1000年の時を超えて!大分県臼杵市・国宝「臼杵石仏」は謎と伝説に包まれた石仏群

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1000年の時を超えて!大分県臼杵市・国宝「臼杵石仏」は謎と伝説に包まれた石仏群

1000年の時を超えて!大分県臼杵市・国宝「臼杵石仏」は謎と伝説に包まれた石仏群

更新日:2016/05/14 10:40

肥後 球磨門のプロフィール写真 肥後 球磨門

大分県臼杵市に、なだらかな里山の岩壁を掘って造られた60体以上の石仏が存在しています。どれも木彫りのような滑らかで穏やかな表情をしていて、そのうちの59体が国宝に指定されています。この石仏群は、詳しい史料が残っていないため、いつ誰によって造られたのか明らかでなく謎につつまれています。
1000年の時を超え、謎を秘めながら当時の信仰の証しとして今に残る、国宝「臼杵石仏」を紹介します。

今なお鮮やかな色彩が残る「地蔵十王像」

今なお鮮やかな色彩が残る「地蔵十王像」

写真:肥後 球磨門

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国宝「臼杵石仏」は、JR臼杵駅から野津方面行きバスでおよそ20分の「臼杵石仏バス停」で降りてすぐ、また東九州自動車道臼杵ICから国道502号線を野津方面へ向かえば、およそ5分で到着できます。

石仏は、ホキ石仏第一群、ホキ石仏第二群、山王山石仏群、古園(ふるぞの)石仏群の4つの群に分かれ、60体以上の石仏は雨に晒されないよう屋根で覆われ保護されています。4群の中で特に壮観なのは「ホキ石仏第一群」で、ここには20数体の磨崖仏が並んでいます。中でも地蔵菩薩の両脇に十王像が並ぶ「地蔵十王像」は、まるで木彫りのような精巧さで、その滑らかで優しい姿と、1000年の時を超え今なお残る鮮やかな色彩に惹きつけられます。

臼杵石仏のシンボル「大日如来像」

臼杵石仏のシンボル「大日如来像」

写真:肥後 球磨門

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古園石仏群は、大日如来像を中心とする臼杵石仏の中心的存在で、通称「古園十三仏」とも、「大日山石仏」とも呼ばれています。平安後期に造られたとされる大日如来像は、日本の石仏の中でも最高傑作の一つといわれています。ふくよかな耳と切れ長の伏し目を持つ穏やかな顔からは優しくそして神秘的な雰囲気が漂っています。

大日如来像の頭部は国宝に指定される前までは、仏体から離れた状態で台座に安置されていました。その状態が、市民が愛する臼杵市のシンボルとなっていたのですが、頭部を仏体と繋ぐことが国宝に指定される条件だったため修復が行なわれ、昔日の姿に戻りました。
現地では仏頭が台座にあった当時の写真が掲示されているので、どちらが好きか、ぜひ見比べてみてください。

石仏の里にある謎の「深田の鳥居」

石仏の里にある謎の「深田の鳥居」

写真:肥後 球磨門

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石仏の里の入り口、深田地区の田んぼの中に、地中に埋没した石造りの鳥居が立っていて「深田の鳥居」と呼ばれています。
江戸時代に修復されたことが記録から確認されていますが、建立の時期などを記す史料が全く存在しないため、どうして石仏の里の入り口に建っているのか謎となっています。昭和の調査で額束(がくづか)にかすかに「王」の文字が刻まれていることが分かり、このことから臼杵石仏と関係がある日吉神社の鳥居ではないかと推察されました。しかし、明確な結論は出ず今なお謎に包まれています。

地中に埋もれ田園地帯にぽつんと立つ鳥居がある景観を眺めていると、鳥居が建立した時代を想像しながら歴史ミステリーの世界に引き込まれていきます。

鼻が削がれた仁王像

鼻が削がれた仁王像

写真:肥後 球磨門

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石仏群のある里山から広がる石仏公園周辺にも見所があります。満月寺(まんがつじ)の仁王像もそのひとつで、鎌倉末期から室町初期の作といわれ、国指定特別史跡に指定されています。仁王像といえば背が高く見上げないと顔を拝めませんが、この仁王像は太もものあたりまで土に埋まっているため、見上げる必要はありません。顔に手が届いたことが災いしたのか、昔、「仁王像の鼻を削って煎じて飲むと疫病に効く」といわれ、鼻が完全に無くなってしまいました。怖い仁王様のイメージがなくなってどこか愛嬌のある顔立ちになっています。

仁王像の近くには、臼杵石仏を造らせたのではないかと伝説に残る真名長者(まなのちょうじゃ)夫婦の石像や、真名長者のもとで石仏を彫ったと伝えられる蓮城(れんじょう)法師像も残されているので、石仏見学とあわせてこの場所を訪れてみてはいかがでしょうか。

おわりに

臼杵石仏と同じ大分県内にある国東半島は「仏の里」と呼ばれるように仏教が発展した地域で、多くの磨崖仏が点在しています。その国東半島から遠く離れた臼杵の里山に、なぜこのような日本を代表する石仏群が出来たのか、今なお未解明のままです。
地元には、「真名野長者伝説(炭焼き小五郎伝説)」も残り、謎と伝説に包まれた臼杵石仏で歴史ミステリーロマンに触れてみてはいかがでしょうか。

臼杵市中心部には、キリシタン大名「大友宗麟」が築城した臼杵城址や臼杵藩主の下屋敷「稲葉邸」、さらに安土桃山時代から続く歴史ある商店街「八町大路」や城下町特有の面影が残っている「二王座歴史の道」もあるので、あわせて散策することをおススメします。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/10/17 訪問

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