越代のサクラ・晩春の福島に咲き誇る一本桜の名木

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越代のサクラ・晩春の福島に咲き誇る一本桜の名木

越代のサクラ・晩春の福島に咲き誇る一本桜の名木

更新日:2016/04/07 10:06

大木 幹郎のプロフィール写真 大木 幹郎 巨木マニア、低山登山家、ブロガー

ソメイヨシノやエドヒガンの桜が咲き終わる頃。まだ桜の花を見足りない人、忙しくてお花見できなかった人、そして巨木好きな人にお勧めするのが、福島県の古殿町にある銘桜「越代のサクラ」です。日本最大級のヤマザクラの見事な巨木で、開花時期は周辺地域の桜よりも遅め。阿武隈山地の里山の中、晩春に咲き誇る一本桜に会いに行きましょう。

福島県の銘桜・越代のサクラ

福島県の銘桜・越代のサクラ

写真:大木 幹郎

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越代のサクラは、中通りの南東部に位置する古殿町にあります。宮城県南部から茨城県北部に至る、なだらかな阿武隈山地の山並みの中、緑豊かな里山の風景が広がっている場所です。

越代のサクラは、古殿町の中心部(町役場前)から直線で東へ3.5kmほど先にある、県道135号線沿いの高台の上に立っています。大きさは幹周7.2m、樹高は20mと、国内最大級の立派なヤマザクラの巨木。推定樹齢は400年と古木ですが、目立った損傷も見えず、樹勢は今なお旺盛です。周囲に広く枝を繁らせているので、花のボリュームもあり見応え満点。林野庁が選定した「森の巨人たち百選」に唯一選ばれたヤマザクラであり、福島県指定天然記念物の貴重な大桜なのです。

古殿町について少し説明を。古殿町の名前は、周辺地域の総鎮守である古殿八幡神社の所在地である古殿の地からとったものです。古殿八幡神社は創建が平安時代後期(康平7年・1064)という格別の古社。源頼義と義家(八幡太郎)の父子が、東北での戦役の勝利(前九年の役)に感謝し、戦勝祈願をした京都の男山八幡から勧請したのが始まりと伝えられています。杉の巨木に囲まれた風格ある古社、こちらへもお立ち寄りをお勧めします。古殿八幡神社では、毎年10月第2土曜日に行われる笠懸と流鏑馬の神事が有名。鎌倉時代から続く約800年の歴史あるもので、当日は多くの参詣者で賑わいます。

越代のサクラの見頃とヤマザクラの特徴

越代のサクラの見頃とヤマザクラの特徴

写真:大木 幹郎

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越代のサクラが満開の見頃となる時期は、4月下旬から5月上旬と周辺地域の桜よりも遅めです。開花時期が大型連休のゴールデンウィークと重なるので、4月中に忙しくてお花見ができなかった方も、連休中に満開の大桜を目にできる機会が到来。晩春に桜の見納めとして、越代のサクラは申し分ない見事さです。

越代のサクラの樹種であるヤマザクラについて少し説明を。ヤマザクラは野生種の桜で、奈良県の「吉野の桜」が本来はヤマザクラであったように、古くから人々に愛でられてきた日本の象徴とも言える桜です。ソメイヨシノと似ていますが、大きな特徴の1つは花と葉が同時に開くこと。花弁は一般的に白色ですが、若く小さな葉の色と重なるので、ソメイヨシノよりも、色が濃く見えるでしょう。そして開花時期に大きく個体差があることも特徴です。早い個体はソメイヨシノと同時期に開花しますが、個体の変異差が多く、同じ場所に立つものでも、開花時期が1週間以上ずれることも。開花時期が集中しないので、長期間に花を楽しむことができます。

高台の舞台で咲き誇る一本桜

高台の舞台で咲き誇る一本桜

写真:大木 幹郎

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越代のサクラは、国内最大級のヤマザクラの巨木で、福島県内の数ある一本桜の巨木たちにも引けをとらない大きさです(三春の滝桜の幹周は約7.9m)。魅力は、只大きいだけでなく、目立った損傷がなく樹勢が旺盛で花つきが良いこと。そして、太く逞しい幹と、そこから広く張り出した枝の円い樹冠は、力強くも端正で美しい姿。更に、里山の高台の上という立地も素晴らしいものです。背後に電線や建物の写らない、里山の木々と青空のみを背景に、高台に舞う大桜の風景は格別。根元には、いつくかの岩が点在していますが、庭園のような趣として大桜との調和が感じられます。

道路と高台から遮るものなく大桜を鑑賞

道路と高台から遮るものなく大桜を鑑賞

写真:大木 幹郎

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越代のサクラの根元近くへは、保護の措置から接近することはできません。しかし、その巨体は、高台の真下を通る県道135号線上からでも見応え十分。高台の上に続く階段を登れば、大桜の根元と同じ高さからその姿を眺めることも。大桜の周囲は広く刈り払われているので、遮るものなく、正面や側面の姿を鑑賞できます。開花時期には、周辺に花壇が作られますので、季節の草花を前景に大桜を眺めるのも一興です。

開花時期が重なる付近の銘桜・新田の大山桜

開花時期が重なる付近の銘桜・新田の大山桜

写真:大木 幹郎

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4月下旬から満開を迎える越代のサクラ。大きく美しい立ち姿で咲き誇る、里山の高台に舞う一本桜の巨木。この姿を見る為のだけに古殿町へ訪れる価値は、桜や巨木が好きな方でしたら十分。しかし、一本だけでは物足りない! という方にお勧めなのが「新田の大山桜」です。

新田の大山桜は、越代のサクラから約10km離れた場所、いわき市の三和町にあります。ヤマザクラより花や葉が大きいオオヤマザクラの巨木で、幹周4.2m、樹高16m、推定樹齢400年。樹勢は旺盛で花付きが良く、端正な立ち姿の見事な大桜です。周囲の景観も大桜の姿を引き立てる素晴らしいもので、田畑、木々の緑、青空、そして背後に複数並ぶ他のオオヤマザクラが華やか。開花時期は4月下旬から5月上旬なので、同日に越代のサクラと合わせて満開の姿を目にすることも可能でしょう。

おわりに

以上、日本最大級のヤマザクラ、越代のサクラのご紹介でした。この大桜の魅力は大きさだけでなく、損傷が少なく樹勢が旺盛なので花付きが良いこと、太く逞しい幹と広く張った枝の円い樹冠は、力強くも端正で美しい姿。そして、里山の高台という立地の素晴らしさ。電線や建物は写らず、木々の緑と青空を背景に大桜を鑑賞できます。満開となる見頃の時期は4月下旬〜5月上旬と遅く、大型連休のゴールデンウィークと重なるので、4月中にお花見ができなかった方も、満開の大桜を目にするチャンスがあります。新緑へ移り行く晩春、桜の花の見納めに、里山の舞台に咲き誇る一本桜の巨木に会いに行く旅は如何でしょうか。

越代のサクラの周辺にも、一本桜の巨木が複数ありますが、最も近い位置にあり開花時期が重なるものは先にご紹介した「新田の大山桜」です。開花状況や、周辺の一本桜の所在や観光情報は、以下リンク先のサイトをご参照ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/05/02 訪問

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