ユーラシア大陸鉄道走破の出発点・ウラジオストク駅

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ユーラシア大陸鉄道走破の出発点・ウラジオストク駅

ユーラシア大陸鉄道走破の出発点・ウラジオストク駅

更新日:2016/04/05 17:18

カナマル トモヨシのプロフィール写真 カナマル トモヨシ 航海作家、船旅ジャーナリスト

日本からヨーロッパに行くとしたら、どうしますか?この質問に対してほとんどの人は答えるでしょう。
「飛行機で行きます」と。
でも、飛行機を一切使わないでヨーロッパに行く方法があることをご存知ですか?それは、シベリア鉄道でロシアの首府モスクワに行き、モスクワからヨーロッパ各地に向かう国際特急に乗り継ぐ方法です。
ユーラシア大陸を鉄道で横断する旅。その出発駅がウラジオストク駅なのです。

この駅から大西洋を望むリスボンまで、一本の鉄路でつながっている

この駅から大西洋を望むリスボンまで、一本の鉄路でつながっている

写真:カナマル トモヨシ

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ウラジオストク港に面するこの駅の歴史は古く、いまから120年以上も昔の1893年に開業しました。
現在見られる駅舎は開業翌年の1894年に竣工しています。
当時、モスクワと極東の海の玄関口ウラジオストクを結ぶシベリア鉄道の工事もすでに始まっていました。

そして、1904年にシベリア鉄道が全線開通。
古代ロシアの宮殿をイメージした駅舎が完成したのは、シベリア鉄道開通に遅れること8年の1912年でした。
シベリア鉄道の開通によって、ウラジオストクとヨーロッパは一本の鉄路でつながりました。
ここからベルリンやパリはもちろん、はるか大西洋に面したポルトガルのリスボンまで。

そんな壮大なユーラシア横断鉄道のターミナル駅という役割とは対照的に、駅舎はかなり小ぶりです。
東京駅や大阪駅など日本の中心都市の駅のような巨大さをイメージしていると、小さな教会程度の規模に、拍子抜けしてしまいます。

ただし、セキュリティはかなり厳しいです。
駅構内に入るだけでも、X線検査が行われます。
そのかわり、列車の切符を持っていなくても中に入ることは可能です。
それではユーラシア大陸の玄関口の内部を見てみましょう。

大陸横断鉄道の発着駅とは思えぬ、簡素な内部にびっくり

大陸横断鉄道の発着駅とは思えぬ、簡素な内部にびっくり

写真:カナマル トモヨシ

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まず目に入るのは待合室。
ユーラシア大陸横断鉄道の始発(終着)駅というスケールのでかさからすると、なんともちっぽけで簡素な待合室です。
このギャップに、まず驚くことでしょう。

ただ、東京駅のように短時間のうちに無数の列車が頻発する繁忙ダイヤではないので、この程度の待合室スペースで充分なのかも知れません。
そこにかえってユーラシア大陸の大きさというかおおらかさが漂っています。
そして天井に描かれている絵画は、列車を待つ乗客の目を楽しませてくれます。
ここにはモスクワとウラジオストクの観光名所が描かれているのです。
さすが、シベリア鉄道のターミナル駅です。

このほかに、軽食を取ることができる小さな食堂もあります。
また、もうひとつここよりゴージャスな雰囲気で広い部屋がありますが、そこは待合所ではなく、琥珀などロシア名産品のショッピングコーナーになっています。
価格も目が飛び出そうなものばかりで、気軽に財布を取り出せるものはありませんが。

9288という数字が意味するものは・・・

9288という数字が意味するものは・・・

写真:カナマル トモヨシ

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港にある客船ターミナルとウラジオストク駅舎をつなぐ橋から、眼下にプラットホームや線路を眺めることができます。
この橋には、プラットホームにつながる階段があります。
列車から降りてきた乗客がウラジオストク市内に向かうためのものですが、実は乗車券を持っていない人でも、この階段からプラットホームに降りることができるのです。

ホームに降りてみると、これから遠いどこかへと旅立つ人々にまじって、カメラ片手に写真を撮りまくる国内外の観光客も目につきます。
ちょっとオールドファッションなロシアの鉄道車両が発車の時を待ち、そしてかつてシベリア鉄道を牽引してきた蒸気機関車が展示されていたりと、旅情たっぷり。

