スイス〜オーストリアの景勝ルート「エンガディン・エクスプレス」

スイス〜オーストリアの景勝ルート「エンガディン・エクスプレス」

更新日:2021/09/08 15:57

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
スイス高級リゾートのサンモリッツとオーストリアの交通要衝地ランデックを結ぶ「エンガディン・エクスプレス」は、渓谷美を楽しめる景勝ルートとして人気のあるルートです。

途中にある山間にひっそりと佇む村や町は、観光地化されていないものの宿泊施設も豊富。山や川の自然に溶け込む家並みが美しく、ハイキングコースも充実しています。長閑で風光明媚なこのルートは、鉄道と路線バスで訪れることができます。

新型コロナウイルスの発生と感染拡大に伴い、海外渡航が難しい状況です。各種報道機関の発表や外務省、各航空会社のホームページなどで最新情報をご確認ください。(トラベルjp)

スイスの高級リゾート地「サンモリッツ」

スイスの高級リゾート地「サンモリッツ」

写真:Hiroko Oji

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スイスとオーストリアを結ぶ景勝ルートは「エンガディン・エクスプレス」と名付けられた人気の高いルート。スイスのサンモリッツとオーストリアのランデックを結んでおり、イン川沿いの渓谷美が楽しめる人気の高いルート上には、スイスとオーストリアの風光明媚な町や村が点在しています。ここではスイス有数の観光地サンモリッツからスタートするコースをご紹介します。

スイス北東部に広がるエンガディン地方は荒々しいアルプスとは異なり、穏やかな高い山並みと輝く湖や雄大な氷河の風景を楽しめる地域。この地方にあり、エンガディン・エクスプレスの出発点となるサンモリッツは、冬はスキーなどのウィンタースポーツ、夏はハイキングや湖でのウォータースポーツを楽しむ起点となる高級リゾート地で、宿泊施設が充実しています。

スイスの高級リゾート地「サンモリッツ」

写真:Hiroko Oji

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サンモリッツ湖が目の前に広がる鉄道駅は、氷河急行やゴールデンパスラインと共にスイスを代表する3大急行の一つ。サンモリッツとイタリアのティラノを2時間ほどで結び、世界遺産にも登録されている、ベルニナ急行の発着地点でもあります。

スイスの高級リゾート地「サンモリッツ」

写真:Hiroko Oji

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エンガディン・エクスプレスのルートの始まりは、このサンモリッツ駅。ここから列車に乗り、シュクオールまで移動することになります。途中には氷河水の流れ込んだ川沿いの緑豊かな風景や、森林限界を超えた山並み、遠くに雪を頂いた岩山を眺めることができます。絶景を楽しみながらの移動は感動ものです。

スグラフィッティの美しい家並み「シュクオール」

スグラフィッティの美しい家並み「シュクオール」

写真:Hiroko Oji

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シュクオールは谷底を流れるイン川を見下ろす位置に町並みが広がり、周囲を3000メートル級の山々に囲まれたスキーリゾート地。ローマ時代から湧き出る温泉と高原特有の澄み切った空気が療養に向くことで名を知られてきた町です。

現在、冬は全長80キロメートルにも及ぶスキーコースで人気が高く、夏場はハイカーたちが集まる地。近郊のタラスプ城が町のランドマークになっています。

スグラフィッティの美しい家並み「シュクオール」

写真:Hiroko Oji

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シュクオールの町では、美しい壁の装飾画と色とりどりのお花で飾られた建物が、石畳の通り沿いに軒を並べます。

この壁を飾る装飾画はエンガディン地方の伝統的なもので「スグラフィッティ」と呼ばれています。壁の表面を金属でひっかくようにして色の違う漆喰を何層か作り、塗り込めてある下地を見せることにより模様を描く独特の手法が使われています。このような壁絵装飾を見て歩くだけでも楽しいですよ。

スグラフィッティの美しい家並み「シュクオール」

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シュクオールからは鉄道は通っていませんので、オーストリア方面へはバスで移動することとなります。

駅そばのバス停からオーストリア方面へ向かう黄色い車体にラッパマークの描かれたポストバス。イン川にそってバスは走り、やがて山間にあるマルティナという国境近くの町でバスを乗り継ぎ、さらに高度を上げていきます。

オーストリアの小さな村「ナウダース」

オーストリアの小さな村「ナウダース」

写真:Hiroko Oji

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山間にひっそり佇むナウダースは、スイスとオーストリアに加えてイタリアにも通じる昔ながらの交通の要衝地。家並みが広がる谷を挟んで教会とお城が見守るように丘の上に建つ、宿泊施設の充実した村です。

オーストリアの小さな村「ナウダース」

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ナウダースには、白壁に美しい壁絵が施され、バルコニーや窓際には色とりどりのお花が飾られた家屋が並ぶ集落があります。ここから数十メートル離れるだけで見られるのが、山の麓に広がる緑豊かな草原。

