神話の始まりの地！ギリシャ「デルフィ神殿」で歴史を体感する旅

更新日：2017/03/23 14:32

歴史に興味をお持ちの方なら、神託の聖地、予言の巫女のギリシャ「デルフィ神殿」の名前を一度はお耳にした事があるのではないでしょうか。ギリシャ神話の世界、そして実際の歴史を動かした神託の聖地は、創作物ではありません。

アテネから約３時間。歴史好きな方には堪らない、嘗ての神託の地で神話の世界に思いを馳せる旅はいかがでしょう。

デルフィの神殿のおさらい

写真：藤華酉

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デルフィは、古代ギリシャの都市国家の一つでした。山がちで豊かな土地ではなく、軍事力も然程強力なものではありませんでしたが、その政治的な意味合いは古代ギリシャ随一。それと言うのも、神託、確実に当たると考えられていた予言を伝える巫女を多数抱えていた為です。神託は詩的で、幾通りもの解釈を持ち、この解釈違いが産む幾つもの英雄や悲劇が、しばしばギリシャ神話を彩っています。

神話の中にも登場するデルフィ神殿ですから、実際の起源は不明確ですが、現存する神殿は少なくとも紀元前８世紀には存在していたといわれています。と言う事は、写真の石はおおよそ２８００年前の石となります。すさまじいスケールです

デルフィ神殿の見所

写真：藤華酉

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デルフィ神殿は山の中腹に位置しています。観光バスなどが停車する道からは、舗装された遊歩道が伸びており、添って歩けば１～２時間で遺跡を効率よく見て回る事が可能です。

第一の見所は、なんと言っても修復された「アポロン神殿」。現在でも直立した柱と土台がよく残されており、当時の繁栄を伺い知る事が出来ます。
第二の見所は、円形劇場。石の階段、座席が残されています。音響効果も計算されており、劇場の真ん中で声を上げると、野外とは思えない程に良く響きます。ぜひお試し下さい。また、円形劇場の上部から見下ろす、デルフィの山景色は疲れも吹き飛ぶ美しさです。

見落としやすい第三の見所が、「地球のへそ」。知らずに見れば変な形のただの石……ですが、この場所こそが、古代ギリシャでは地球の中心だと考えられていました。当時はこの場所に石の玉座が置かれ、予言の巫女が神託を下していたそうです。巫女は地中から吹き出す硫黄等の有毒ガスにより朦朧となった状態で予言を行っていたと言われていますから、この石の下からはガスが噴出していた時代があったのかも知れません。
この「地球のへそ」のオリジナルと、「石の玉座」は、デルフィ神殿の博物館に保存されています。

デルフィ神殿の隠れた必見スポット

写真：藤華酉

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ツアーに参加すると、概ねアポロン神殿の周囲を回るのみとなってしまいます。が、折角ならほんの少し脚を伸ばして、「トロス神殿」の遺跡も見に行かれてはいかがでしょう。アポロン神殿から徒歩５分。下り方面を道沿いに歩くと、大きな「競技場跡」が見えて来ます。「Tholos」の看板を目印に坂を下ると、森の中に忽然と円形神殿の跡が現れます。

紀元前４００年頃に築かれたと伝えられているトロス神殿は、デルフィを詣でる際に、人々が身を清めた泉などがあったそうです。トロス神殿の周囲には、崩れた侭の石が大量に残されており、古色蒼然とした雰囲気。観光客もぐっと減って、遺跡、廃墟の雰囲気を満喫する事が出来ます。

デルフィ神殿をもっと知りたい人の為の博物館

写真：藤華酉

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デルフィ神殿の隣には、遺跡から発掘された宝物が収められた博物館が併設されています。かつてのデルフィ神殿を飾っていた彫像やレリーフ、神殿の人々の暮らしぶりが伺い知れる遺物を、触れるような距離で見学出来ます。

地球のへそのオリジナルに並び、人気のある展示物は、「青銅の御者像」です。こちらは紀元前478年に奉納された事が分かっています。硝子製の目玉や繊細な指先の表現などは、とても紀元前の作品とは思えない程。古代ギリシャの繁栄を伺わせる作品です。