旅情を最もたっぷりたたえているのが、ホーム中央に立つ石造りのモニュメント。
実はこれ、キロポストといって起点駅からの距離を表した標識です。
そこには「9288」という数字があります。
これはモスクワからウラジオストクまでの距離9288キロメートルをあらわします。
日本の鉄道で比較しますと、日本最北端の駅・稚内と鹿児島県の鹿児島中央を1往復半する距離に相当します。

モスクワまで6泊7日のシベリア超特急「ロシア」号

モスクワまで6泊7日のシベリア超特急「ロシア」号

写真:カナマル トモヨシ

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ウラジオストクからモスクワまで9288キロメートル。
この気の遠くなるような長距離を6泊7日かけて走破するのが「ロシア号」です。
このロシア号、2日に1本運行されています。

2016年1月の時刻表によれば、ウラジオストク駅を発着するロシア号の時刻は次の通りです。
モスクワ行き 午前11時02分発
ウラジオストク到着 午後8時20分
(いずれも現地時間)
運が良ければ、夢のシベリア超特急に出会えるかも知れません。

ウラジオストク駅から発着するのはロシア号だけではありません。
遠くタタール(間宮)海峡に面し、サハリンの対岸にあるソビエツカヤ・ガヴァニ行きの特急、シベリア鉄道の1泊2日体験ができるハバロフスク行き特急、そしてウラジオストク国際空港まで1時間足らずで結ぶ「アエロエクスプレス」なども発着しています。

さて、ウラジオストク駅が世界最長のシベリア鉄道のターミナル駅であることを感じさせるプレートがあります。
ウラジオストクからモスクワまでの地図が描かれています。
このプレート、駅舎に面したプラットホームにあります。
ウラジオストク駅に行ったら、ぜひ探してみてください。

駅の時計にだまされてはいけない

駅の時計にだまされてはいけない

写真:カナマル トモヨシ

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ウラジオストク駅で気をつけなければいけないのは、時計の針です。
広大な領土を持つロシア、同じ国でもヨーロッパ側のモスクワと極東のウラジオストクでは時差は7時間もあります。

時計の針は10時ちょっと過ぎを指していますが、だまされてはいけません。
実はこの画像を撮影したのはウラジオストク現地時刻で夕方の午後5時(17時)過ぎ。
ウラジオストク駅の時計はモスクワ時間表示となっており、シベリア横断特急のロシア号も現地時間ではなくモスクワ時間を基準に運行されます。

これもシベリアを1週間かけて横断するという、日本では考えられないスケールならではのお話ですね。

ウラジオストク駅でユーラシア大陸横断のロマンを感じてみよう

先にも触れましたが、ウラジオストク駅は旅客船ターミナルと隣接しています。
人類が航空機で移動するのが当たり前になる時代以前、おもに戦前ですが、日本からヨーロッパに渡るには、ウラジオストクまでの連絡船とシベリア鉄道を利用するのが最短ルートだったのです。

現代も日本からウラジオストクに行く船があれば、飛行機を使わぬユーラシア大陸横断が実現します。
そんな夢をかなえてくれる、日本とウラジオストクをつなぐ国際航路が21世紀の現在にも存在します。
それがDBSクルーズフェリーの「イースタンドリーム」です。

鳥取県の境港から韓国の東海を経由してウラジオストクまで2泊3日の船旅。
そしてウラジオストクからはロシア号でモスクワまで最短1週間の鉄道旅行。
モスクワからは国際特急列車でベルリンやパリ、そして大西洋の見えるリスボンへ。
そんな壮大な旅、ウラジオストク、いや、あなたの住む最寄り駅から始めてみませんか!

また、そんな時間は取れないという人でも、ユーラシア大陸の海の玄関口・ウラジオストク駅だけは訪れてみてはどうでしょう。
ここからヨーロッパまで線路がつながっている、というユーラシア大陸のスケールの大きさとロマンを感じる(しかも無料で)ことができるはずです。

掲載内容は執筆時点のものです。

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