京都・源光庵 観光寺にはない本物の静寂を求めて‥元バスガイドがプライベートで通うお寺。

| 京都府

| 旅の専門家がお届けするオリジナル旅行ガイドメディア

京都・源光庵 観光寺にはない本物の静寂を求めて‥元バスガイドがプライベートで通うお寺。

京都・源光庵 観光寺にはない本物の静寂を求めて‥元バスガイドがプライベートで通うお寺。

更新日:2014/08/06 16:01

Kyoto’s Genko-an: The stillness you want but can’t find at sightseeing temples? A former bus guide’s favorite temple to visit privately
奈良山 鹿子のプロフィール写真 奈良山 鹿子 元観光バスガイド

京都といえば「清水寺」「金閣寺」など、誰でも知っているような観光地が市内随所に点在していて、歴史あるお寺や町並みを楽しむことができます。しかし有名な観光地であるが故に、せっかく行っても人が多すぎてゆっくりできない…と、ちょっとがっかりすることも。そこで今回は、元観光バスガイドの私が、プライベートでもひっそり通う、比較的ゆっくりできる隠れ名所「源光庵」をご案内します。

ふたつの窓が有名なお寺

ふたつの窓が有名なお寺

写真:奈良山 鹿子

地図を見る

あれ、この丸と四角の窓、どこかで見たことがある…と思う方もいらっしゃるかもしれません。この写真は源光庵にある「悟りの窓、迷いの窓」。

JR東海の「そうだ、京都、行こう」のポスターに使用されたことがありますので、それで見たことがある方が多いのではないでしょうか。

源光庵の歴史

源光庵の歴史

写真:奈良山 鹿子

地図を見る

源光庵は「足利3代将軍家光が…」などと言われる歴史を持つ寺院に比べると、それほど有名なお寺ではありません。ですが歴史は古く、今からおよそ700年も前の1346年に大徳寺住持の徹翁義亨(てっとうぎこう)の隠居所として建てられた復古堂に始まります。その後衰退していきますが、1694年、加賀大乗寺の卍山道白(まんざんどうはく)禅師が再建し、現在に至ります。

基本的には源光庵を訪れる人は少なく、運が良ければお堂のなかに自分一人。なんてことも。周辺も観光地化していないのでとても静かで、夏に行けば蝉の鳴き声がお堂に響き渡ります。

迷いの窓

迷いの窓

写真:奈良山 鹿子

地図を見る

本堂奥のご本尊、釈迦如来にお参りをしたら早速「悟りの窓、迷いの窓」へ向かいましょう。

ところでこの窓、なんとなく見たことあるけど何なの? と思う方も多いはず…。
そこでちょっとご紹介。この2つの窓には「仏教の概念、禅の境地」の意味が込められています。

まず向かって右側にある四角い窓は、「迷いの窓」と呼ばれています。

「迷い」とは「釈迦の四苦(生・老・病・死)」のこと。この窓が生老病死の四苦八苦を表しているといわれています。また、四角い形は、人間が生まれてから死ぬまでの「人間の生涯」の象徴ということです。
…とはいっても、難しいですよね。自分の人生、いろいろなことがあるなあと、改めて考え直す窓、と言ったところでしょうか。私はそう思っていつも見ています。

悟りの窓

悟りの窓

写真:奈良山 鹿子

地図を見る

向かって左側にある丸い窓は「悟りの窓」と呼ばれています。
この窓の丸い形は、「禅と円通」の心が表されています。ありのままの自然の姿、清らか、な姿…つまりは悟りの境地を開いた。という意味で、丸い形(円)は大宇宙を表現しているのだそうです。。
大宇宙! とまああまり難しいことは分からないのですが、こちらはこれから頑張るぞー! と思えるような、そんな感じですね。

意味などから考えると先に「迷いの窓」を見た後、「悟りの窓」を見ると良いかもしれません。

仏教、禅、悟り、迷い…なんだか難しいぞ!と思わなくても大丈夫!
あまり分からなくても、窓を見ていると人生について考えてみたくなったりして…
写真では伝わらないあの空気感! ぜひ一度体感してみてほしいです。

窓の向こうは枯山水の庭園になっていて、この窓越しに見る秋の紅葉はとても有名です。紅葉シーズンはこの紅葉目当てに沢山の人が訪れるので、普段とは違い、とても賑やかになります。
静かに見たいなら紅葉シーズン以外がおすすめですね。新緑や雪景色も素敵なので私はいつの季節に来ても良いと思います。

血天井でも有名

血天井でも有名

写真:奈良山 鹿子

地図を見る

源光庵にはもう一ヶ所、是非ゆっくり見ていただきたいところがあります。それはこちらの「血天井」です。
「血天井」という名称から、天井に血が付いているのかな?という想像は出来ると思いますが、まさにその通りです。

この血天井は、戦国時代の1600年7月に現在京都伏見区にある伏見桃山城で起きた戦いの遺構です。関ヶ原の戦いの中、徳川家康から伏見桃山城の留守を任されていた鳥居元忠ら約20000人は攻め込んできた石田三成の率いる軍勢と戦いますが、劣勢に持ち込まれ負けを覚悟、約400人が城内で自害したと言われています。
その武士たちの供養のために、当時の伏見桃山城の床板を、ここ源光庵や養源院など、市内の寺院の天井板として使っているのですが、当時の血痕が染み込んだ箇所が黒くなっていて、上を見上げてじーっと見入ってしまいます。
血痕のなかには足跡や手形など、見てはっきりとわかるようなリアルなものもあたりするので、当時の様子を想像するとゾクッとするのですが、なぜかもっといろいろと探したくなるという不思議な感じになります。

紅葉シーズン以外は静かなスポット

京都の中心部からはやや北にあるので京都駅からですと市バスでおよそ30分くらいでしょうか。春秋の観光シーズンは道路が混みますので更に時間がかかります。
この辺りはバスがあまり通っていないのでバスで行く際には停留所でおりてから、帰りのバスの時刻を確認して、源光庵に向かうようにしてくださいね。

観光バスガイド、という職業柄、京都の色々な名所に行きましたが、そんな私がプライベートでも何回も行っている源光庵。
何度も言いますが静かなシーズンに行くのが個人的にはお勧めです!
ゆっくり自分に向き合うことのできる、とても素敵な窓に出会えます。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/08/19 訪問

- PR -

条件を指定して検索

トラベルjp<たびねす>

トップページへ戻る

トラベルjpで一緒に働きませんか? 旅行ガイド編集部では運用サポートスタッフを募集中です!

- PR -

旅行ナビゲーター(在宅ライター)募集中!
この記事に関するお問い合わせ