たくさんのハイキングコースが設けられており、小高い山の斜面上にある歩きやすいコースからはお城や教会を見下ろせ、長閑な風景が堪能できます。

オーストリアの小さな村「ナウダース」

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ナウダースのハイキングコースの一つから南へどんどん進むとイタリア領に入ることができます。

長閑な広い牧草地の中を進み、歩き始めて1時間半ほどで車道に合流。峠のオーストリアとイタリアの国境の看板を越えてさらに歩くこと20分ほどで、陽光溢れるレジア湖に到着します。湖畔には遊歩道があり、お城のような建物が建っています。内部はホテル・レストランで、テラス席を陣取って一休みするにはもってこいのロケーション。対岸にはゴンドラ乗り場が見えますので、こちらから山上に上がって風景を楽しむのもよいでしょう。

鄙びた家並みが魅力の「プフンツ村」

鄙びた家並みが魅力の「プフンツ村」

写真:Hiroko Oji

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ナウダース村からバスに乗り北東に20分ほど行けばプフンツ村。ナウダースに比べて小規模ですがオーストリアの美しい村のひとつです。エンガディン・エクスプレスの景勝ルート上ではありますが、比較的ひっそりとしています。

周囲を緑豊かな山並みで囲まれ、ハイキングコースが延びています。川を隔てて比較的新しい建物が建ち並ぶシュトゥーベン地区と昔ながらの家並みが続くドルフ地区の二つに分かれる村には、お花と壁絵が美しい家屋が軒を並べています。シュトゥーベン地区はとんがり屋根の教会、ドルフ地区は玉ねぎ頭の教会が目印となります。

鄙びた家並みが魅力の「プフンツ村」

写真:Hiroko Oji

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二つの地区の間にはイン川が流れ、架かる橋の上には写真のような祠が設置されています。ドルフ側の橋の上にはいくつも並ぶ窓周りの壁画装飾が美しい歴史的な建物が跨ぐようにして建っており、奥には民俗博物館が。のんびりお散歩気分が楽しめます。

鄙びた家並みが魅力の「プフンツ村」

写真:Hiroko Oji

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シュトゥーベン地区のメインストリートは村きっての繁華街。といっても端から端まで歩いても10分もかからないほど。数軒のホテルや教会、スーパーマーケット、野外ステージ、音楽学校などが並び、マルティナとランデックを結ぶバスの停留所があります。

鉄道とバスの乗り継ぎ地「ランデック」

鉄道とバスの乗り継ぎ地「ランデック」

写真:Hiroko Oji

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スイスのサンモリッツから始まったエンガディン・エクスプレスの終点はオーストリアのランデック。古都で人気のあるインスブルックからイン川に沿って西へ60キロメートルほどの位置にある交通の要衝地です。

山並みに囲まれ谷底をイン川が流れるランデックの中心地には、各地から集まるバスターミナルがあり、ナウダースやプフンツからのバスもここに到着します。大通りや路地沿いには壁絵や壁面装飾が美しい建物やパステルカラーで塗り分けられた建物が建ち並びます。凝ったデザインのアイアン製看板がぶら下がる町並みはお散歩しても楽しいですよ。

鉄道とバスの乗り継ぎ地「ランデック」

写真:Hiroko Oji

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イン川を見下ろす町外れの小高い山には、郷土博物館となっているランデック城があります。13世紀の城塞建築で、礼拝堂には16世紀前半のフレスコ画が残ります。また、この地方に伝わる宗教具や装飾品に加えて、中世の台所や居間、木彫り装飾の美しい家具・調度品、伝統的な衣装などを見ることができます。

しかし何といっても最上階の展望室から眺める、周辺の緑豊かな中を川が流れ、チロル地方の家屋が点在する風景は格別です。

鉄道とバスの乗り継ぎ地「ランデック」

写真:Hiroko Oji

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スイスからスタートしたエンガディン・エクスプレスはこのランデックでゴールを迎えます。

ランデックの鉄道駅は町の中心地とは約1キロメートルほど離れていますので、路線バスを利用すると楽に移動でき、オーストリアでの旅の楽しみはさらに続きます。

列車とバスを乗り継ぐ景勝ルートを楽しもう!

エンガディン・エキスプレスというルートは、列車とバスを乗り継いで訪れることができる景勝ルート。スイス領のサンモリッツ〜シュクオール間のウンター・エンガディン地方では列車移動、シュクオールからは駅前のバス停からバスに乗り、オーストリアとの国境近くのマルティナとナウダース村でバスを乗り換えてランデックまで移動するというルートです。

このルートは一気に移動してしまうのがもったいないほど自然に癒されること間違いなしの地域。ぜひ途中の村や町で宿泊して、ハイキングや滞在を楽しまれることをお薦めします。スイス領内ではスイスパスが有効ですが、オーストリア領内に入ると利用できません。スイスフランだけでなく、ユーロでの小銭の用意もお忘れなく!

2021年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2008/07/27−2019/07/18 訪問

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