ることができます。『城崎裁判』(写真右)では、作者の万城目学さんが志賀直哉の定宿「三木屋」に実際に滞在して物語を完成させました。温泉に浸かりながらでも読めるよう、耐水性の高い紙とタオル地のカバーでできています。

温泉街の喧騒を忘れさせる「なおや散策の道」

温泉街の喧騒を忘れさせる「なおや散策の道」

写真:野水 綾乃

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『注釈・城の崎にて』を携えて歩きたいのが、木屋町通り。旅館「三木屋」の裏手にある通りで、志賀が滞在中に好んで散策していたことから「なおや散策の道」とも呼ばれています。『城の崎にて』は、蜂やイモリといった生きものの死に、自らの生死を重ねて綴られた物語。静かな小川沿いの小径を散策すれば、そんな生きものたちがひょっこり顔を覗かせるかもしれません。春は桜の名所として、初夏にはホタルの乱舞を間近に見ることができます。

主人公が不思議な体験をする外湯「まんだら湯」

主人公が不思議な体験をする外湯「まんだら湯」

写真:野水 綾乃

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お風呂の中でも楽しめる仕様の万城目学『城崎裁判』は、せっかくなので城崎名物の外湯で読んでみてはいかがでしょうか。写真は作品の中にも登場する「まんだら湯」の露天風呂。城崎温泉の7つの外湯は、旅館の大浴場のような趣向を凝らした造りをしていて、それぞれに個性があります。『城崎裁判』にはほかにも「一の湯」や「鴻の湯」が登場。主人公が過ごした時間をなぞるように、湯めぐりを楽しむのも一興です。

素敵なライブラリーを備えた旅館も

素敵なライブラリーを備えた旅館も

写真:野水 綾乃

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万城目さんも『城崎裁判』の執筆のために滞在した、志賀直哉ゆかりの旅館「三木屋」は、歴史ある文化財の建物の雰囲気を残しながら、2014年にリニューアル。新しい宿の顔のロビーには、ライブラリー空間が一角に設けられています。「本と温泉」プロジェクトにも参加しているブックディレクター幅允孝さんがセレクトした約250冊の本が並んでいます。

本の購入は温泉街の旅館や土産店へ。そして第三弾の作者はあの人!

「本と温泉」の各本は、温泉街の旅館や土産店、外湯などで販売されています。詳しくはMEMOの「本と温泉」公式サイトでご確認ください。

待望の出版企画第三弾は、湊かなえ『城崎にかえる』。湊さんにとって城崎は、毎年冬になると家族で訪れていた大切な場所なのだそう。そんな自身の思い出も物語の中に反映されるかも、と思うとますます楽しみです(2016年中の出版予定)。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/01/13−2016/01/14 訪問

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