ヘルクロッテンは、バールのロルツェ川の地下水と雨水の溶食によって出来た自然洞窟です。ロルツェ川は、ツーク州にある小さなエグリ湖から流れています。
何千年もの間の溶食によって、地面に溜まった石灰が洞窟内の天井から垂れ下がって出来るのが鍾乳洞、石灰が特殊な形で固まっているのが石灰洞など、洞窟の定義は複雑ではありますが、ヘルクロッテンではそれぞれの洞が様々な形や色を作り出しています。ヘルクロッテンの詳しい情報はMEMOのリンクをご参照ください。
スイスは水の豊かな国ですが、ここバールもきれいな水に恵まれた町です。バールのビールメーカー、バールビールは、ヘルクロッテンの湧き水のみでビールを作っています。知る人ぞ知る、グルメビールです。
写真は、洞窟の上にそびえ立つ大木の根の張り方が影響を与えたとされる洞窟サンゴです。
世界には一万年以上かかって出来た洞窟もありますが、ヘルクロッテンは比較的若い洞窟で、3000年で形成されたと言われています。ヘルクロッテンがあるロルツェントーベルの山は、1900年代の鉄道建築ブームの際にトンネル建築が予定されていました。
トンネル開発が始まるや否や、1863年に最初の洞窟が発見され、もちろんトンネル開発は即時にキャンセル。スイス連邦議会は国がロルツェントーベルの山を買い取り洞窟を保存していくことを決定しました。
1917年にはヘルクロッテンは一般の観覧が可能なまでに整備されました。2012年には最新のLED技術を使ったライトアップを導入し、訪問者の目を楽しませてくれています。
写真はワニの鍾乳石です。このワニは、洞窟内にあった木の大きな根に壁や天井をつたった水の石灰分が接触し、長い間に石灰質を作り上げたとされています。このワニの頭をなでると幸福が訪れると言われています。足元には気をつけてくださいね。
子供など若い訪問者も楽しめるように、色々な工夫が施された洞窟ですね。
ヘルクロッテンは例年3月25日から10月31日まで休みなく開館しています。入場料金は、16歳以上が12CHF, 6歳から16歳までは6CHF, 6歳までは無料です。その他、グループ料金やお年寄り料金などあります。
行き方はヘルクロッテンのホームページに書いてありますが、あまりお勧めいたしません。書かれている方法ですと、バスN3のバールレッティッシ行きをパラディースで降りて40分歩く若しくはロルツェントーベルブリュッケまで行って25分歩くというのは、かなり地理感に優れている方でないと難しいです。一番いいのは、バールの駅前で待っているタクシーに声をかけて、見学の間待っていてもらってまた帰りも送ってくれるか交渉しましょう。見学は、急いでも1時間、興味がある方は2,3時間は必要です。
大切なことですが、訪問の際には歩きやすい登山靴か滑らないスニーカーを履いて行きましょう。洞窟の中は、濡れています。水たまりになっている場所もあります。雨の後の日などは天井からかなりの水しずくがたれます。石灰質で堅くなった地面が濡れていますので、当然滑りやすいのです。
写真はヘルクロッテンの入り口手前の駐車場です。この先に絶景な洞窟が待っているとは誰にも想像出来ないような素朴な風景ですね。知らない方だと、見逃す可能性が高いのです。
スイス・ツーク州にあるバールは素朴な田園風景あふれる町です。観光面で宣伝に力を入れていないために日本人にとっては情報が少なく、スイス旅行の際に見逃す可能性が高い町です。
こんな素朴な田園町ですが、鉱山や非鉄金属の開発及び製錬で世界のトップに輝くグレンコア・ピーエルシー社や、医療機器製造企業として世界に名の知られたシラーグループAGもバールに本社を置いています。
次回のスイス旅行の際には、バールの町とヘルクロッテンを是非計画に組み込んでみませんか。
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