北関東最大級のバラ園!前橋市「敷島公園ばら園」の楽しみ方

北関東最大級のバラ園!前橋市「敷島公園ばら園」の楽しみ方

更新日:2016/04/07 10:47

Naoyuki 金井のプロフィール写真 Naoyuki 金井 神社・グルメナビゲーター
市の花がバラで、切バラ生産が盛んな前橋市にある『敷島公園ばら園』は、平成20年のリニューアルにより中世ヨーロッパの宮廷庭園を思わせる北関東最大級のローズガーデンに生まれ変わりました。東京ドームとほぼ同じ広さの園内には、日本屈指の数600種7,000株のバラが色とりどりに咲き誇っているのです。
そんな敷島公園ばら園で今年も開催される【ばら園まつり】を120%楽しめる見所をお教えいたします。

バラの原点を楽しみましょう

バラの原点を楽しみましょう

写真:Naoyuki 金井

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多くのバラ園には、概ね2種類のバラが植栽されています。
それは、四季咲き性以前のバラであるオールドローズと、それ以降のバラのモダンローズ(現代のバラ)で、園によっては野生種などを含めているので歴史的にもオールドローズは、モダンローズの原点とも云える品種です。

モダンローズに比べ地味なオールドローズなのですが、そのオールドローズの最大の特徴が優雅な花の形と豊かな香り。
『オールドローズエリア』での一例では、まるで“霜降り和牛”を花びらにしたような【モダンタイムス】や優美な色合いの【ツル レディ ヒリンドン】、花魁をイメージした香りの強烈なメイドインジャパンの【艶姿】等、優美で香り高いオールドローズを見ることができます。
近くで見るも良し、エリアの中央にあるガゼボでバラに包まれるのも良いでしょう。

現代のバラのシンボルはお見逃しなく

現代のバラのシンボルはお見逃しなく

写真:Naoyuki 金井

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敷島公園ばら園のメインがモダンローズエリアで、そのエリアを一望できるのが『ガーデンステージ』のテラスです。“シャボン玉”が湧き出る中でシンメトリーのばら園を見ながらの景色もメルヘンでしょう。

ここで注目はテラス前にある円形に配置されたバラたちで、平成14年に開催された「第11回ばら制定都市会議ばらサミット」の開催記念植樹として、北海道岩見沢市から鹿児島県鹿屋市まで当時の加盟20自治体のバラが植栽されているバラの街前橋らしい見所です。

必見なのはテラスの周囲にある【ラ・フランス】で、これがモダンローズ第1号となったバラです。このバラの凄さは、フランス生まれのバラの中で“フランス”という国名を命名するのに相応しいバラを選ぶという1876年に行われたコンテストで、見事1,000種の中から選ばれた由緒あるバラなのです。
オールドローズエリアとモダンローズエリアの中間にあるガーデンステージにあるのも象徴的です。

バラも植栽方法を変えると興味深いもの

バラも植栽方法を変えると興味深いもの

写真:Naoyuki 金井

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メインで人気の『モダンローズエリア』も非常に興味深い植栽がなされていています。
その一つが、世界の国々に分けられたエリアで、“日本・ドイツ”という復興国エリアから、“アメリカ”大陸エリア、“イギリス・ニュージーランド”の英連邦エリア、そして本家イギリスを揺さぶる“フランス・その他欧米”エリアに分かれていることで、地域による類似点や違いなどを見ることができます。

そして、これらの中には、それぞれアメリカ大統領、イギリス王室、モナコ王室、日本皇室のロイヤルファミリーの名の付いたバラが植栽されており、気品の差を見比べていくのも楽しいものです。更に“マリリン・モンロー”“オードリー・ヘップバーン”“カトリーヌ・ドゥヌーブ”“大地真央”と云ったスターたちのバラが多くあり、本人たちとのイメージと対比させて評論する“オバサマ”方の大人気エリアとなっています。
とにかく端から順に見る、あるいはテーマを絞って見る等々、あなたの見方次第で楽しさも変わるのです。

歴史を知るとバラも一層輝きます

歴史を知るとバラも一層輝きます

写真:Naoyuki 金井

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ばら園の一角にある温室内のバラやパネルで展示された『バラの歴史コーナー』も見どころです。
例えば古代のバラでは、皆さんご存知のギリシャ神話の世界“ヴィーナスの誕生”に描かれているバラが、ヨーロッパにおける園芸品種の祖先といわれている【ロサ・ガリカ】と考えられていることをご存知でしたか。

また、中世イギリスでの“薔薇戦争”も興味深く、赤いバラ【ロサ・ガリカ】の紋章のランカスター家と白いバラ【ロサ・アルバ】が紋章のヨーク家との内乱は、日本の源平合戦の赤白に通じるものです。そして、この内乱終結のシンボルである赤白交じりのバラが【ヨーク・アンド・ランカスター】という感動的なバラもあります。

更に、近世では、マリー・アントワネットの愛した【ロサ・ケンティフォーリア】や、“花のラファエロ”と呼ばれた天才植物画家【ルドゥーテのバラ】なども展示されており、歴史と合わせてみると一層バラが輝いて見えてくるのです。

バラの最大の魅力は香りかもしれない

バラの最大の魅力は香りかもしれない

写真:Naoyuki 金井

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美しさや品種の多さで鑑賞としては絶大の人気を誇るバラですが、ある意味でバラの持つ最大の魅力が『バラの香り』。
バラの品種に系統があるように、“香り”にも系統があります。バラの香りの系譜をたどると、その祖は【ロサ・モスキャータ】【ロサ・ガリカ】【ロサ・フェニキア】3つのバラに行きあたります。競馬のサラブレッドの祖が3頭の馬に行きあたるのと似ていますね。

この3つを祖にして、現代ではブルガリアンローズ、スパイシー、ブルー、フルーティー、ティー、ダマスク・モダン、ダマスク・クラシックの7つの香りに分類されており、展示台には7つの香りのテスターが置かれています。
資生堂リサーチセンターによれば、バラの香りはストレスを緩和する効果があることが証明され、“癒し効果”が科学的に証明されたと云っています。
あなたが癒される香りは、どんな香りでしょうか。

最後に。。。

バラの美しさをただ鑑賞するだけでなく、歴史や地域性、系統や香りなど、ここで一通り見ればバラのすべてがわかる貴重なバラ園です。
また、バラ園のイベント時期には、バラの直売、カルチャーコーナー等もあるので一日たっぷりバラの魅力に浸れることができるでしょう。
また、園内には「萩原朔太郎記念館」や「蚕糸記念館」などの文化施設もありますので、併せて見学されるのをおススメします。
今年のバラ鑑賞に是非お出かけください

2016年春のばら園まつり
開催日予想:2016年5月14日(土)-2016年6月5日(日)
入場無料(現在、有料化を検討しているという噂もありますのでHP等でご確認ください)

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/06/07 訪問

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